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全能で楽しく公爵家!  作者: 二十口山椒
都市開発本格始動
102/109

102:『七天三獄』

「ブリテン王国で『叛逆の英雄』が人気なのはこういう理由がありますね」

「それなら本当に『叛逆の英雄』は当たりだったんだ」


 俺は本当に運がいいな。いや、これはもしかしたら何か仕組まれて……一瞬だけ俺が目立つために運命が回っていただけだと思ったが、俺の目的と合っているし関係ないか。


「七天の本がない理由はこれですべてです」

「ありがとう、教えてくれて」

「いえ」

「さっきの話を聞いて少し思ったんだけど、七天教会は建国時に何かブリテン王国と取引でもしたの?」

「はい、その通りです。七天教会はブリテン王国で活動できるように融通を利かせるという契約をしたそうです。それがどういうものかは王家でないと分からないようですが」


 だから七天教会は俺が変身して『叛逆の英雄』の作者として出た時でもあんな派手な動きができていたのか。


 ただ、本当に七天教会がブリテン王国の建国時に神と対話して収めてくれたのだとしたら、七天教会を残さないといけないわけだ。


 今の七天教会は異常だから、物理的に壊すのではなく内部から改革してもらわないといけないな。


「これで知りたいことは知れたから、七天について読むね」

「はい。ごゆっくりとお読みください」


 ベラにそう言われて俺は『七天』の本を魔法陣から取り出して開いた。


『太陽神アマテラス』


『海洋神テテュス』


『地母神ガイア』


『天空神ヌト』


『豊穣神デメテル』


『医神エイル』


『魔法神ヘカテ』


 この七つの名前が出てきた。


 世界の創造の時にそれぞれが大地を作ったり海を作ったり太陽を作ったり人類を作ったり、役割を担っていると書かれている。


 もっと詳しいことや主にどこで崇拝されているなど書かれているが、これを見て足りないと思った。


 この七柱の神々だけでは世界創造はできないはずだ。いや前世の人からすれば世界創造とかどういうことだよとか思いそうなのだが、肝心な悪い部分を創造する神がいない。


「ねぇ、ベラ。神ってこれだけなの?」

「……よくお分かりで」


 前世からの感覚で聞いてみたが、ベラに少し驚かれた。


「はい。神々の総称は七天ではありません。七天三獄が正式名称です」

「三獄?」


 まあ想像通りな名前だな。


「冥界を司る女神、冥界神エレシュキガル。夜を司る女神、暗黒神ニュクス。すべての魔の祖にして魔物を含めた魔を広めた女神、魔神モリガン。この三柱は魔人には崇拝されていますが、人間側では知られることはあまりありません」

「へぇ、そうなんだ……」


 ……魔神か。魔神モリガン。もしかしたらこの魔神が俺をこの世界に転生させた神なのかもしれない。


 いや、実際のところは分からない。


 そもそも俺は別の世界で死んでこちらに来たわけだが、異世界転生の際にあちらの世界の神に全能を貰ったのか、それともこちらの世界に流れてきて魔神モリガンに全能を貰ったのか。


 そこのところはまあ知る必要はないから深くは考えないでおこう。まあでもモリガンだったら少しだけ信者を恨んじゃうかなぁってくらいだな。


 あと一つだけ思っていることがあるんだが、どうして全員女神なんだ? いや全く分からない、というわけではない。


 俺が見た『叛逆の英雄』の中では、男神もいたはずだ。それなのに女神しかいなくなっている。


 間違いなく、人類と女神しかいないことは関係がないのは断言できる。


 これは本当にどうでもいいから見ることはしない。特に興味ないし。ただの疑問だからな。


「あれ、他の国は神の加護があるんだよね」

「そうです」

「それでブリテン王国が世界で一番の戦力を誇るんだね」

「神に対抗できる力があるのですから、神の加護を授かった程度の人間に勝てるわけがありません」


 ははっ、確かに。


 異世界物だと他の国に行ったら強敵が現れるとかなるけど、この国で天下を取ったらそんなこと絶対に起こらなさそう。

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