それぞれの事情デス( ̄▽ ̄;)~リュシアン~
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教会に急いだリュシアン。孤児院の庭で子供たちがシーツを干しているのが見える。気が付いた子供が手を振ったので、こちらも振り返してから神父の部屋に向かった。
「お待ちしておりました、リュシアン様。」
老神父が丁寧に応じる。神父はリュシアンの祖父とも親交があり、当然リュシアンの事も理解しているのである。
「で、その少女と言うのは……?」
挨拶もそこそこに気もそぞろなリュシアンが尋ねると、神父は席に座るよう椅子を勧めながら難しい顔をした。
「実はその娘は……、記憶を失っておりまして……。」
神父が、少女が外に倒れていたのを発見してから今日までのあらましを語る。
「今、庭で子供たちがシーツを干しているのを見かけました。」
リュシアンが言うと、
「なら、一緒に手伝っているはずですな。窓から覗いて見ますかな?」
神父の言葉に改めてよく子供たちを見てみると、その中に金髪巻き毛のよく見知った顔が……。
「レーチェ……?!」
「なんと!!間違いないのですか?」
神父が驚いたように言うと、リュシアンが無言で頷いた。
「……で、どうしますかな?」
神父がリュシアンに尋ねる。すぐにでも連れ帰りたいのは山々なのだが……、リュシアンは暫く考えてから答えた。
「できればこちらで暫く預かって貰えると助かります。何故ここに来たのか、理由が解らないまま下手に家に戻したら、また何か起こるかも解りません。
こちらでも色々調べてみますので……。」
リュシアンがお願いしますと頭を下げると、神父はにこやかに頷いた。
「分かりました。暫くこちらで預かりましょう。」
その後リュシアンはロイドとしてアンジェに会うことになるのだが、後は皆様ご存知の通りである。
天然なアンジェに振り回されつつ、思い出して貰おうと時々意味深な事を言ってみるが、斜め上を行く答えを貰うというなんとももどかしい思いをする事になる。ご愁傷様。
記憶を失ったアンジェは全く別人のようで、しかし、時折見せる仕草や笑顔はレイチェルの頃と全く同じで……。それから、料理が得意だった事にも驚いた。レイチェルもお菓子作りは得意で、時々クッキーやケーキを焼いて差し入れてくれたっけ……。そう思い出しながら、クッキーをリクエストしてみたのだが、記憶が戻ることはなく、でも全く変わらぬ味のクッキーで……、やっぱりこの子はレイチェルだと再認識したものだった。
アンジェになってから、レイチェルはとても明るく前向きになったように思う。ちょっとおばさんポイ思考で時々ギャップがあるが、それでもやっぱりリュシアンはそんなアンジェも愛しいと思っていた。
やがてアンジェは料理の発想を買われ、この町で少し目立つようになってきた。記憶も戻ってないので何か危険な事があってはいけないと護衛を付けることにした。乳兄弟であり、王都で遊学中のレオンである。リュシアンが事情を話すと、レオンは『仕方ないなあ』と、笑いながら護衛に回ってくれた。実は下手に部下をアンジェに付けて、仲良くされるのを見たくなかったと言う、嫉妬心もあったと言うのは内緒である。
その間、子爵の周りで何か不穏なことが起こってないか、調査もした。すると、子爵の後妻であるエロイーズの周りが怪しい所までは分かったのだが、余り動きが無いので詳しくは解らず、泳がせる事にしたのだった。
そうこうするうちに、収穫祭の夜を迎える事になるのだが、事前に情報をキャッチできたのは本当に運が良かった。
アンジェと別れて宿に戻った時に、リュシアンは部下の1人から孤児院の周りに数人潜んでると言う報告を受けて、急いで孤児院に戻ったのだが、本当に間一髪であった。渡していた御守りもキチンと役目を果たしたらしい。アンジェが無事でホントに良かった。
そして遂に犯人を捕縛し、レイチェルの記憶も無事戻ったのだ。
リュシアンは心から安堵したのであった。
これにて事情は終了して後日談に入ります。本編終了まであと少し、ここまでお付き合い下さり、本当に感謝です。
最後までお付き合い宜しくお願いします(人´∀`*)




