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(82)恐怖
夏になれば、怪談やホラーといった恐怖ものの類が話題となる。恐怖が暑気を忘れさせる効果があるからかは分からないが、昔から、どういう訳かそうなっている。^^ 恐怖は誰も嫌なのだろうが、どういう訳か、めげないでその恐怖を求める。人とは奇妙な生き物なのだ。^^
とある町のシャッター通りである。大型スーパーが出来た関係からか、いつの間にか閑古鳥が啼くようになった商店街の一角に敷設された休憩場で二人の店主が話をしている。
「昼間は、まだ通られますけん…」
「そうそう! 夜はサッパリです。まあ、地元の私らでも怖いですばいっ!」
「ですなっ! うちの家内ほどではありませんがのう…」
「私の店も今年限りで…」
「うちも、そうです。息子が来いと便りをくれよりましたけに…」
「そら、よかでしたっ!」
こうしてこの街は、恐怖の商店街へと変貌を遂げるのであった。
めげないで商売を続けるといっても、一番の恐怖は客足が絶えることだろう。笑えない、笑えない。--
完




