(51)生きざま
人は生きざまを他人によく見せようとするところがある。誰しも貧乏よりは裕福、ブサイクよりはイケメンあるいは美人、ブ格好よりは格好よく見せたい方がいいに決まっている。だが、生まれ持った天性は変えようがない。それでも人は、めげないで、自分の生きざまを他人によく見せようとする。どぉ~~しようもないバカ、アホなのである。^^
とある超有名画家の絵画を売却している画商の店である。画商が事務机に座り、何やらコチゃコチャと計算をしている。その計算は任された画家が画いた絵画の売り上げだ。その画商の暮らし向きは、必ずしも豊かとはいえない暮らし向きだった。なにせ、その画家には商才がなく、出来上がった絵画の売却はすべて、この画商に任されていた。任された画商は、いつもホクホク顔だった。
「フフフ…1,600万で落札か…。先生には60万で売れたと言ってあるから差引1,540万の儲けだっ! やめられん、やめられん…」
画商は、思わずニンマリとした。
「店長! つい、この前もそんなこと言ってましたよっ! あのときは確か…2,200万の儲けだと…」
傍にいた店員が、思わず口を挟んだ。
「シィ~~ッ! 馬鹿かお前はっ!! でかい声を出すんじゃないっ! ここだけの話だっ!」
「どうも、すいません…」
その頃、自分の値打ちを知らない超有名画家は、貧困にめげないで画き続けよう…と決意していた。
人は裕福にならない方が、生きざまとしては、めげないで生き続けられるようだ。^^
完




