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(25)意固地(いこじ)

 意固地(いこじ)は他の短編集でも取り上げたタイトルだが、この短編集では、めげない・・にスポットを当て、話したいと思う。勝手に思えばっ! という方もあろうが、そこはそれ、我慢をして戴きお煎餅でも(かじ)りながらお読みいただきたい。

 意固地な性格は時折り、めげない原動力となる。どういうことか? といえば、まあ、そういうことだ。^^ 冗談はさておき、なぜかと言えば、意固地な性格だと、何がなんでも自分の思いどおりにしようと物事をやり続けるから、結果としてめげない継続力を生む訳だ。ただ、フツゥ~に継続力のある者と比較をすれば、そのコトに臨む気持が少し違うということだ。前者は気持が冷静でフツゥ~なのに対し、後者の意固地な性格の者は興奮気味になっているという点である。もう少し、分かりやすく言えば、ただ単に達成するまでやり続ける者と、何がなんでもっ! と意気込み過ぎる者の違いだろう。^^

 とある普通家庭の日曜である。初老の父親と中年の息子が垣根のペンキを分担して塗っている。

「塗る広さは、半々、だからなっ!」

「少し父さんの方が狭いように思うがな…」

「馬鹿言えっ! 大体同じだろうがっ!」

「まあ、いいか…」

 二人は食事の後、早朝から塗り始めた。塗る面積はほぼ同じくらいだったが、息子の方は父親よりも塗りにくい分担で手間取った。同時に塗り始めて時が経過し、昼近くになった。父親の方は早くも終わろうとしていたが、息子の方は、分担のまだ三分の一ほども塗れていなかった。

「なんだ、若いのにだらしないな。そろそろ昼にするかっ?」

 父親は塗り終わった最後の刷毛(はけ)を水洗いしながら、余裕のしたり顔でそう言った。そう言われた息子の意固地な闘争心に火が点いた。

「俺はいいから、父さん、昼にしてくれっ!」

「そうかぁ~? なら、そうさせてもらうか…。早く終われよっ!」

 父親は家の中へと消えていった。それから、息子の格闘が始まった。腹は減ってきていたが、それでも息子はめげなかった。意固地な気性が続ける力を助けていた。そうこうして、息子がようやく塗り終わったのは夕方近くだった。空腹はいつしか消えていた。息子の心に残ったものは、やり終えた達成感だけだった。

 意固地な気性に助けられ、めげずにやり終えれば、時は失ったとしても、いい達成感が残るようだ。^^


                  完

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