(90)令(れい)
令とは不均衡な関係を指し示す。上から下を示せば、命令、発令などとなり、下から上を示せば、令嬢、令息などとなる。要は、フラットな関係を示さず、両者は決して和むことがない。双方が平等な立ち位置に存在しないからである。どちらか一方が相手より上か下の位置にある訳だ。これは外面的な地位、名誉といったものから内面的な心理にも及ぶ。人は生まれながらにして平等ではない・・ということにもなる。^^ 令で人の世が良くなるとは到底、思えない(※ 考え方には個人差があります^^)。令に人々は逆えず、懐具合を案じながら、めげないで支払わねばならない訳だ。^^
とある将棋会館である。二人の老人がヘボ将棋をいつものように指している。
「ええっ! あなたにも来ましたかっ!」
「ははは…こればっかりは抗えません。行政の令ですからな。支払う他ありませんっ!」
「まあ、税金ですからな…」
「お上の令には逆らえませんっ!」
「ですなっ! 令は、どうも和みませんなっ!」
「ははは…では、王手っ!」
「い、いや…それは…ちょっと待ってください…」
「いや、ダメですな。令ですから…」
「このあと、一杯、奢りますから…」
「肴はっ!?」
「お好きなものをっ!」
「まあ、仕方がないっ! 王手はなかったことにして、和みましょう、ははは…」
二人は将棋をやめ、会館をあとにした。
令を和ませるには、相手にフラットにする何らかの見返りの必要がある訳だ。^^
完




