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愛と死の間で

作者: 遠山海月

本当だったら今頃はライトアップされたゲレンデでバレンタインデーの夜をロマンチックに過ごしていたはずなのに・・・


どこでどう間違えたのかしら、彼と二人してまさかスキーに来て遭難するなんて。

コースに戻ろうと、歩けば歩くほど森の奥へと迷い込んでしまったみたい。


夕暮れになってこれ以上歩き回るのは危険だという時、斜面に小さな洞穴を見つけてどうにか避難したけれど、折しも降り出した雪は日没とともに吹雪となり夜の暗さとあわせて私たちの視界を閉ざしてしまった。

彼と二人っきり・・・っていってもこの状況じゃあちっとも嬉しくないわ。


携帯も圏外で助けを呼ぶこともできないうえに、「この様子だと吹雪、暫らく収まりそうにないなぁ」という彼の言葉に全身の力が抜けていく。

いったいいつまでこんなとこにいなきゃいけないの!?


暖をとる火種も無ければ薪もない。

なにより食糧がないじゃないの。

朝食をとったきりでずーっと彷徨ってたからもう既にお腹はペコペコ身体はクタクタだっていうのに。

このまま閉じ込められたままだったら、二人とも生きていられないわ。

彼はといえばさっきから「どうしよう、どうしよう」って、こんな頼りない人だとは思わなかった。


実はウェアのポケットにこっそり、彼のためにバレンタインのチョコを用意してるんだけど・・・

どうしようかなぁ。




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