転生おかんは天使のような美少女でしたΣ(゜ロ゜;)
読んでくださりありがとうございます。自分の文章を読んで下さる方がいるって凄く嬉しいです。拙いながらもできるだけ毎日更新していきたいと思いますので、これからもどうぞよろしくおねがいいたします。
孤児院に入ると子供たちが集まって来た。
「リタお姉ちゃーん」
子供たちリタさんのこと大好きなんだね。中には抱きついてくる子もいて、リタさんも笑顔で対応する。
「あっ、天使さま?」
一人の女の子がわたしに声をかけてきた。
えっ?天使?どこどこ?キョロキョロと見回すと、女の子はあなたのこととばかりにキラキラと目を輝かせながらわたしを見つめる。
わたし?そんなご大層なものではないのですけど……?
「あのね、私が見つけてリタお姉ちゃんに知らせたんだよ。かわいそうに、羽無くしちゃったから帰れないんだね?」
女の子の中で、わたしは勝手に天使にされているようだ。
「マルティ、違うのよ。このお姉ちゃんはね……。」
宥めるようにリタさんは言って、申し訳なさそうにわたしを見た。
「この子ったら最近見た絵本に出てきた天使様の絵にあなたが似ているので、天使だと思っているのです。」
えっ、本当ですか?
そう言えば、まだ自分の顔見てなかったわ。なんだかとりまぎれてしまって……。その辺に鏡とか……無いわよね?自分が見えるもの……っと。
周りを見回すと、とりあえず窓はある。ガラス窓なら映りそう、と、ちょっと覗いてみる。
ああっ!!
ホントに天使!!クルクルふわふわの巻き毛に可愛らしい顔……。まさに美少女!!
わたしったらこんなに綺麗になっちゃって……ムフフ。ちょっとにやけてしまう。
「このねーちゃん、ナルシスト?」
突然声をかけられて、ハッと気が付く。いかんいかん、つい見とれてしまった。
声のした方を見ると、10歳位の赤毛の少年が訝しげにわたしを見ている……。
悪かったわねー、ナルシストで。でもこの顔よ、見惚れちゃう。神様ありがとうございます♪。
「ジャック、そんなこと言ってはダメよ。」
ほら、リタさんに注意された。余計な事言って注意されるなんて、たかしのようだわ。……たかしと言えば、わたしがいなくなってちゃんと身の回りの事やれてるのかしらねぇ……?とちょっと心配してみる。ジャック少年はそんなわたしを胡散臭げにジト目で見ていた。
「みんな、新しいお友達よ。」
リタさんがみんなを見回して言った。
「名前は……、えと、どうしましょう。実はこのお姉さんは自分のこと全部忘れちゃったみたいなの。みんなで新しいお名前考えてくれるかな?
ここにいる間、その名前で呼んであげましょう。」
子供たちに丸投げ〜?って、まぁ、子供たちと一緒に生活するなら、馴染みやすい名前にしてもらった方が良いよね。変な名前は付けないだろうし……。
すると、先程のマルティちゃんが目をキラキラ輝かせながら言った。
「リタお姉ちゃん、アンジェはどう?天使のお姉ちゃんだし。」
エンジェルを文字ってアンジェか……。なるほどステキなキラキラネーム。他の子供たちも異論は無いようで、それぞれ頷いていた。タカシ……ゲフンゲフン、ジャックを除いてだが……。
「じゃあ、アンジェちゃんで。みんな、仲良くしてあげてね。」
リタさんがニッコリ笑う。みんなも笑顔でコクコク頷いた。
「アンジェお姉ちゃん、よろしく~~。」
「皆さんありがとうございます。よろしくお願いします。」
わたしはぺこりと頭を下げた。
「じゃあ先ずは、アンジェちゃんの部屋に案内するわね。」
と、リタさんの案内で部屋に向かう。ここよ、と案内された部屋は、なんと一人部屋だった。他の子と同じ部屋でも良かったのだけど。
リタさん曰く、10歳を越えた子どもは基本1人又は2人部屋なんだそうだ。わたしの場合、良いところのお嬢さんのようだったので、配慮もあるのだろう。
現在孤児院にいる子どもは10名ほど。5歳から12歳の子供たちらしい。10歳になると町の商店等で見習として通いで働かせて貰い、15歳で住み込みで就職する為、ここを卒業していくシステムらしい。10歳以下の子供たちは、ここで家事を手伝ったり、文字や計算等の勉強をしたりして生活をしているとの事だった。
記憶を失っているわたしはゆっくり休んでいるようにリタさんに言われたが、何もせず、タダ飯食らいも申し訳ないので、手伝いを申し出る事にした。
リタさんはビックリしたようだが、それでも助かると喜んでくれた。
こうしてわたしの孤児院での生活が始まった。