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全能で楽しく公爵家!  作者: 二十口山椒
王都でも渦中
81/110

81:クレアさんとデート。

 七天教会の信者たちを残して宿に戻り、スッキリとした感じで床に就くことができた。


 もちろん真夜中に起きた時の状態でまた寝たから、ベラに抱き枕にされている状態で眠りについた。


 屋敷の時はしていないだろうが、屋敷の時でもしてくれてもいいくらいにはかなり心地のいい感じだ。独占欲が湧くくらいには良かった。そうじゃなくても独占欲は湧いているけど。


「アーサー、今日も僕とスザンヌは出かけるよ。昨日は大変だったから今日はしっかりと休んでおくといい」

「そうよ~。今日はベラに甘えていればいいわぁ、アーサー」


 今日もお父上様とお母上様は出かけて行った。


 ていうか甘えるのは母親じゃなくてメイドなのだな。まあ俺としてはベラの方が甘えれるからいいんだが。


 何だかお母上様は母親だけど、前世のことが相まって甘えることができない存在と思っている。距離感が分からないんだ。


 お父上様にも言えることで、血がつながった両親だけど精神的にはどこか他人のように思えてしまうから甘えるということがあまりできない。


 その点、ベラは女性として好きだし何のしがらみもないから甘えやすいと言える。


「アーサーさま、本日はどのようなご予定で?」

「うーん……クレアさんからの返信待ちかな」


 クレアさんへ向けたデートのお誘いの返信がまだ来ていないから、それが決まればグリーテンのお家訪問も決まる。


 クレアさんとのデートを楽しみつつ、クレアさんと計画の準備を進めないと。


 それにベラにも協力してもらわないと。ここまで俺のワガママを聞いてくれるのだから、計画くらいは言わないといけないな。


「デートに向かわれるのですか?」

「うん、そう」

「そうですか。それはさぞお楽しみですね」

「……ごめんね?」

「いえ、お気になさらず」


 ベラからチクリと刺されることは仕方がないことだ。


 でもチクリと刺されているということはそれだけベラを不満にさせているということになる。だから俺がどうにかしないといけないわけだな。


「ベラってこの座り方好きだよね」


 だが何かしようとしても、ベラが俺をベラの膝の上に座らせているからかっこはつかない。


「ダメですか?」

「ダメではないよ」


 ダメではないけど、俺はベラの膝の上に座りたいんじゃなくて寝転がりたいし、俺がベラを膝の上に乗せたいのだが、五歳にそれは無理なことだ。


 少しだけ精神年齢が邪魔をしてこの状況を楽しめていなかったが、そこは便利なほぼ全能を使って存分に楽しむことにした。


 頭を胸の谷間に挟まれ、頭で幸せを感じる。


「ねぇ、ベラ」

「はい」

「何か欲しいものはある?」

「アーサーさまの時間ですね」

「それはブラックジャックで手に入れたよね。いつでも言ってね」

「はい。ですがもっと欲張りを言えば、アーサーさまのすべてが欲しいです」

「わお、欲張りだ」


 随分と愛されてしまったなぁ俺は!


 でも俺がアーサー・ランスロットである以上、それは無理な話だ。


「ごめんね、それは無理」

「分かっております。申してみただけです」

「ベラには色々とお世話になっているから、何かお返ししたいんだけど……」

「お世話は私が好きでやらせていただいていることです。それにお仕事ですから」

「仕事って言ってしまえばそうだけど」

「それに、私はアーサーさまのおそばにいられるだけで幸せです。何より、アーサーさまからは色々な物を頂いていますから」

「魔道具とか?」

「それ以上の物を、すでに受け取っておりますから」


 どんなものだろうか。俺は特に魔道具以外に渡した覚えはない。


「ん」


 握りしめていたスマホの画面に、クレアさんからの返信通知が表示されていた。


 一瞬だけ、ベラからとてつもない殺気がこの画面に向けられていたが、気のせいではないのだろうな。


『これから、大丈夫ですか』


 また随分と急な話だな。でも特に困ることはないし、大丈夫か。


「ベラ、これからクレアさんとデートに向かうね」

「かしこまりました」


 さすがは完璧メイドで、すぐに切り替えて動き始めるベラ。でも内心ではキレているんだろうなぁ。


 クレアさんとデートするためには、まず俺がクレアさんのところに向かわないといけない。


『今からそちらに向かいます』


 そうメッセージをクレアさんに送り、王都では大活躍の『狭間の指輪』を装着する。


「私はリアルタイムマップでアーサーさまをずっと見ておりますので、そのことをしかと覚えておいてください」


 何だかベラに釘を刺されたが、さすがに他人が見ているとできないことをするわけがないだろ。


 ……いや、もしかしたら疲労が溜まっていて何かしでかすかもしれない。ほぼ全能がある俺に疲労が溜まることなんてないんだけどね。


『私がアーサーさまの元へと向かいます』

『一瞬でクレアさんの元へと向かえるので、こちらが向かった方が早いです。今はランスロット家とかサグラモール家とか関係ないですよ。ただのアーサーとクレアさんで、デートの待ち合わせをしているだけですから』

『分かりました。ここで待っておきます』


 クレアさんを説得して、クレアさんの元へと向かうことにした。


 クレアさんが泊っている宿を教えてもらい、リアルタイムマップでそこを映す。


 そこには綺麗な格好をして椅子に座っているクレアさんがいた。心なしかソワソワとしてスマホをジッと見ている姿が可愛らしく思える。


「随分とお可愛らしいですね」

「そうだね。でもベラもこんな感じだよ」

「……ご機嫌取りですか? そんな感情が顔に出るわけがありません」

「そんなことはないよ。かなりベラは分かりやすいって」


 ほぼ全能にかかれば絶対に分かるし、使わなくても分かるくらいにはベラを理解しているつもりだ。


 ベラが怪訝な表情をしているから、やっぱり分かりやすいよな。


「それじゃあ行ってくる」

「お気をつけて。何かあれば駆け付けますので」

「うん、分かった」


 俺がいるのだから何かあることはまずない。何かあっても俺が阻止するだけだ。


 でもベラの心配は素直に受け取っておく。


 アーサーの状態で、リアルタイムマップからクレアさんの前に移動した。


 俺が目の前に来たことでクレアさんはかなり驚いてスマホを落としそうになっていたがキャッチして事なきを得た。


「おはようございます、クレアさん」

「……アーサーさま、来られるのなら一言おっしゃってください」

「向かうって言いましたよ?」

「どのように来るかっておっしゃってくれないと心臓に悪いです」

「あっ、ごめんなさい」


 かなりキレているクレアさんに素直に謝るしかなかった。


 とりあえずクレアさんの正面に椅子に座り、クレアさんと向き合う。


「しましょうか、王都デート」

「……やはり、危険ですからやめませんか?」

「先日の社交界で頷いてくれたじゃないですか。あーあ、せっかく楽しみにしていて、今日という日を待ち望んでいたのに、断られるとは思わなかったなぁ」

「わ、分かりましたからそう言うことは控えてください!」


 俺の言葉に顔を赤めるクレアさん。かわゆい。


「これが王都デートができるための魔道具です」

「……どのような魔道具ですか?」


 赤面を落ち着かせたクレアさんがそう聞いてきた。


「これは『狭間の指輪』で、これを使えば想像した姿に変わることができます」

「そんな魔道具が。これはアーサーさまがお作りになられたのですか?」

「そうですね」


 もう一つも作ってクレアさんに渡した。


 渡された指輪を見て、それから俺の指輪を見て、また急に顔を赤くしたクレアさん。


 どういうわけで顔を赤くしたんだ……あぁ、そういうことか。


「もしかして、左手の薬指に着けようとしてました?」


 俺の指摘にさらに顔を真っ赤にしているクレアさん。


「さすがにその魔道具でやるのはやめておいてください」

「……そう、ですよね」


 俺の言葉を聞いたクレアさんは真っ赤な顔から一変して、今にも死にそうな表情をした。


「魔道具じゃなくて、ちゃんとした指輪を渡しますから、安心してください」

「へ? あっ、は、はいぃ……」


 また顔を真っ赤にしているクレアさんを見たら面白さが出てきたが、相も変わらず可愛らしいと思っている。


「……もしかして、からかっていますか?」

「いやいや、想像して顔を真っ赤にしている可愛らしいクレアさんが悪いんですよ」

「やっぱりからかっていますよね!?」

「クレアさんが可愛いのがいけません」

「だからそういうことはやめてください!」


 クレアさんが怒っても全く怖くないどころか可愛いと思えるのは、一種の才能だろうな。


 でもこれくらいにしておかないと女性特有の怖さが出現するから謝ろう。

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