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閑話~子供たち頑張る~(*p'∀'q)Fight♡

更新が遅れていてすみません(>人<)


夏休み時期で何かとバタバタしていて、構想を練る余裕がなく、また、体調を崩してしまいスマホを触る気力もない状態だったりします( ̄▽ ̄;)


更新を待ってくださる方には誠に申し訳ないのですが、夏休みいっぱいは不定期更新とさせてくださいませ(>人<;)


いつも覗きに来て下さり、ホントにありがとうございます(*´▽`人)アリガトウ♪皆様にはホントに感謝ですm(_ _)m

 その日、一番最初に異変に気付いたのはマルティちゃんだった。


 マルティちゃんは昨夜、いつの間にかわたしの部屋に来て、いつもの様にベットに潜り込んだらしい。

 いつもなら朝明ける前からゴソゴソしだすわたしが、明るくなっても動かないので、触ったら凄く熱かった……らしい。私の方は昏昏と眠り続けていたので全く気づかなかったのだが……。


 そんな一日のお話。


 ※そんな訳で今回は3人称にてお送りしますm(_ _)m


 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



「お姉ちゃん……?」


 部屋の中はとうに明るくなったというのに、いつもならとっくに布団から抜け出しているはずのアンジェはまだ隣にいてピクリとも動かない。

 マルティは不安になり、アンジェの肩に手をかけた。


「……つっ!!」


 布越しなのに、物凄い熱さにビックリして慌てて手を引っ込める。マルティは、再びアンジェの肩に手をかけると軽く揺する。


「お姉ちゃん?」


 しかし、アンジェは動かない。ただ昏昏と眠り続けているようだ。


「大変!!誰か呼んでこなきゃ!」


 マルティは慌ててベットから降りて部屋を飛び出そうとドアに手をかけた。

 その時である。


 コンコン


 ドアをノックする音がした。


「姉ちゃん、まだ寝てんのか?」


 ジャックの声だ。いつもなら朝明けないうちから食堂に居るはずのアンジェがいないので、どうしたのかと様子を見に来たらしい。マルティは慌ててドアを開ける。


「?、マルティ?またお前ねーちゃんとこに……って、どうした?」


 そう言いかけて、只事ではないマルティの様子にハッとする。


「ジャック~~。お姉ちゃんが……、お姉ちゃんが……。」


 ジャックを見て安心したのか、マルティはふぇ~んと泣き出してしまった。

 ジャックはよしよし、とマルティの頭を撫でながら、2人でベッドへと向かい、アンジェの様子を伺った。


「熱が高いな…。」


 ジャックはアンジェの額に手を当てると呟いた。後はただ眠ってるだけでどこか痛いとかはなさそうである。


「マルティ、リュカと一緒にリタねーちゃんか、神父様に伝えてきてくれないか?俺は冷やすもの準備してくるから。」


 ジャックがそう言うと、マルティはこくんと頷いて走り出した。ジャックはもう一度アンジェを見てフッと息を付くと食堂に向かって歩き出した。



「疲れですかな?」


 みんなが見守る中、アンジェを往診に来た医者がそう言った。

 あれから、ジャックはレオンに頼んで氷を準備してもらい、アンジェの額にタオルと氷嚢を置いて冷やしていた。マルティとリュカから話を聞いたリタが、神父様に伝えて医者を呼び、往診して貰ったという訳だ。


「アンジェお姉ちゃん、大丈夫なの?」


 心配そうに言うマルティの頭を医者が撫でる。


「大丈夫さね。アンジェは例えれば今ネジが切れた人形の状態じゃな。眠ることでネジをまいておるんじゃよ。」


 マルティが解るように医者は人形に例えて話してくれた。


「じゃあ、お姉ちゃんはネジを巻いたら元気になるのかな?」

「そうだよ。だから今日はアンジェをゆっくり寝かせておあげ。」


 医者がそう言うと、マルティはこくんと頷いた。


「さ、みんなもアンジェを寝かせてやろうよ。」


 ジャックがそう言うと、他の子供たちも頷いて部屋を後にした。


「ゆっくり休んだら自然に目が覚めるだろうて、静かに寝かせてあげたら良い。ジャックはたまに覗いてやれ。その方が他の子達も安心するだろうよ。」


 医者の言葉にジャックは頷いた。

 孤児院で留守番する子供たちの中では最年長なので、他の子達が病気になった時など、看病は手馴れているのだ。だから医者や神父様からの信頼も厚い。


「じゃあワシは神父様と話をしたら帰るから、後は頼むぞ。」


 医者とリタが部屋から出ていき、レオンも医者から詳しく話を聞きたいと一緒に出ていった。

 ジャックはアンジェの寝顔を見ながらホッと息を付く。


「もー、ねえちゃん心配したよ。まあでも、ここに来てからねえちゃんは俺たちの為に毎日ご飯作ってくれたり、家事をしてくれたり頑張ってたもんな。そりゃあ疲れるか。」


 それからドアを開けて部屋を出ると、閉める間際にまた呟いた。


「ねえちゃん、時々様子は見に来るからゆっくり休めよ。そして元気になったらまた、一緒にご飯作ろうな。」


 そうしてドアをそっと閉めて、子供たちが待っているであろう食堂に向かって歩き出した。



 ジャックが食堂に戻ると、子供たちは心配そうな顔でジャックを見た。


「アンジェお姉ちゃん大丈夫かな?死んじゃったりしない?」


 子供たちの1人が言う。ジャックは子供たちを心配させまいとニヤッと笑うと明るく言った。


「お医者様も大丈夫だって言ったろ。ねえちゃんは大丈夫だよ。ちょっと疲れただけだよ。」


「でも……。」


 と、リュカは心細そうだ。


「大丈夫。ねえちゃんは死んだりなんかしないよ。……だってあのねえちゃんだぜ。明日か明後日にはきっとケロッと元気になってみんなにご飯何がいい?って聞いてくるって。」


 ジャックの言葉にようやく子供たちも明るい顔をする。


「だから、ねえちゃんが寝てる間俺たちで頑張って、ねえちゃんを驚かせてやろうぜ。」


 ジャックがバチンとウインクすると子供たちも頷いた。


「そうと決まったらまずは腹ごしらえだ。準備するからお前ら手伝えよ。」


 かくしてジャック主導で朝ごはん……ブランチ?作りが始まったのだった。


「そうだな……。オープンサンドにするか?パンに乗っけて食べれば良いし。」

「美味しそうだね。」

「そうしよう。」


 卵は茹でてゆで卵に。ハムは薄くスライスして。レタスは洗ってちぎり、トマトは半分に切ってから5ミリ程の厚さにスライス。チーズも適当なサイズに切り、アンジェの作り置きのマヨネーズを準備する。

 フランスパンは2センチに切ってオーブンでパリッと焼いて……。


 出来たものを食堂のテーブルに運んで並べ、いただきますをした。

 パンにマヨネーズかバターを塗り、それぞれ好きな具材を乗せて口に運んだ。


「うん、美味しい♪」

「上手に出来たよね。」


 口々に言いながらパンを頬張る。食べてるうちに段々気分が上向いて行くのを感じながら。

『食事はとても大事なのよ。気持ちが沈んでる時もご飯を食べればきっとまた頑張ろうって生きる力が湧いてくるものなの。』

 いつかアンジェが皆にそんな事を言ってたっけ……。ジャックはふとそんな事を思い出した。


「よーし、食べたら洗濯と、掃除、それからアンジェのハーブ園の草取りをしよう。」


 ジャックの言葉に皆は頷いた。みんなで頑張って、アンジェをゆっくり休ませるんだ。そしてまたあの優しい笑顔のアンジェとこれからも一緒に過ごしていこう。そんな気持ちで子供たちは1日頑張ったのだった。


 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「ふあぁぁ、よく寝た。」


 わたしが目が覚めたのはそれから2日後の事だった……らしい。そんなに眠っていたなんて、わたしは気付かなかったから。

 目が覚めた途端、隣で眠っていたマルティちゃんが抱きついて大泣きしたからびっくりしたけど。


 後でジャックから話を聞いて納得がいった。確かに……。元の自分の体ならば全然平気だったと思う。でも、アンジェの体はまだ小さいし、華奢だ。多分どこかのお嬢様ぽいのでそんなに体力も無いのだろう。

 すっかり子供たちに心配かけちゃったね。反省。

 ジャックからも、これからは無理し過ぎないように釘を刺されてしまった。めちゃくちゃ怒られちゃったよ。はぁ。わたしも気をつけなきゃね。


 実はわたしが眠ってる間に一度、ロイド先生がレオンさんから話を聞いたって血相抱えて来たらしいのだけど、みんなに追い返されたらしいのよね。レオンさんも呆れていたらしい。いつも優しい笑顔のロイド先生が慌てたところ見てみたかったな〜〜。きっとレアだったろうに。なーんて不謹慎な事を思っちゃったけど、みんな私の事心配してくれたのだから、感謝しないとだよね。今度何かお詫びのお菓子でも作ることにしよう。


 そうしてわたしはまた日常に戻ったのだった。















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