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カフェのおねーさまからの相談ですフム(( ˘ω ˘ *))フム

「こんにちは~」




 食堂を恐る恐る覗き込む丈の長いメイド服のおねーさまが1人……。


 ん、どなた様?初めて見る方ですよね?でもその服は見覚えが…。




「あの~、魚屋のトマスさんから紹介されて伺ったのですが……。収穫祭の出店メニューの件で…。」




 あー、なるほど。あのあと魚屋さんは皆さんに声掛けたのか。それで、早速いらっしゃったと。


 わたしはおねーさまを招き入れて、お好きな場所に座ってもらった。手早くお茶を入れて、出すと、おねーさまはお辞儀をして話し始めた。




「私、町のカフェのルゥと申します。毎年パウンドケーキを出してるんですけど、大きいからお土産用になってしまって、出来れば手に持って食べられるようなものも出したいと思いまして……。トマスさんに相談したら、こちらに行ってみればと……。」




 おねーさまことルゥさんが説明した。なるほど〜、カフェのパウンドケーキ美味しかったけど、そのまま売ってたら確かに食べ歩きには向かないよね。分かるなー。お菓子の食べ歩きって言えば……やっぱりクレープかしら?生クリームってこの世界にはあるのかなー?


 わたしはルゥさんの話にうんうん、と頷きながら考えた。




「だったらクレープとかはいかがですか?」




「クレープ?」




 クビを傾げるルゥさん。




「小麦粉、牛乳、卵を混ぜたタネを薄ーく焼いたものなんですけど……。」




「あーあ、ガレットかしら?」




 ルゥさんがパンと両手を合わせる。そっか、クレープの元祖はそば粉で作ったガレットって何処かで聞いた事あるね〜。




「そうです。ガレットみたいなの。」




「でもあれはそば粉だし、味付けは塩だから、お菓子ではないのでは?」




「ですから、塩の代わりに砂糖やはちみつで甘い味付けにするんですよ。小麦粉を使うからクレープって呼ぶんだって聞いた事あります。」




 わたしがそう言うと、フムフムとルゥさんが考える。




「とりあえずここで作ってみましょうか?」




 わたしが言うと、ルゥさんもこくんと頷いた。一緒に手伝いながらやりたいと言うことなので、共にキッチンに立つ。


 材料は、小麦粉、砂糖、卵、牛乳、オリーブオイル。バターでも良いんだけど、溶かすの面倒だから手っ取り早くオリーブオイルで(笑)




 まずはボウルに小麦粉と砂糖を入れてクルクルまぜあわせる。次にわりほぐした卵を入れて軽く混ぜる。そこに牛乳を少しづつ加えて、サラサラの生地になるまで混ぜていって……。キレイに混ざったらオリーブオイルを投入して混ぜ合わせたら生地は完了。




 次はフライパンを熱して、温かくなったら弱火にして油を引く。あー、バターを引いてもいいか。そしたら生地をお玉で掬って入れてクルクルと丸く薄く広げていく。表面が乾いて来たらフライ返しでひっくり返して、軽く焦げ目を付けたら完成。お皿にそのまま載せていく。ルゥさんと交替しながら10枚程のクレープが重ねられた。




「このように作り置きにしておけば、もしお客さんが沢山並んでも、トッピングするだけですからあまりまたせずに済むかもですね。」




 そういうと、ルゥさんが頷いた。




 次はトッピングだ。今回は作り置きのいちごジャムを使おう。クレープを1枚取るとお皿に載せて、ジャムを塗って半分に折ったらさらに半分におって、もう一度半分に折ったら完成。




「このままよりは何か紙でくるんで手で持って歩けるようにしたらいいと思うです。」




 そう言いながら、その辺にあったキレイな紙でくるんでみた。クレープ屋さんのクレープみたいに……。




「トッピングも、ジャムだけじゃなくて、生クリームとか、フルーツとか巻き込んでも美味しいですし、レタスとウインナーを一緒に巻いたら食事っぽくなりますよね?」




 そう言いながらわたしはルゥさんにクレープを手渡した。ルゥさんは受け取ったクレープを関心しながら見て1口齧る。




「うん、美味しいですね〜。」




 と、ルゥさんがニッコリ笑った。




「なるほど〜、そば粉じゃなくて小麦粉だからしっとりしてるのかしらー?これなら食べやすいですね〜。レタスとウインナーも合いそう。」




「でしょ?色んな組み合わせが楽しめるから、良いと思うんです。」




「あー、でもあまり種類を増やすと捌き切れないし、とっ散らかりそうだから、3種類位に留めた方が良いかもですね〜。」




 ルゥさんがノってきた。良いヒントになったかしら?わたしはニコニコと、ルゥさんがクレープとにらめっこする様子を見ていた。




「お姉ちゃん、良い匂いがするよ〜。」




 食堂の方からマルティちゃんの声が聞こえた。


 そろそろおやつの時間かしら?




「はーい。ちょっと待っててね〜。」




 わたしは返事をすると、クレープの皿を食堂に持って行った。




「もうちょっと待っててね。」




 わたしが言うと、マルティちゃんはニッコリ笑ってわたしも準備手伝うよ。って言ってくれた。んー、やっぱり天使♪癒されるわ〜♪


 マルティちゃんがカトラリーを準備している間に保冷庫からフルーツを出す。りんごとブドウがあるからそれで良いかな?リンゴは薄切りにして挟みやすいように。ぶどうはあらって縦半分に切ってタネを取る。生クリームもあったからホイップしてはちみつで甘くする。


 わたしがそれらを食堂に持っていくと、他の子達も来て座っていた。ルゥさんも一緒にね。




 みんなに1枚ずつ生地を配って、好きなようにトッピングしてもらって食べることにした。みんな美味しそうに食べてたよ〜。ルゥさんのおかげで今日はクレープが食べられて良かったよね♪




 わたしもフルーツと生クリームを挟んで美味しくいただきました。お店のクレープっぽくて美味しかったよ〜♪




 そうそう、ルゥさんがパウンドケーキも食べやすく出来ますか?って聞いたから、1口大に切って器に入れて生クリームを乗せたらどうですか〜?って言ったら良い考えだって、喜んで帰っていた。翌日はお礼にってパウンドケーキの詰め合わせみたいなの持ってきてくれたよ。子供たちもパウンドケーキ凄く喜んでた。




 収穫祭でどんな感じに出てくるのかまた楽しみが増えたね〜♪



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