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領主邸にて……( ´・ω・` )

いつもありがとうございます♪


大変お待たせしましたが、やっと更新です。


物語はレイチェルが領主邸に行った所から始まります。



「レイチェール!!」


 領主邸に着くや否やいきなり父に抱きつかれ、号泣されてしまいました。わたし、レイチェルこと、アンジェでございます。

 お父様……、周りに人がいるのに恥ずかしい……。


「とにかく無事で良かった……。」


 おいおい泣きながら呟く父に溜息を吐きつつもわたしは彼の背中を優しくさすった。


「お父様、心配をお掛けしてすみませんでした。」


 それを聞いた父は益々感動して号泣したのだった。お父様……泣き過ぎ……。


 父の背中をトントンと叩きながら周りを見回すと、義姉のエミリーヌが生暖かい目で見守っているのに気付いた。


「お義姉様……。」


 わたしが呟くと、義姉は苦笑いしながらも、


「お帰りなさい、レイチェル。」


 と言った。

 父が落ち着くのを待って義姉は、


「今回の事……。お母様が本当に大変な事をしてしまって……、ごめんなさい……。」


 と、話を切り出した。


「私の知らなかった事とは言え、私の為にそんな恐ろしい事をしようとしていたなんて……、本当に何と言ったら良いのか……。」


 義姉はそう言って俯いた。


 無理もない。義母がそんな暴挙に出るなんて、誰が想像しただろう。義姉や義妹のリリアーヌも相当ショックを受けたに違いない。


「私はリュシアン様にお礼を申し上げてくるよ。」


 気を利かせたのか、父は席を外してくれて、私は義姉と2人部屋に残される事になった。

 少しだけ気不味い雰囲気が流れていたたまれなくなったわたし達はテーブルに置かれたお茶に手を付けた。少し冷めてしまったが、まだ温かいのでその温もりに気持ちが解れる。ほうっと息を吐いた所で義姉は再び言葉を紡ぐ。


「レイチェル……。本当にごめんなさい……。母がやった事は本当に許されない事……。……でも……、でもね……。」


 義姉は私を見つめてポツポツと語り始めた。


 お義父様はとても優しくて、情が深い方……。だから一度添えば最期まで添い遂げる誠実さを持っている。でも、お義父さまはレイチェルの亡くなったお母様の事を今でも愛しているわ。母はお義父さまの事が好きだったから、リリアーヌを盾に結婚したのだけど、それがいつも頭にあったんだと思うの。

 だから、幾ら家族として受け容れて貰っても、自分は亡くなった前妻には敵わないって劣等感を持ってた……。

 そうしたら、レイチェルは大きくなるにつれて、前妻に似ていくし、その上領主のリュシアン様の許嫁にまで……。母は益々居心地が悪くなって、歪んでいったんだと思う……。

 勝手にライバル視して、勝手に優劣付けて……。過去に拘り過ぎて自分を見失ってしまったのね……。

 私は結婚するより、本を好きなだけ読みたかったから、母には何度もまだ結婚は必要無いから気にしないでって伝えたのだけど、もしかしたらそれも母の気持ちに拍車をかけたのかもしれない……。最終的にこんな事になってしまって……。本当にごめんなさい……。

 許して欲しいと言うのは余りにも人が良すぎると思うけど、母の気持ちも少しは理解して欲しかったので、話そうと思ったの……。随分身勝手な話だけど……。


「私がもっと母の気持ちを汲んであげられたら、また違う結果になったかもしれないのに……。レイチェル……、本当にごめんなさい……。」


 義姉はそう話を締めくくると、涙を流しながら頭を垂れた。


 わたしはそれを黙って聞いていた……。確かに凄く怖い思いをしたし、お義母様のした事は赦せない……。でもそれはお義母様に対してであって、姉妹にでは無いのだ。


「お義姉様は悪くないわ……。」


 わたしはそう呟くと、泣く彼女の背中を撫でた。


「レイチェル……、本当にごめんなさい……。」


 義姉は泣きながら、また呟いた。


 わたしはただ彼女の背中を撫でる事しか出来なかった……。




お読み下さりありがとうございます(*´▽`人)


また少しづつですが、更新していこうと思っています。


これからもどうぞよろしくお願いします。

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