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(11)議席

 落ちても落ちても、めげずに選挙に立候補する男がいた。この選挙もか…と、誰もが思える男だった。その名を紐革(ひもかわ)という。人々には、なぜ紐革がめげないのか? というその理由が分からなかった。それもそのはずで、紐革の立候補回数は優に50回を超えていたからである。一度でも当選した・・という実績があるなら話は別で、理解できた。だが、紐革の当選回数は皆無だった。当選皆無の男がめげずに立候補し続ける・・これは誰の目にも狂気の沙汰としか見えない。

 とあるとき、その訳を知りたくて我慢できなくなった報道記者の一人が、思い切ってインタービューを試みた。紐革は別に断る理由もなく、軽い気分で応諾した。

「どうしてなんですかねぇ~? 私らには、とんと、理解できないんですが…」

「ははは…議席に座りたいからですよ。ただそれだけです…」

「…議席に座りたい? 意味がよく分かりません?」

「分かりませんか? 議席…」

「議席は分かりますよっ! 議場の議席でしょ? ただ、なぜ議席に座りたいか? その理由ですっ!」

「そりゃ~あなた、簡単明瞭! 私の山林の木で造られた議席だからですよっ!」

「それで50回以上も、ですか?」

「はい…」

 紐革は、ごく当たり前のように返した。

 議員になりたい・・という理由ではなく、議席に座りたいだけの人もいる・・というお話である。他人には分からない、ごく有り触れたところに、めげない訳はあるようです。^^


                  完

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