里帰り④
読んでいただきありがとうございます
最近は甲子園の出場校がいっぱい出てきていて甲子園が一層楽しみです!
まだまだ暑いですけど熱中症には気をつけてお互い頑張りましょう
もしよろしければコメントなどよろしくお願いします
目が覚めるとカーテンから光が入ってきていた
どうやら昨日は泣いたまま寝てしまったようだ
「とりあえず起きるか」
なんだか2人に会うのが気まずいと思ったが
さすがに起きようと思った
「おはよう!」
声はいつも通りにしようとわざと笑いながらあいさつした
「あら、おはよう」
「おはよう、早起きだな」
2人も声のトーンは普通だった
「とりあえず、朝ごはん食べちゃいましょ」
そう言いながら料理が並べられていく
今日のメニューは
白米、ジャガイモとワカメの味噌汁、サバの味噌煮だ
(なんと豪華なんだ…)
早く食べたいと思いながら料理を運ぶ手伝いをする
「これで全部よ、置いたら食べ始めていいよ」
最後の料理を机に置き
「いただきます」
(やっと食べれる)
まずは白米の上にサバの味噌煮を起きながら
口に入れる
「美味い」
やはり美味い物には正直に感想を言うべきだ
そして味噌汁をすする
体が内から温まっていく感じがした
気づけば料理は全て皿から無くなっていた
「ご馳走様でした」
「はい、お粗末さまでした」
「あ、それと今日東京に帰るね」
「もう帰るのか?」
「うん、長居はしてられないからね」
要件だけ伝えると荷物をまとめるために部屋に戻った
帰ると伝えると、やっぱり寂しいなと思った
そこからは荷物まとめを1時間ぐらいで済ませて
テレビ番組を見ていた
「コン、コン」
ドアを叩く音がしたのでドアを開けた
そこには父が立っていた
「どうしたの?」
「今日何時頃帰るんだ?」
「夕方だけど?」
「それなら間に合いそうだな」
(何かするのか?)
「ちょっと買い物に行かないか?」
「まあ、良いけど」
「じゃあ支度したらリビングに来てくれ」
「分かった」
ちょうど日用品が欲しかったのでいいと思って提案に乗ることにした
リビングへ行くと
「あれ、母さんも行くの?」
「そうよ」
「家族みんなで久しぶりにお買い物いきましょ」
母の声は明るかった
(嬉しいのかな?)
「そろそろ行くぞ」
父の車の用意が済んだらしい
「はーい」
どこのショッピングモールへ行くんだろうと
思いながら車に揺られた
「着いたぞ」
(そうかここか)
ショッピングモールとは昔からよく行っていたイ○ンだった
「あなたは久しぶりでしょ?」
「うん、家を出てからは1度も行ってないから久しぶりだな」
ショッピングモール内に入ると近くのゲームコーナーの大きい音がした
(昔クレンゲームしてたな〜)
昔の記憶が鮮明によみがえってくる
「ちょっと洋服見てくるわね」
と母が僕と父を置いて店に入った
「昨日は取り乱して悪かったな」
母が居なくなった後すぐに父からそんな言葉をかけられた
「しょうがないよ、自分の息子にあと1年で死にます
なんて言われたら誰でも驚くよ」
「それで昨日父さんと母さんで考えたんだ」
「なにを?」
「今日で東京に帰るならこの時だけは一緒に楽しもうって」
「今日はなんでも好きにしていいぞ」
「なら、昔よく食べてたうどん食べたい」
「わかった、この後行こう」
「ありがとう」
(やっぱり優しいな)
僕は笑顔でお礼をした
その後はとにかくやりたい事をした
本を買ったりクレンゲームをやったり服を見たり
本当に楽しかった
「そろそろ帰るか」
父が時計で時間を確認しながら提案をした
「うん、今日はありがとう」
「「どういたしまして」」
本当に良い親に恵まれたなと思った
ショッピングモールから10分で家に着いた
僕はもうあまり電車の時間がないなと思いながら支度をして玄関まできた
「じゃあ行くね」
「ちょっと待って」
母に引き止められた
(何かな?)
ギュ
(……)
母にハグをされていた
「いつでも辛くなったら帰ってきていいからね」
声が震えている
「あなたは私の大切な子供だから、お父さんと一緒に応援してる」
(……)
(何故だろう、声が出ない)
目から涙が出てきた
(あ、やべ)
涙がほろほろと落ちてくる
「ぐすん、ぐすん」
(帰りたくないなぁ、一緒にいたいよ)
(でも行かなきゃ、まだまだやる事があるからちゃんと区切りをつけよう)
とても辛い中で気持ちが決まった
「ありがとう、その言葉だけで心がいっぱいになった」
「本当に、本当にありがとう」
母は僕を離した
「じゃあ、行ってきます」
今までに無いくらいはっきりとした声で話した
「行ってらっしゃい」
その言葉を聞いて僕は家を出た
1年後の僕へ
思えば本当に長い3日間でした。
やっぱり良い親を持って幸せです。
親孝行いっぱいしたかったな