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お楽しみ♪収穫祭後夜祭デスO(≧▽≦)Oヤター♪

いつもありがとうございます(*´∀人)♪


ちょっと長くなりそうなので2話構成になります( ̄▽ ̄;)

 朝、わたしはいつもより少し早目に目覚めた。それはそうだ、楽しみにしていた後夜祭という名の打ち上げがあるのだ、ムフフ。

 収穫祭中は外部からの人が多い事と、安全の為にお祭りを楽しむことは出来なかったが、今日は村の打ち上げなので参加できるのだ。

 収穫祭中の屋台の食べ物などは振る舞いになるし、食べられない品なんかも展示ブースに飾られるので、その時に注文して後日購入も可能なのだ。なぜなら、後夜祭では出店されたお店の人気投票が行われて、授賞式まであるからなのだ。そのお店がどんな品を売っていたのか、そういうのも分かるよう、振る舞いと展示が行われてるらしい。

 勿論、教会からの出店の髪留めも展示してもらってるし、クッキーも後夜祭までに準備する予定だ。

 子供たちも今日は少し遅くまで起きてても良い許可を貰ってるので楽しみにしているハズ。その証拠に私が朝ごはんの支度をしていると、マルティちゃんとリュカが起きてきた。


「お姉ちゃん、おはよう。今日はいつ行くのかなー?」


 二人が笑顔で尋ねる。リュカちょっとまだ眠いのか目を擦っているけど、それがまたかわいいのだ。


「お昼過ぎてからかな~~?その辺は後で神父様に聞いてみないとね。」


 私の言葉に二人は頷いた。


「今日は楽しみだね~~。」


 あらあら、他にも楽しみな子供達が、ゾロゾロ起きてきましたよ♪


「おねーちゃん、おはよ~~♪」


 わたしは子供達におはようとニッコリ笑ったのだった。


 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



 さて、お昼過ぎてそろそろ夕方にかかるかなという頃、わたし達は神父様と共に町の中央に来ていた。中央の噴水をぐるっと囲むように店が並び、あちらこちらから美味しそうな匂いがしている。わたしも子供たちも、どんな食べ物があるのかキョロキョロしてると、


「よう、嬢ちゃん。」


 魚屋さんが声をかけてきた。


「こんにちは。お店いっぱいなんですね。どれにしようか迷っちゃいますね。」


 わたしがそう言うと、魚屋さんはエッヘンと鼻高々に笑う。


「前夜祭や本祭はスゴい盛況でな、どの店もかなり盛り上がったようだぞ。嬢ちゃんも協力してくれてありがとうな。今日は振る舞いだから、沢山食って最後まで楽しんでってくれ。」


 そう言いながら、広場の真ん中辺りを見遣るので、そちらの方を見ると、木で矢倉が組んであり、さながらキャンプファイヤーのようなものがあった。


「夜になったらこいつに火をつけて、周りで踊ったりするんだ。音楽好きな奴らが演奏もしてくれるから楽しみにしてくれ。」


 魚屋さんはニヤリと笑った。やっぱりキャンプファイヤーなんだ。周りで踊るなんて、キャンプや盆踊りとかそんな感じなのかしらね?楽しそう♪


「ありがとうございます♪楽しみにしてます。」


「あ、嬢ちゃん達のクッキーの場所はあそこだぞ。」


 と、魚屋さんは向こうのブースを指差してから、『また後でな。』と言うと、神父様にお辞儀をして歩いていった。魚屋さん、実行委員長だし、まだ色々準備とかあるのかもしれない。

 わたし達は指定されたブースに向かって歩き出した。


 ブースにたどり着いて、クッキーを並べていると、早速小さい子達が集まってきた。


「クッキーちょうだい。」


 差し出された可愛い手に小分けにしたクッキーの袋を乗せてあげると子供たちは嬉しそうに『ありがとう♪』と言って手を振って駆け出していく。少し先にお母さんらしき人がいて、子供がクッキーを見せるとコチラにニッコリ笑ってお辞儀をして、子供と手を繋いで他のブースに歩いていった。なんか良いな。タカシが小さい頃を思い出して少し懐かしい気持ちになったが、それはまあ置いとこう。www


 神父様とリタさんがクッキーは配ってくれると言ったので、わたしと子供たちは他のブースの食べ物や、展示品を見に行く事にした。勿論後ろからはレオンさんが着いてくるのだが。なんたって護衛ですからね。


 んじゃあ先ずは展示品の方から見てみようかな〜。子供たちにそう言って展示品のブースへと向かった。


 展示品はドレスのようなものから、日用品、雑貨と色々多岐に渡っている。鍛冶屋さんもあるのか、包丁とかあるよ。わたしもマイ包丁欲しいな〜。あと、肩からかけるバッグみたいなものもあるし、刺繍の付いたハンカチみたいなのも……。あの刺繍素敵だな〜〜。わたし、大雑把でちまちましたのは苦手だから、そういうのは作れないかもなー。素敵な作品がいっぱいで、凄い目の保養だ。楽しい♪そう思っていたら、わたし達の作った髪留め発見。子供たちもみんなで作ったのだ、って指差して見ていると、知らないお姉さんが近づいてきた。


「この髪留め作ったの、あなたかしら?」


 お姉さんが尋ねたので、わたし達がこくんと頷くと、彼女はいきなり私の手を握って、


「この作り方教えてくれないかしらー!!」


 うるうるしながらじーっと見つめてきた。……うっ、なんだか気恥しい……。


「あの、その、コレはわたしと子供たちで作ったので……。」


 しどろもどろになりながらわたしが言うと、お姉さんはハッとして、わたしと子供たちを見回した。


「そうなの、みんなで作ったのよ。」


 マルティちゃんもお姉さんに向かって言った。


「それより、いきなりあんた誰だよ。」


 と、ジャックがツッコむ。お、いつものツン発動か?初対面の人にはジャックは厳しいのよね。

 お姉さんはポリポリと頭を掻くとふにゃりと笑った。あ、なんかこの人可愛い。


「失礼しました。私、雑貨屋のイレーネと言います。収穫祭で見かけた髪留めが可愛かったので、ここで見かけて製作者を探してましたの。」


 イレーネさんがえへへと照れたように笑った。


「良かったらウチでも作って販売出来ないかと思って。」


 あー、だから作り方を教えてってか……?なるほど。


「ダメだ、作り方は教えられない。」


 ジャックが口を挟む。あれ?食べ物の時は教えても何も言われなかったのだけどな〜?急にどうした、ジャック。


「ジャック?」


 わたしが不思議そうにジャックを見ると、ジャックは思い切ったように言葉を続けた。


「俺たちが作って、イレーネさんに卸したい……。」


 あぁ、なるほど、そう言う事か。作ってイレーネさんに卸して稼いだお金を孤児院の運営費に回す訳だね。ジャック、頭良い!

 わたしも賛成!!そう思ってイレーネさんの方を見ると、彼女は暫く考えてから頷いた。


「確かに今から工員を雇って作らせる事を考えると、卸した方が手間もお金も安く上がりそうだね。うん、解った。良いですよ。」


 イレーネさん、話が分かる人で良かった。


「じゃあ詳しい事は後日孤児院に伺って詰めましょうか。」


 そんな感じで話が纏まりわたし達はイレーネさんと別れたのだった。









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