番外編:スパイスを探して……キョロ(・ω・`三´・ω・)キョロその2
まとめるのに時間がかかってしまいました……(;´Д`)お待たせしてすみません(;´Д`)
お屋敷に戻ったわたしはさっそく厨房を借りることにしました。お義母様にお願いすると、喜んで料理人の方々に伝えてくれました。
「レイチェルのお料理食べてみたかったの♪楽しみね〜。」
お義母様はまだお菓子しか召し上がった事がないので、嬉しそうです。
「私も貴女が作る所を見てみたいのだけど……。」
「喜んで♪……と言いたい所なんですけど、スパイスを使った料理なので素敵なドレスに匂いが付いちゃうといけないですから、また今度にしてくださると……。今回は試食で我慢してくださることをおすすめします。」
「あら、そうなの?残念だわ〜。」
お義母様は、結構好奇心が強い方なので、粉で遊びそうなのが心配なのです。以前薬草で恐ろしいモノを調合したと言う話をリュシアン様からお聞きしましたよ。スパイスを見たら絶対調合したがるハズ……。色々仕入れる事ができるまでは、お義母様には待って頂かないと……。
と、内心を言う事は出来ないので、わたしは曖昧にニッコリ笑いました。
「次回はぜひ一緒に作ってくださいね♪」
お義母様は、残念がりながらも納得してくれました。後ろでリュシアン様がホッと溜息を付くのが聞こえました。リュシアン様も心配していたようです。
「さあ、レーチェ、行きましょう。」
リュシアン様とわたしは厨房に向かう事にしました。
「レイチェル様、その前にお着替えを~。」
後ろから専属メイドのナタリーが駆けてきました。そうでしたね。私は頷くとナタリーと部屋に向かうのでした。
そして、エプロンドレスに着替えて、いよいよ厨房に立ちます。ちょうどシェフの皆さんは休憩中みたいですが、興味を持った人達が覗きにきました。
「お嬢様、今日は何を作るのですか?」
先日お菓子を作った時に手伝ってくれたピーターが声をかけてきました。
「今日はカレーを作りたいと思うのです。」
わたしの言葉にシェフ達は首を傾げます。
「それって何ですか?」
「できてからのお楽しみで♪」
わたしが答えると、皆さんは食堂で待つことにしたようです。わたしは手伝うと言ってくれたピーターにお礼を言って一緒に支度を始めました。
「ピーターは鶏肉を一口大に切ってください。」
わたしの言葉にピーターは頷いて鶏肉を切り始めました。わたしは玉ねぎをあら微塵にします。それからトマトを小さめにカットします。あとニンニクを微塵切りにして、しょうがをすりおろしたものを少々。
「鶏肉終わりましたよ。」
「ありがとう、ピーター。」
それでは調理を開始します。深めのフライパンにオリーブオイルとニンニクを入れ弱火で香りを立たせてから玉ねぎ投入。飴色になるまでじっくり炒めます。
「玉ねぎ茶色くなってきましたね。」
ピーターが横で見ながら呟きました。次はおろししょうがを入れて軽く混ぜ、なじませたらトマトを入れて、再びじっくり炒めます。水分がしっかり飛んでペーストっぽい感じになったらいよいよスパイスの登場です。今回はターメリックとカイエンペッパーとコリアンダーの3種類だけ。試作だから基本のスパイスだけでやってみましょ。
スパイスを1種類ずつ順番に入れて、馴染ませるように炒めて、塩を少し入れて味を整えて……。ルウはこれで完成。わぁ!!カレーのいい匂いになってきたましたよ。周りの人達がすんすんと匂いを嗅いでます。次は煮立てながら、水を入れて少しずつのばしていきます。だいたいシャバシャバな感じかな?だいぶカレーぽくなってきたわ♪そして最後の食材、鶏肉投入♪このままくつくつと水分を飛ばしながら煮ていけばOK。匂いも良いけど、鶏肉から脂が出て照りってりになってきました。見た目もすごくいい感じ♪匂いにつられて、食堂だけでなく、料理長までフライパンを覗きに来ましたよ。
「こりゃ美味しそうですな、この匂いも食欲をそそる……。」
「もうすぐ出来上がるので、良かったら料理長も食べてくださいね。」
料理長は興味深げに鍋を覗き込んでます。今更だけど、ご飯も炊けば良かったな〜って、こちらには米は持ってきてなかったのだったわ。カレーが成功したらあの市場で買ってこようかしら……?
などと思っている間にいい具合に水気も飛んだので、カレーの完成♪食堂でお茶を飲んで待っていたリュシアン様も覗きに来ました。
「これはまた、美味しそうだね、レーチェ。」
ナタリーも興味深々で近くで見ています。私はナタリーにお義母様を呼びに行ってもらって、その間に食べる準備をする事にしました。小鉢サイズの器に4人分のカレーをついで、残りはピーターにみんなで分けるようお願いしました。4人分はリュシアン様とお義母様とわたしとナタリーの分です。ピーターにパンを切ってもらって、お皿に乗せて、食堂に運びました。
「あら、とっても良い匂いね。」
お義母様とナタリーがやって来ました。お義母様とリュシアン様に席に着いてもらって、カレーとパンをテーブルに置きます。
「ナタリーも座って、これがナタリーの分ね。」
わたしがそう言って、わたしの隣にカレーを置くと、ナタリーはとても嬉しそうにお礼を言って座りました。試食は皆で楽しく仲良くが一番です。
「では、いただきます♪」
毒味も兼ねて、わたしから1口食べます。パンを1口にちぎって、カレーに浸して、パクリ。あっ、カレーだ♪懐かしい……。日本で食べていた市販のカレーとはちょっと違うけど、どちらかというと専門店のカレーっぽいけど……。
「美味しい……。」
わたしはニッコリ笑いました。それを見た3人もわたしと同じようにパンをカレーに浸してパクリと食べます。
「あら、」
「む……。」
「?!」
三者三様の反応。わたしの想像通りです。
「ちょっと辛いけど美味しいわね。」
「このスパイシーさがなんとも後を引きます。」
「レイチェル様、美味しいですう。」
皆さんお気に召したようで良かった♪
「みなさんも、良かったら味見してくださいね。」
興味深げにわたしたちの試食を見ていたシェフ達がピーターからカレーを受け取り口に入れました。
「おぉ〜。」
シェフから歓声が上がっています。
「お嬢様、変わった味ですが、美味しいですよ〜。」
ピーターも嬉しそうにわたしに言いました。料理長もふむふむと、頷きながら試食しています。なかなかいい感じの手応えです。
「リュシアン様、カレーにはご飯があうのですよ。お屋敷から持ってきたら良かったですね。」
わたしが残念そうに言うと、リュシアン様も頷きながら、
「あ〜、なんだか分かる気がします。すぐに米を届けさせましょう。」
と席を立とうとしたので、
「もしかしたら、バザールにもあるかもですよ。」
と、言ったら成程と頷いて、
「早速誰かに頼んで買ってきてもらいましょう。」
と、お義母様と頷き合っていました。
その後、しばらく料理長がカレーにハマって、バザールに入り浸ってターバンのオジサンに色々教えて貰っていた……と言うのは後でピーターに聞いた話。
どうやらまた1つ新しい料理を広めてしまったようです。
そして、もうひとつ……。お義母様がスパイスの調合にハマり、お義父様が犠牲者になった……と言うのも別なお話です。
最後までお読みいただきありがとうございました。久しぶりの転生おかん、楽しんで頂けましたか?
今後の予定としては、今リアで講習を受けているので、そちらが落ち着いてから現在連載中のタイムリープものを3月迄に完結させたいな〜と考えていて、その後4月以降に第2部を開始出来たらな〜と考え中です。
ただ、3月にリアで引越しを予定しているので、そちらの準備をしながら物語を書けるかな〜と心配なのですが……(;´Д`)www
とりあえず、これからもどうぞよろしくお願いします。(〃・д・) -д-))ペコリン




