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全能で楽しく公爵家!  作者: 二十口山椒
王都でも渦中
64/111

64:ブラックジャック。

 奴隷のことを聞いてリアルタイムマップを見続ける空気ではなかったから見るのをやめた。


 ただそうなると何で時間を潰すことになるかだが、どうせだからトランプで遊ぶことにした。遊び相手にベラもいるし。


「ベラ、トランプで遊ばない?」

「トランプ。どういうものですか?」

「こういうもの」


 創造でトランプ五十四枚一セットを作り出した。


 ベラは俺の固有魔法と思わせている創造を知っているから何も隠すことなくトランプを作り出した。


「このカードの束を使って色々なゲームができるカードのことをトランプって言うよ」


 これを作っていたら、俺監修の対戦型カードバトルをしたくなってきた。


 ま、それは追々やることにして、トランプで遊ぶ。


「なるほど……」


 ベラは一番上のエースのカードを手に取ってまじまじと見た。


 ジャック、クイーン、キングに関しては、この世界専用の絵柄にしたいから記号しか書かれていない。


「遊びのルールはどのようなものですか?」

「そのトランプは一つあれば色々な遊びができるよ。でもほとんどのゲームは三人とか四人、それ以上を対象にしているから、二人で遊べるゲームは限られているね」

「それではアルノさまやスザンヌさまをお呼びしましょうか?」

「うーん……まだお父さんやお母さんには言わないでおく。今はベラと二人で遊びたいから」

「……そうですか」


 これもお父上様に言えば売り出してくれるだろうなぁ。でも奴隷の話を聞いた後だったらもう少し先でもいいんじゃないのかと思ってしまう。


「それで……」

「どうしたの?」


 ベラが急に裏返った声を出したからビックリした。


「いえ、何でもありません。それで二人でできるゲームはあるのですか?」

「ある……いやこれは本来のトランプゲームではないけれど一つやりたいルールのゲームならあるよ」

「ならそれをやりましょう」


 俺が思いついたのはブラックジャック。俺がディーラーでベラがプレイヤーとして遊ぶしかない状態だな。


 ブラックジャックの場合は六デッキ以上を使わないといけないから、とりあえずシャッフルマシンを作り出して六デッキを入れた。


「この魔道具はどのようなものですか?」

「カードを混ぜるためだけのものだよ。とりあえずやってみようか」


 俺とベラは向かい合うように座り、俺のそばにシャッフルマシンを置く。


 そしてマシンから出てくるカードを二枚ベラに渡して、俺も二枚取る。


「ベラはカードを表にして」

「はい」


 ベラのカードは三とジャック。つまりは合計は十三。


「僕は一枚だけを表にするね」


 俺の一枚のカードはエースだった。


「ベラは手元にあるカードを21を超えないように、21に近づけるためにディーラーである僕にカードを要求する。そういうゲームだよ」

「今これは……Jと書かれた文字はどう捉えればいいのですか?」

「通常のトランプはJは11、Qは12、Kは13になっているよ。でもこのブラックジャックでは、ジャック、クイーン、キングは10と数えて、僕の手元にあるAは1か11どちらでも数えることができるというルールだよ」

「なるほど……よくここまで考えられますね」

「前から考えていたんだ」


 考えたんじゃなくて知っていただけなんだけどね。まあこの世界では俺以外に知っている人が転生者以外はいないのだから、俺が発明者でいいか。どうせ誰も責めないし。


「私が21を超えないように21に近づけるのなら、アーサーさまのカードはどういう意味があるのですか?」

「21に近づけて点数を競う相手は僕だよ。ディーラーである僕とプレイヤーであるベラ。プレイヤーは一人である必要はないけどディーラーは一人。とりあえずやってみようか。カードを引くよね」

「はい」

「この時、カードを引くことをヒットって言うよ」

「ならヒットでお願いします」


 シャッフルマシンからベラに向けてカードを送ると、カードは六だった。


「これでベラは十九になったわけだね。まだ引けるけど、三以上がでれば21を超えてバストすることになるよ。引かないのならスタンド宣言をしてね」

「スタンドで」

「プレイヤーが全員スタンドすればディーラーの番。もう一枚のカードを開くね」


 俺のホールカードを開くと、5だった。


「Aと5だから、16の判定だね。ディーラーは17以上になるまでカードを引かないといけないから引く」


 次に引いたカードは7。


「この場合はAが1になって合計数が13になるね。だからまた引かないといけない」


 次に引いたカードは8。つまりはブラックジャック。


「これで僕のカードの合計数が21、ブラックジャックになったから僕の勝ち。こういうゲームだよ」

「面白いですね、このゲーム。もう一度やりましょう」

「いいよ」


 場のカードをすべてシャッフルマシンに入れ、またベラにカードを二枚配って俺も一枚をホールカードにして二枚配った。


 ベラのカードは9と8。俺のアップカードはクイーン。


「どうする?」

「……ヒットで」

「おー」


 ここでヒットをするのか。中々強気だな。


 でも引いたカードはキング。


「バストだね」

「……行けると思いましたが……」

「えっ。ベラが引いていいカードはA~4で、引いちゃいけないカードは5からキングだよ? 確率はバストの方が高いよ?」

「A~4を引けると思っていました」


 その自信がどこから出てくるのか分からないが、俺のホールカードを開く。


「キングだから引かないで、ベラの負けだね」

「運要素が強いですね。このゲーム」

「そうだよ。想定としては賭け事で行うゲームだね」

「それは白熱しそうです」


 賭け事はもちろんこの世界には存在している。


 でも誰と誰が決闘してどちらが勝つ、みたいな初歩的な賭け事で、カジノみたいな場所は存在していない。


 カジノでも娯楽であるから、そういう街を作るのもアリだな。


「どうせですから、何か賭けて遊びますか?」


 ベラからそう言い出してくるとは思わなかった。ベラはこういうことをしない生真面目な性格だと今までの言動から思っていた。


「何かそれじゃあ今からお金の代わりになるチップを作るね」


 カジノのチップは色で値段が違っていて、チップの表面に価値が書かれていたはず。


 オレンジが25000ドルだったか。表面に数字を書かずにオレンジのチップを大量に作り出す。


「これがお金と同じ価値のあるチップ。今この場では金貨では賭けはできないよ」

「分かりました」

「ベラには百枚プレゼントするね。僕に勝てば賭けているチップを倍にして返す。でも負ければ没収。引き分けの場合は賭け金が戻ってくるよ。それでブラックジャックをしよう」

「いいえ、プレゼントしてもらわなくて結構です。私の何かを賭けなければそれは賭けとは言えません」

「そ、そっか」

「はい。ですからアーサーさまがお決めになってください」


 そこで俺に振るのかよ。まあ確かに何かを賭けてって言っているんだからそうなるよな。


「じゃあ……メイドとして働く日数を賭ける? チップ一枚につき一日で、百枚なら百日分。チップがなくなれば百日は休んでもらうことになるね」

「……それは、非常に緊張感がありますね……」


 顔色を悪くしているから賭けるものは満足してくれるだろう。


「でもベラが百枚よりも多くチップを手に入れれば、余剰分一枚につき僕の一日を好きに使っていいよ」

「それは……非常に魅力的な賭けですね……!」


 こんなにやる気なベラは全く見たことがない。ベラにならどれだけ俺の一日をあげてもいいと思っているが、ベラ的にはこういう状況じゃないと貰わないのだろうな。


「それじゃあ始めようか」

「はい。やりましょう」


 ☆


「……ベラ?」

「……見ないでください」


 見事にすべてのチップを失い、しかも無謀な賭けによりすべてのゲームにおいて負けている完璧メイドのベラ。


 ベラってあれだな。賭け事が弱すぎる。何も考えずにやっているんじゃないのか? それでいて賭け事を積極的にやるから負ける人だ。


「あーあ、ベラは百日は休んでもらわないといけなくなったね」

「……くぅ……」


 すっっごい悔しそう。


 それでいて百日は休まなくいけなくなったベラは可哀そう。


「借金、する?」

「……また一日分なら酷くなりそうなのでやりません」

「安心して。今度はそれじゃないから」


 ベラの負けている未来しか見えないから、現物でチップに変えてもらうことにする。


「ベラの着ている衣服をチップに変えようか」

「……なぜですか?」

「今思いついただけだよ」


 ベラの裸体は見たことはあるし、いつまでも見続けていたいと思うが、下着姿などは全く見たことがないから見てみたいと思った。


 今思いついたからとか言っているけど、下心は満載です。


「……分かりました。すべて脱げばいいですか?」

「一つずつでいいよ。一つにつき十枚かな」


 ベラはまずハイソックスを二つ脱いで渡してきた。


「これをお渡しするのは非常に心苦しいのですが」

「そんなことは気にしなくていいよ。二つで二十枚ね」


 ベラに二十枚を渡してブラックジャックが始まったけど……まあ分かっていた未来ではあるけれど、ベラが黒のパンツ一丁になるまで一切勝てていない。


「ベラ、そのパンツが最後だね」

「……これも賭けます」

「あっうん、分かった。最後だから百枚にしておくね」

「ありがとうございます」


 そしてベラが全裸になり、美しい裸体がさらけ出される。


 その前までの服を着て肌を晒している状態も良かったが、裸体が一番いいな。


「じゃあ行くね」


 まあ、ベラの賭けの才能がないことは十分に分かったし俺も十分に楽しめたからここは助けるか。


 ベラに渡された二枚のカードはジャックとキング。


 俺のアップカードは3。ホールカードは10になっている。


「ヒットで」


 20で待っていれば十分に勝てる数字なのにベラはカードを要求してきた。


 次のシャッフルマシンの数字は9であるからバストするのだが、俺が全能でAにしておいた。


「あっ。ブラックジャックだね」

「……ッ!」


 ベラが非常に嬉しさを噛み締めている顔をしている。


「じゃあ僕の番だね」


 ベラが静かに喜んでいる間に俺はゲームを進め、カードを引くと9でバストした。


「ベラの勝ちだね。だから百枚を二百枚にして返すね」

「こ、これで百日分はナシですよね……?」

「そうだね。さっきのベラの服の分も引くと、十枚くらいは余っていると思うよ。だから僕の十日間をベラの好きに使っていいよ」

「……非常に白熱したゲームでした。ありがとうございます」


 とても満足しているベラの顔を見て、ベラはこういうゲームに誘えば楽しんでくれるのかと分かった。


 それなら他のゲームで遊んでもいいなぁって思っているところで部屋の扉が開けられた。


「アーサー、ディンちゃんがきているわよ~」

「アーサー! 遊びに――」


 お母上様とディンドランさんが、俺と全裸のベラを目にしていた。


「な、な、な……何をしているんだ!?」


 えっ、何でディンドランさんが来ているんだ?

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