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初恋の行方(告白編)

作者: 虹虫


彼女に告白しよう。


中学校生活も残り僅かのある日、僕は決心した。

告白するのは小学5年生のときから片思いしている彼女。

中学を卒業したら別々の高校に行くので会う機会は

ほとんどなくなるだろう。

そう思うといてもたってもいられなくなった。

結果はどうであれ、気持ちだけでも伝えたい。

普段彼女に話しかけることさえできない僕にとっては一大決心だ。


どうやって告白しよう・・・。

友達に相談した。

呼び出して直接伝える?

手紙を書いて渡す?

面と向かってはハードルが高い。

手紙にしようか。

悩んだ結果、電話で告白することにした。


学校が半日の午後を運命の日に選んだ。

告白決行までの数日、緊張で食事が喉を通らなかった。

そして運命の日、放課後友達の家から電話することにした。

当時、携帯はなく家に電話するしかない。


プルルル・・・

『もしもし』

彼女の母親がでた。

『詩織さんいますか?』

『今、お祭りに行ってていないの』

『そうですか・・・。 わかりました。』

意を決してかけた電話も空振りに終わった。


そういえば今日はお祭りだったな。

いつ帰ってくるかも分からない。

告白する日を失敗したか?

しかし、いまさら引き下がるわけにはいかない。

なんとしても今日告白するんだ。

とりあえず、2時間ほど待ってもう1度電話した。


プルルル・・・

『もしもし』

また彼女の母親がでた。

帰ってないか? と思いながら

『詩織さんいますか?』

『はい、ちょっと待ってね。』

帰っていた。

緊張は一気に高まり、心臓がバクバクいっている。

『もしもし』

彼女が出た。

詰まる声をふりしぼり

『もしもし・・・ 手塚だけど』


『・・・!? うん。どうしたの?』

彼女は少し驚いた様子だった。

『急に電話してごめん。

 ちょっと話があって・・・。』

『うん。』


ここから自分が何を言ったのかは覚えていない。

そして・・・


『詩織さんのことが好きです・・・。

 ずっと前から好きでした。』


言った。 ついに言った。

あとは彼女の返事を待つのみ。

少しの沈黙。



『・・・・。 うれしい。

 私も好きだった。』


思いもしない嬉しい返事だった。

両思い・・・。


こうして僕の初恋は実を結んだ。


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