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ドキドキの後夜祭~その3~(*´д`*)ドキドキ

いつもご覧頂きありがとうございます(*´▽`人)


ロイド先生登場でワキワキするアンジェをお楽しみください(笑)

 あぁ、何度会ってもこの方には慣れない……。ドキドキして心臓に悪い……。そう、それは例えるなら初恋を思い出すような甘酸っぱい感じなのだ。イケメンだからなのか?それともわたしはホントにロイド先生の事を好きになってしまったのだろうか……?この世界、貴族と平民の恋ってOKなのだろうか……?うーん……考えると頭が痛くなりそう……。うん、考えるの止めよう。わたしのキャラじゃないし。ロイド先生は鑑賞対象♪コレが一番しっくり来るから良いや♪ヨシヨシ。


 わたしが自己完結していると、ジト目で見ている人が……。もちろんジャックである。


「ねーちゃん、また変な事考えていただろう?顔に出てたぞ。」


「あははははは……。」


 わたしが渇いた笑いで誤魔化すと、ジャックはため息をついてヤレヤレと首を振った。こら、ちょっと失礼だぞ、アナタ……。

 でもみんな楽しくやってるのだから、今日は無かったことにして楽しく過ごしましょ♪と、思いながらロイド先生の方を見ると、早速神父様から自家製ワインを振る舞われていた。興味がそちらに行ったので、わたしも心安くいられます。神父様グッジョブ♪

 わたしは再び子供たちと楽しく振る舞い飯をつついた。


「どれも美味しいけど、この中で優勝するのってどれだろうね〜〜?」


 わたしが子供たちに尋ねると、子供たちも食べながらうーん、と少し考えて……。


「プリン美味しいねー。」


 と、マルティちゃんが答えた。マルティちゃんは手堅く下馬評通りの答えか……。


「俺は豚汁美味しいと思ったけど……。」


 そう答えるのはジャックだ。それ、わたしも思った。優勝じゃなくても入賞狙えそうだよね。すごく美味しいもん。


「ボクはパウンドケーキ好き♪」


 リュカがはにかんで答える。リュカ可愛い……。可愛すぎておばちゃんは抱きしめたくなるよ♪うんうん、ルゥさんのパウンドケーキも美味しいよね。


 他にも、豆乳蒸しパンや、マッチョ兄弟の串焼きを押す声もある。好みもそれぞれだ。


「俺は串焼き美味かったぞ。」


 レオンさんはそう答えた。肉好きのレオンさんらしい答えだよね。お肉とワイン相性良いのか、進んでますな。飲み過ぎには気を付けてくださいねwww。


「ロイド先生はどれがお気に召しましたか?」


 ふと目が合ったので、ロイド先生にも聞いてみる。


「それはもちろん、アンジェのクッキーが一番ですよ。」


 ニッコリ笑ってサラッと答える先生……。嬉しいです♪嬉しいけど……。

 ザーーッ

 ここでみんなが砂を吐く事案発生。ロイド先生は一人だけキラキラニコニコしてるけど、他の人瀕死デスヨ。幼い子供たちも居るのであまり刺激的な事案は発生させないで下さい。

 あぁ、神父様が眩しそうな顔をしている……。昔はワシも……なんて、そんな遠い目をしないでこの場を収めて頂けると有難いのですが……。

 シスターマリアまで、あらあら、若い子は良いわね〜〜なんて、生温かい目で見ないでください。誰か助けてください。神様……。


 わたしの願いが聞き届けられたのか、タイミング良く結果発表が始まるアナウンスが……。ホッと胸を撫で下ろす私を見て、レオンさんがニヤニヤ笑った。ぐぬぬ……レオンさん……禿げてしまえ。わたしは心の中でレオンさんを呪っておいた。年取って禿げたら呪いは成功だ。


 結果……。

 優勝はやっぱりというか、お約束というか、ステラさんのプリンでした。王都の方でもかなり有名になっていたし、収穫祭に来てたお客さんの大半のお目当てもプリンだったそうだから仕方ないよね。

 でも、プリン目当てで来た人達も他の出店の珍しい食べ物を見たり口にしたりして、プリンだけじゃないと凄く盛り上がったらしいので、結果的に大成功だよね。


 他の入賞は……。

 オベールさんの蒸しパン、ルゥさんのクレープ、ラルフさんの豚汁の他、町の食堂のランチボックスやパン屋のサンドイッチだった。

 みなさん、おめでとうございます♪わたしもお手伝い出来て良かった。


 ニコニコして見てると、特別賞の発表が……。なんとわたし達のクッキーも入賞頂きました〜〜。神父様をはじめ、子供たちもバンザイして喜んでるよ♪みんなで頑張ったご褒美だね♪おめでとう、そしてありがとう♪


 そして、表彰式の後は飲めや歌えやの大騒ぎに突入して、暗くなり始めた広場のキャンプファイヤーに火が点された。勢い良く火が燃え始めると、それを待ってたかのように音楽が流れ始める。

 楽しい音楽に合わせて、ポツポツと、周りに人が集まり、次第に輪になり踊り始めた。わたしも子供たちと手を繋いでクルクル回る。踊ったことないから分からないし、子供たちとだから良いよね♪


 ひとしきり楽しんで、ちょっと休憩と果実水を飲んでいると、ロイド先生がやってきた。


「アンジェ、私とも踊ってくれませんか?」


 ロイド先生が右手を胸に当ててニッコリお辞儀をした。先生…王子様みたい……。やっぱりカッコイイ……。


「はい……。」


 わたしはちょっと顔が赤くなって照れくさいのだけど、頷いた。

 わたしは先生と手を繋いで輪の中に戻り、一緒に踊りに参加する。


「踊ったことないので、多分下手くそですけど、よろしくお願いします。」


 わたしがそう言うと、ロイド先生はちょっと一瞬驚いた顔をして、でも直ぐに破顔して、


「私がリードしますから大丈夫ですよ。」


 と、優しく答えた。そして、先生にリードされながら踊り始めたのだけど、ビックリするほど体がスムーズに動いて、楽しく踊れるのだ。私って踊れたのねと、少々ビックリしたけど、楽しいからそのまま先生と踊り続けた。先生もニコニコしながら楽しそうにしてるから、きっと楽しいんだね。


 あまりにも楽しくて、2曲程踊るとちょっと息が上がってきたので、二人で輪から外れると近くの椅子に座って、貰った果実水を飲みながら他の人が踊るのを眺めた。


「意外と踊れたので自分でもビックリしました。」


 わたしが言うと、ロイド先生がニッコリ笑った。


「お上手でしたよ。きっと、記憶を失う前もダンスがお好きだったのでしょう。」


「そうかもしれませんね。凄く楽しかったです。」


 ダンスの輪をぼんやり眺めながらわたしが答えると、ロイド先生が神妙な面持ちでわたしを見つめた。


「まだ、何も思い出せませんか?」


 わたしはふるふると首を振った。


「そうですか……。まあ、無理はしない事です。」


 ロイド先生が慰めるように呟いた。


「心配してくれている身内の人には申し訳ないんですけど……、わたしは今幸せなので。」


 わたしがニッコリ笑うと、ロイド先生はちょっと呆れたように笑った。


「幸せだから、思い出したくないのかもしれませんね……。」


 わたしはそっと呟いた。

 ロイド先生は一瞬目を見開くと何かを言いかけて、首を振った。ロイド先生、何が言いたかったのかな……?


「もう少し踊りませんか?」


 ちょっとしんみりした空気を払拭したくて、ロイド先生にニッコリ笑うと、先生も同感だったのか、笑い返して二人で再び輪に戻った。そして、踊ろうと周りを見ると、ルゥさんが見えた。一緒に踊ってるのは意外というか……、ラルフさんだった。


「ルゥさんとラルフさんだ……。」


 わたしが呟くと、気付いた2人が揃って頭を下げた。踊りながら隣にやってきて、ニッコリ笑う。


「私たちは幼馴染なんですよ。」


「お二人共、入賞おめでとうございます♪」


「ありがとうございます。」


 ちょっと言葉を交わしてまた再び踊りの輪に戻った二人を見送る。楽しそうで、なんかお似合い。幼馴染か〜〜。良いなあ。

 そしてわたし達も再び踊り始めた。二人で顔を見合わせてニッコリ笑う。


「楽しいですね♪」


 わたしがそう言うと、先生も笑って頷いた。


 1曲踊って、みんなの所に戻ると、レオンさんが1人で待っていた。


「子供たちが疲れて眠そうだっから、シスター達が連れて帰ったぞ。アンジェはせっかくだから、楽しませてやれって、みんなが。」


 レオンさんが笑って言った。


「ありがとうございます。」


 わたしがお礼を言うと、レオンさんはイヤイヤと軽く手を振った。


「楽しんだようだな。」


 と、わたしの頭をポンポンと叩く。わたしはこくんと頷いた。


「そろそろ帰るか?」


「そうですね、あまり遅くなると、明日起きれなくなりそうですし。」


「アンジェの朝ごはんみんなが楽しみにしてるもんな。」


 レオンさんがニヤリと笑った。


「じゃあ、帰るか。」


 わたし達はまだ残っていたトマスさんにお暇を告げて孤児院に戻ったのだった。









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