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話し合いです(´・_・`)

いつもありがとうございます(_ _*)夏休み期間に入り、更新が遅くなりました。ごめんなさい(>人<)

 ひとしきり泣いて、お姉様が落ち着いた頃、お父様がお爺様と、リュシアン様と共に部屋に戻ってきた。


「おぉ、レーチェ。よくぞ無事で……。」


 お爺様の言葉にわたしは立ち上がってお辞儀をした。


「お爺様……。この度は心配をお掛けしまして申し訳ございません。」


 お爺様はわたしの傍に来ると優しく頭を撫でた。


「大変な思いをしたな……。」


「はい……。」


 それから一通りの事情聴取が行われた。お爺様とお父様、お義姉様は記憶が無かった間のわたしの生活を最初は心配そうに聞いていたけど、わたしが楽しそうに話すので、表情も柔らかくなり、興味深げに聞いてくれた。ただ、最後のお義母様の従者に襲われた件に関してはかなりショックな感じで聞いていたけどね……。


「助けてくれた所が親切な人ばかりで良かったよ……。」


 お父様が涙目で呟くと、周りもウンウンと頷いた。


「しかしレーチェ、お前がそんなに料理上手だとは私も知らなかったよ……。」


 お父様が感心しながら言った。確かに家ではお菓子位しか作った事無かったですものね……。でもまさか前世の記憶が戻ったので出来ましたなんて言えないから、ソコは笑って誤魔化した。お爺様はそのうちワシも食べてみたいと仰ってくれたので、いつかご馳走しますね。と答えておきました。


 その時、ノックの音がして、騎士のひとりが飛び込んで来た。

「話の最中に申し訳ございません。たった今、蟄居中のエロイーズ殿が自殺を図ったと、報せが入りました。」


「なに?」


「詳しく話せ。」


 お父様とリュシアン様がたちあがり、騎士を促す。


「はっ、どうやら首を吊ろうとしたらしく……。リリアーヌ嬢の悲鳴で駆けつけた所、丁度首を紐にかけた所でして……。何とか取り押さえて、今は気を失って眠っておられます。」


 お父様が両手で顔を抑えてソファに座り込んだ。


「エロイーズ……。」


「お母様……。」


 お義姉様の身体がワナワナと震えている……。相当ショックに違いない無い……。わたしもどう声をかけて良いのか解らずに下を向いた。


「お義父様……、私、先に帰ります。お母様を看てても良いですか?」


「その方が安心だろう、エミリーヌ、行くといい……。」


 お爺様が頷くと、お義姉様はお辞儀をして騎士と共に部屋を出ていった。


 それからお父様は、顔を上げると立ち上がり、お爺様とリュシアン様の前で膝を着いた。


「閣下……、この度は誠に申し訳ございません。」


 膝を着いたまま、深々と頭を下げた。


「お父様……。」

「エドガー……。」


「今回の件、家長である私の責任です。職を辞し、爵位も返還して、残りの人生を神に仕えて悔い改めようと思います……。私の命で贖えるのであれば刑も受けますので、どうか、子供たちだけは御容赦頂けないでしょうか……。」


 床に頭を付けて謝罪するお父様を見て、お爺様とリュシアン様は顔を見合わせた。


「エドガー……、お前が辞められると、ウチの領地が困るのだよ。」


 お爺様が、溜息をを吐いた。


「それに、レーチェも罪人の娘のレッテルを貼られてしまう……。」


 リュシアン様も苦笑いをする。


「エドガー、頭をあげてくれ……。レーチェが危険に晒されたと言う点では、お前も被害者のひとりではないか。」


 そう言うと、お爺様はわたしを見た。


「レーチェ……、お前はどうしたい?エロイーズを憎んでいるか?」


 わたしは少し考えてから答えた。


「……確かに、お義母様は酷い事をしたと思います。凄く怖い思いもしましたし……。でも、姉妹達は何も悪くないですし、お父様も悪くありませんわ……。お義母様の事は正直まだ赦せるとか、そんな問題じゃありませんけど、反省してもう二度とあんな事をなさらないのなら、わたくしはそれでもう……。」


 お爺様とリュシアン様が頷いた。


「落とし所を考えてみよう……。エドガー、もう暫く時間をくれ。」


 お父様が再び叩頭した。わたしはお父様に近寄ると、腕を取って頷いた。お父様は、小さくすまない……と呟くと、わたしを抱き締めたのだった。







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