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天翔ける銀の英雄 0
喧騒に包まれている。何の匂いかもよくわからない入り混じった匂いにももう慣れてしまった。手に持った得物を一振りした。目の前で数個の首がとんだ。
「殿、次はどこを狙いますか。」
すぐ隣の者が言った。
もう勝った気である。全く、戦場とは何が起こるかわからない。油断したものから死んでいく。
だが実際、味方が敵を蹂躙していくのが見えるだけである。味方の勝利は猿でもわかる。
この光景に少し嫌気が指している自分がいた。そんなことを考えていると、味方の蹂躙が終わった。そして次の敵まで進軍してゆく。