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(21)満席

 外食で店へ出かけたとき、生憎(あいにく)、満席だった場合、席が空くまで待たされることになる。これは仕方がないのだが、待たされる時間が長くなれば、気が身近い者は待たずに腹立たしく去っていくことになる。要は、イラだたしさにもめげないで待つ、言うなれば、根気との勝負となる。雨ニモマケズ、満席ニモマケズ・・の精神が必要となるのだ。^^

 町役場に勤める課長の滝岡は、この日、昼近くになり、外食に出ようとしていた。

「滝岡さん、今日もあの店ですか?」

 後輩職員の水瀬(みなせ)がデスクを立った滝岡に声をかけた。

「ああ、そのつもりだけど…」

 それが何か? 気分で滝岡は水瀬に返した。

「今日は他の店にした方がいいですよ」

「どうして?」

「いえ、別に理由はないんですがね。ただ、そんな気がしたまでです…」

「なんだ、気がしただけか、ははは…」

「そうはいいますが、これでも結構、僕の勘は当たることが多いんですよ! どうも今日は混んでる気がします」

「ははは…どれどれ、君の(カン)が当たるかどうか、試してみるとするかっ!」

 滝岡は水瀬の忠告を半信半疑で聞き流し、(うなぎ)専門店、蛸墨(たこすみ)へと向かった。すると、店は珍しく混んで満席だった。まあ、待つとするか…という気長な気分で滝岡は外の列に並び、席が空くのを待つことにした。ところが、どういう訳か、列の進む気配がない。どうも(おか)しい…と思ったとき、昼休みは半分ほど済んでいた。これでは、これから席に座る→注文→出来上がり→食べる→職場へ戻る・・という流れを考えれば、ギリギリだった。なぜ、込んでいるのか? は分からなかったが、ともかく何かの事情があることは確かだった。滝岡は、水瀬の言ったとおりだったな…という思いで列を抜け、コンビニへと向かった。午後は管理者会があり、遅れる訳にはいかなかったのである。

 めげないで待つ判断も大事だが、忠告は素直に聞き、場合や事情によっては、めげる判断も必要なのである。^^


                  完

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