(42)限界
めげないといっても限界はある。
とある地方の椀子そば大会である。今年こそ優勝しようと大食は一年中、椀子そばを競技風に食べ続け、内臓を鍛えていた。その成果を見せられ、優勝できるか? が係った大会当日がやってきていた。大食は毎年、決勝に勝ち上がるものの、惜しいところで二位に甘んじていたから、今年こそ…の意気込みも半端なもの出来なかった。
大会の会場となる椀子そば屋には多くの取材陣が駆け付け、店は早くからごった返していた。
「あのっ! 今年こその意気込みはっ!?」
「ははは…そりゃ、ありますよっ! そのために一年、練習してきたんですからっ!」
大食は、ゆとりの笑いで報道陣を一蹴した。そして、競技開始の時間を迎えた。その数時間後、大食は今年も決勝の舞台へ躍り出ていた。踊れ出てはいたが、永遠のライバルと目された小腹に今年も敗れ去ったのである。
その後のインタビューである。
「残念でしたね…」
「ええ、まあ…。ははは…こういうこともありますよっ! ははは…」
「ははは…確かにっ!」
インタビューした記者は、いつもだろっ! とは思ったが、そうとも言えず、笑って暈した。
「でしょっ!?」
大食は、来年こそは優勝するぞっ! と、めげずに決意を固くした。
めげない決意で臨んでいても、成らないものは成らない・・という限界のあるお話でした。^^
完




