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いよいよお別れです(´;ω;`)

いつもご覧頂きありがとうございます(*´▽`人)



 それから3日後……。


 遂にこの町を出る日が来た。食堂でお茶を飲みながらその時を待つ。


 この三日間、子供たちには泣かれたし、町の皆からも寂しくなるよって声をかけられた。でも、最後には元気でねって、笑顔でお別れを言ってくれた。ホントに良い町だ。


 命からがら逃げてきて数ヶ月……。ホントに色々な事があった。記憶を喪ったわたしは、前世の事を思い出し、その知識を活かして子供たちとステキなスローライフを送る事が出来た。そして、優しい町の人達に見守られて、無事に過ごす事ができたのである。この町の人達にはホントに感謝だ。出来ればまだここに留まりたい……。でも、記憶が戻り、問題も片付いた。そしてまもなく婚約式も行われる。だから、名残り惜しいけど、みんなとはサヨナラしないといけない……。


「……つっ。」


 思わず涙がポロポロと零れた。一緒に居た子供たちも、わたしに抱きついて涙を流す。


「みんな、ホントにありがとう……。わたし……。みんなが大好きだよ……。」


「アンジェ〜〜。」


「わたしもアンジェが大好き。ずっと忘れないよ。」


 マルティちゃんがみんなを代表して言った。周りの子供たちもウンウン頷いた。ありがとう、みんな……。わたしも大好き。絶対忘れない……。


「涙拭かなきゃ。笑顔でサヨナラ言う約束だろ。」


 涙は見えないけど、うさぎのように目が真っ赤なジャックが言った。ジャックにはホントにお世話になったよね。お留守番組のリーダーで、私の助手だった……。


「ジャック……、今までありがとう。沢山手伝ってくれて……、色々教えてくれて……。いつか、目標の商人になってわたしに会いに来てね。」


 泣き笑いの変な顔になりながら私がいうと、ジャックはこくんと頷いた。


「ねぇちゃんも、元気で。幸せになりなよ。」


 ジャック……ホントに男前……。ツンデレだったのに……、めっちゃ素直ないい子になった……。


「マルティちゃんとリュカも2人でいっぱいお手伝いありがとうね。」


「アンジェお姉ちゃん……。」


 みんなで抱き合って泣いていたら、レオンさんがヒョイと顔を出した。


「アンジェ、時間だ。」


 わたしは涙を拭いて、みんなと一緒に玄関へ向かった。玄関から外に出ると、門の前に馬車が止まっているのが見えた。


「神父様、皆さん、今までお世話になりました。ありがとうございました。」


 私が丁寧にお辞儀をすると、神父様達大人はウンウンと頷いた。


「アンジェ、元気でな。」


「アンジェありがとう。」


 リタさんやシスターマリアも私の肩を優しく叩きながら囁いた。


「皆さん、ホントにありがとうございました。」


 もう一度お礼を言って、私とレオンさんは馬車に向かった。門の外に、魚屋さんと、ステラさんが、町の人を代表して見送りに来てくれたようだ。


「アンジェ、元気でね、落ち着いたらまたいつでも遊びにおいでよ。」


 と、ステラさん。ホントいつか、また来れるといいなあ。


「アンジェ、ありがとうよ。この町もお陰で賑やかになったよ。」


 魚屋さんも寂しそうに言ってくれた。


「ホントにお世話になりました。町の皆さんにもよろしく伝えてください。ありがとうございました。」


 わたしは2人にもお礼を言って、馬車に乗り込んだ。

 あっ、中にはリュシアン様がいらっしゃいました。今日はロイド先生の格好じゃ無かった。


 私の後からレオンさんが乗り込んで、ドアを閉めた。そして向かい側に座る。


 そして、馬車が走り出すと、子供たちが手を振っているのが窓から見えた。わたしも中から振り返す。ありがとう、ありがとうみんな……。


 わたしは馬車の中でいつまでも手を振っていたのだった。


「レーチェ……。」


 町を出た頃、リュシアン様はわたしにハンカチを差し出した。お礼を言って受け取り涙を拭く。


「リュシアン様、ありがとう。」


 わたしが言うと、リュシアン様は軽く首を振った。


「暫くは寂しいだろうが、婚約式迄は慌ただしいから……。多分気にしてる時間はないと思う。気持ちを落ち着けるには良い時間かも知れないな。」


 と、呟いた。


 またいつか、あの町に遊びに行けるのだろうか……。行けたら良いな……。




あともう少しだけ続きます。



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