表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
62/99

(63)精一杯

 めげないで精一杯やる・・という心構えが一番いい訳だが、どうしてもめげてしまうのが人の(かな)しいところだ。オリンピックも終わりに近づいているが、いろいろな試合を見ていると、こんなところで…という脱落の場面を目にする。不注意による失点、思いもかけない大逆転の勝利etc.だが、そこに人の生きざまを見られる一瞬はオリンピックだからだろう。そんなアスリートの皆さんには、ただただ脱帽である。^^

 暑い日差しが厳しい昼下がりの、とある家の居間である。

「どうにかならんのか、この暑さは…」

「私に言われても、どうにもなりませんよ、父さん…」

「こんなところで精一杯が嫌いなお前に愚痴を言ってもなっ! どれっ! 我が家の洗い場で水を浴びるとするか…。滾々(こんこん)と湧いてよく冷えよるからのう、家の洗い場の水は…」

 ご隠居の恭之介は息子の恭一を冷や目で見ながら、洗い場の方へと去っていった。

 こちらは、少し離れた洗い場である。孫の正也と愛奈が水浴びの真っ最中だ。二人は海水浴のように大いに盛り上がっている。滾々と湧き出る水源近くには西瓜(スイカ)が、よく冷えてますよ、食べて下さい・・とでも言うかのように浮きつ沈みつしている。

「おうっ! これはこれはお二方、ご精が出ますなっ!」

 老人は敬語遣いで二人を(うかが)う。

「じいちゃん、西瓜が冷えてきたよ…」

「どれどれ…。おう! よう冷えとるわいっ。未知子さんに言って切ってもらって下さらぬか、正也殿!」

 恭之介は孫の正也へ精一杯に(へりくだ)る。西瓜が食べたいからだ。

「ご老人、分かり申した…」

 十分、水浴びした正也が、恭之介へお武家言葉で返す。正也が台所へ向かうと、愛奈はお兄ちゃん、お兄ちゃん…と、正也の(あと)を追う。

「どれどれ、…おう! いい湧き水じゃ…」

 精一杯やらなくても、めげない環境のいい地方も、まだまだあります・・というお話でした。^^


 ※ 本日も、ご存知、湧水家のお二人に特別出演していただきました。^^


                  完

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ