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プロローグ
気づいたときにはすべてが遅かった
…そういうことあるよね?
いやいやそんなアニメみたいに気づいたら体に毒が…とかじゃなくて
たとえばトイレに行っても気づいたら紙がなかったとか軽いものから、親が早くに死んで、もっと親孝行しとけば…とか
軽いことでも思い当たることがあるんじゃないんの?
僕のわずか10年しか生きてないなかでの結論は、気づいたときには遅かった…ではなく当たり前すぎてて気づかなかった
さっきの例で言うとトイレに行けば紙はあると思っている、無いと思っていくやつなんていないはずです。今日も元気にあの笑顔を見せてくれると思っていた…でもその笑顔はもう見えない。
僕は今日も当たり前のように二人で学校に行き、当たり前のように二人で家に帰り、当たり前のように1日を終えるかと思っていた。
思っていたんだ。
だけどもう見えない
いつも一緒だったのに
体の一部をもぎ取られた気分だ
…とりみだしてごめん
僕がこれ以上話しても意味がないか。
今の僕の声は君には届かないらしい
今の僕には待つことしかできない、不安がってる君を心の中から見守り支えることしか…