(50)道半(みちなか)ば
(49)は折り返しに近づいた気分だが、もう少し時が経過すれば、道半ばを過ぎることになる。両者の違いは中間地点に着く前と後の差なのだが、人の気分はビミョ~~に変化するから難解だ。^^
今年、中学生になった小仏は、昼前、ようやく夏休みの技術家庭の工作を道半ばまで作り終えたところだった。モノは本立てである。『半日もありゃ、出来るさ…』と高を括っていた小仏だったが、道半ば思っていた半日は、すでに過ぎていた。無昼前だから当然、腹もすくというものである。小仏がキッチンへ向かおうと片脚を上げたときだった。『いや、待て待て…中途半端にしておいたんじゃ、僕の沽券にかかわる…』と、浮かばなくてもいい雑念がムクムクと小仏の脳裏に、まるで入道雲のように浮かんだのである。
「めげずに、やってしまうか…」
やらずに昼にすればいいものを、小仏は思ってしまったのだから、さあ大変!! 作業は継続されることになったのである。ところが、上田城は落ちず、時間の経過、落ちる身体の汗で衣類はドボドボとなり濡れネズミの徳川秀忠公状態に化したのだった。陽が西山に傾き始めた頃、ようやく本立て作りは完成を見ようとしていた。しかし、その完成作品は、どういう訳か道半ばの出来だった。^^ 要は、特選、入選、佳作に入れるような大した作品ではなかった訳である。
道半ばは、めげないで続けたとしても、道半ばのまま進んでいないこともあるというお話だ。^^
完




