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(64)気力

 物事の成否の要素として気力は欠かせない。むろん、気力だけでも成功しないが、成否の大きな部分を占めることも確かな事実だ。めげない気力は目的を成功させるために、どうすればいいか…という思考力を強化させ、最善の発想を目覚めさせる訳だ。そうなれば、物事は成りやすくなる。個人差があり、めげない気力の強い者が成功しやすく、弱い者が成りにくい・・ということだろう。私は? と問えば、どうも、よく分からない。^^

 二人の老人が、夕方の、とある無人駅で話をしている。

「いやいや、それはダメでしょう。待ったって、来るかどうか分かりませんよっ!」

「しかし、ここの掲示板には、場合によっては来る・・と書いてるじゃありませんかっ!」

「書いてますがねっ! 場合によっては来るってことでしょ! もしも、最終電車が来なかったら、どうするんですっ!? 宿泊のホテルへ帰れませんよっ!」

「いやいや、来ますって! 私は電車を待ちますっ!」

「ご勝手にっ! 私は携帯でタクシーを呼んで帰りますからっ!」

「どうぞ、どうぞ…」

 二人は無人駅で別れることになった。しばらくして、片方の老人が呼んだタクシーが来た。

「あの…お宅は乗られないんですかっ?」

 タクシーの運転手が(いぷか)しげに(たず)ねた。

「はいっ!」

 老人はめげないで意固地に言い返した。

「そうですか…。最終、来ないと思うんですがねぇ~。そいじゃ! 最終のあと、もう一度、回しますんで…」

 親切な運転手も、いたものである。結局、最終は来ず、タクシーで帰った老人が温泉に(つか)かったあと、美味(うま)()ビールとステーキを堪能(たんのう)し終えた頃、最終を待った老人がホテルへ帰還(きかん)した。最終電車は来なかったのである。^^

「あの…私にも地ビールとステーキを…」

「すみません、オーダーは10:00までとなっておりますので…」

 先に帰った老人は、一瞬、したり顔でニンマリした。

 めげない気力も、時によりけり・・というお話でした。^^


                  完

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