(40)眠気(ねむけ)[2]
睡眠不足が高じれば、眠気に襲われることになる。年老いれば尚更で、私なんか、しょっちゅうだ。^^ この男、山登も、しょっちゅう眠気に襲われていた。というのも、彼には小説家なりたい夢があったからだ。
「山登さん! また今月も、『来月はお支払いしますから…』ですかっ?」
家賃を集金に来た大家の尾長は、ニワトリのような高い声で捲し立てた。
「へへへ…その来月は、です」
山登は大家の高い声にめげないで、やんわりと返した。
「ほんとにもうっ! まっ! あんまりアテにはしてなかったんですけどね…。小説家は諦めて、そろそろ本業に就かれた方がいいように思いますがね…。まっ! 来月は頼みますよっ!」
「はあ、どうも…」
山登は、バタバタと羽根を羽ばたからながら出ていった尾長の後ろ姿を見ながら、まっ! の多いオバさんだ…と、思うでなく思った。さて、やるかっ! と、山登は眠気にもめげず、また、見込みがない下手な書き物を始めた。そして、ふと、筆を止め、今どき、鉛筆で書く小説家がいるだろうか…と、ふと自分自身に疑問を感じた。それでも、めげずに、また、山登はめげないで夢の山を目指して書き始めていった。
眠気にもめげないのが、夢を目指す・・ということのようだ。^^
完




