第一話
ある高貴なお方の御屋敷で、赤子が生まれた。赤子は産声ひとつ上げない。産医たちば不気味に思ったが、母親ののほうが苦しんでいたため、そんなことなど頭の中から飛んでしまった。
高貴な家なので、その子には教育係がつけられる。その子はほとんどの時間をシワだらけの教育係と共に過ごした。
4つほどになる頃、その子は教育係に言った。
「じぃ。」「なんですか?」
「ひまー。」「これは困りましたな。」
「なんかないの?」「では翔様、今日は練兵場にでも行きましょうか。」「んー。」
この坊ちゃんは興味なさそうに返事した。
練兵場についた。兵たちは今日も訓練していた。翔たちは案内をすると言ってきた男と共に見て周っていた。そして剣術の訓練を見ていると、案内人の男が言ってきた。
「翔様、剣術の稽古をやってみませんか。」
するとなぜか兵たちが集まり、御前試合のようになってしまった。これはもう断ることはできない。
皆が円をつくり、一人の男が出てきた。どうやらこの男が相手らしい。互いに木刀だ。相手は完全に子供扱いしてくる。まあ子供なのたが…
「初め!」
互いに近づいてゆく。
その瞬間、周りの者たちは驚いた。大の男が4つの子供に弾きとばされていた。男は地面に落ちると、そのまま起き上がらずぐったりしている。
「やめ!」
周りの兵たちは驚愕している。目の前には歴戦の猛者の気配を漂らせる四歳児がいる。
「何なんだ、あの子供は。」
「名は銀翔様と言われるそうだ。」
「銀っていやぁ、王族の次くらいに高い身分の高いって言われるあの家か。」
当の本人はその兵たちの会話を盗み聞き、大人を倒したことよりも自分の家の身分の高さに驚いていた。
予想より長くなったわ