ワンルームから、見ている
世の中何やら蠢いている
私の視界で蠢くのは、
切れかけた電灯へ浮き出した
浮遊粒子の影だけだ
私はたぶん歴史に生きている
しかし私が肌で感じるのは、
切れかけた電灯が浮き出した
むせ返るような細かい影だ
どうせ私も歴史の中で蠢いている
小さな影にもなりえない、だろうな
強い光に、照らされないことを願う、
だけしかないか
もういっそのこと、
ノイズのような音を出しながら、
霞んだかと思えば爆ぜるような音で、
部屋を照らして私の頭を痛くするだけの、それは、
いっそ、切れてしまえば楽で良い、はずなのに
そんな気持ちがあったりするのに、
最期まで足掻いている電灯一つ、無常に見ている
くしゃみ一つで憂いを亡くしていた
どうせ世の中、蠢いている
この部屋にも、世界にも、
世の中に、蠢く影を私は見ていて
時より、頭を痛くするだけだ