牧場見学の手土産はシフォンケーキで♪(。・ω・)ノ゛ イッテキマ-ス♪
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朝食の後、わたしは調理場でお菓子作りの準備をしていた。
マクシムが通っている牧場の奥様、ステラさんが牧場に招待してくれると言うのだ。牧場はまだ行ったことないので、もちろん喜んで受け取り、手土産にお菓子でも……、と思った訳だ。
卵、牛乳、オリーブ油、砂糖、小麦粉……。
先ずはボウルを2つ準備し、卵を卵黄と卵白に分けて、卵白に砂糖を入れて泡立てる……。ひたすら泡立てる……。手が疲れたら、今日はジャックは留守なので、レオンさんに変わってもらう。力ありそうだしwww。レオンさんは、食べる専門かと思っていたけど、混ぜるの結構上手だ。あれよあれよとメレンゲになっていく……。パティシエの才能あるかもしれない……なんちゃってねwww。ピンとツノが立くらいのメレンゲになった所で返してもらい、一旦保冷庫に放り込む。
次は卵黄、砂糖をよく混ぜ合わせて、オリーブ油、牛乳の順に馴染ませるように混ぜていく。混ざったら小麦粉を振るい入れて、クルクルとよく混ぜたら、保冷庫からメレンゲを取り出して木ベラで一掬い卵黄のボウルに入れて馴染ませるように混ぜる。混ざったら、残りのメレンゲを2、3回に分けてさっくりと泡が潰れないように混ぜる。コレでタネは完成。
オーブンも予熱済なので、それを型に入れるんだけど、シフォンケーキ型は無かったので、パウンドケーキ型にバターを薄く塗ってタネを入れる。そしたらそのままオーブンに入れて約170度で30分程焼けば完成だ。
途中シフォンケーキが膨らんで割れてくるので、8分程経った所で一旦取り出し、串等で割れ目を作ってあげるとキレイに仕上がるよ。
「出来た♪」
ふっくら良い感じに出来たので、取り出して、焼き縮を抑える為にちょっと高い所から型ごと落としてから網の上に逆さに置いて冷ます。
「良い匂いがするな。」
と、レオンさんが鼻をヒクヒクさせた。
わたしは、ケーキが冷めると型から取り出して、そのまま箱に入れてから籠に入れた。
そうして準備が出来たわたしは、レオンさんと共にステラさんの牧場に向かったのだった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
牧場に着くと、ステラさんがニッコリ笑って出迎えてくれた。手土産のシフォンケーキを渡すと、とっても喜んで受け取ってくれた。そして、後でお茶の時に出すね、と言った。
ステラさんの案内で、私たちは牧場を見て回る。大きな柵に囲まれた牧草地で沢山の牛がそれぞれマッタリと草を食んでいた。奥の方には小屋があってそこが牛小屋みたい。牛小屋を覗くと、マクシムが掃除をしていた。
「アンジェ、来たんだ。いらっしゃい。」
気付いたマクシムがニッコリ笑う。わたしもニッコリ笑って、お疲れ様、と答えた。仕事の邪魔をしたら悪いので、頑張ってね、と告げてから次の場所へと向かう。
次は加工場だったけど、さすがにコワイので、そこはスルーして、説明だけを聞く事にする。加工場では、塩漬け肉や、干し肉等を作っているらしい。
ステラさんちの牧場は、この町に1件しかないせいか、ホントに広くて大きな牧場だ。でも牧場って良いよね~〜。広くてのんびりしていて癒されるわ~〜♪。
他にも鶏を飼ってたり、他の場所で豚も飼育しているので、まあ、色々大変みたいだ。
と、その辺りの事は置いといて……。
わたしは牧場の牛を見て癒されていた。仔牛……、かわいいよね……。
しばしほのぼのとしていると、ステラさんが、母屋でお茶を飲みましょう、と声をかけて来たので、レオンさんと共に母屋に向かった。
母屋でお茶を貰い、先程持ってきたシフォンケーキを切り分けて貰い頂く。
フワフワして、美味しく出来てる。レオンさんのホイップのお陰だね♪
「このケーキ、美味しいね!パウンドケーキよりも軽くていくらでも入りそうだ。」
ステラさんも喜んでくれたようだ。良かった♪
レオンさんも美味しそうに食べてるし、子供たちにも作ってあげなきゃね♪
「アンジェちゃん、この前はプリンのレシピありがとうねぇ。」
と、ステラさんがニッコリ笑った。
「おかげで出資者さんから大変喜ばれてねぇ。これからも面倒見てくれることになったんだよ。」
「それは良かったですねー。」
「ホント、アンジェちゃんのお陰だよ、ありがとう。」
そんな風に言ってもらうと嬉しいなぁ♪とりあえずこれからも牧場は安泰って事だよね。
「それでさ、そのプリンの事なんだけどね……。」
「はい?」
「実は、出資者さんがいたく気に入って、首都の方にカフェを作ってそこで出したいと仰るんだよ。だから、そのレシピを売ってくれって。アンジェちゃん、どうだろう?」
あー、なるほど。でも、これはわたしが考えたレシピってわけでもないし、美味しいものはみんなで共有するべきだよね♪。
「首都でプリンを広めて貰えるっていうのは凄く嬉しいです。」
と、わたしは答えた。
「それじゃあ。」
「でも、条件があります。このレシピを独占しないで、欲しい人には安価で教えてあげてほしいんです。」
と、わたしは言った。
「美味しいものはみんなで共用して貰いたいんです。それでそこから色々改良されて、もっと美味しいお菓子が発明されたりしたら凄く楽しいと思いませんか?お店によって味が少しづつ違ったり、自宅でお母さん達がそれを作って振舞ったり……。わたしは、そういうのが好きです。」
わたしがそう言うと、ステラさんはちょっと呆気に取られていたが、直ぐに破顔して、
「アンジェちゃんらしいね。」
と、笑った。
「出資者の人には、そう伝えとくよ。確かに独占されちゃったら、私たちもプリンが作れなくなっちゃうもんね。実はさ、今度この町でお祭りがあるんだけど、その時に出店して出そうかと思ってたんだよ。」
ステラさんがポリポリと頭を掻いた。
「それ、良いですねー。」
わたしもニッコリ笑う。お祭りあるんだね。
「確か、孤児院も毎年教会と一緒に出店してるから、今年はアンジェちゃんの料理で楽しませて欲しいねぇ。」
「神父様に聞いて、是非何か出してみたいです。」
またなんだか楽しみが増えて、わたしはワクワクしてきた。
「今日はありがとうございました。」
と、お礼を言って帰ろうとしたら、玄関先の袋から豆が零れていた。
「これって………?」
「ああ、それは砕いて飼料に混ぜるんだよ。卵が美味しくなるからね♪」
そう言って、零れた豆を拾って見せてくれたけど、それって……、それって……。
大豆ですよねぇぇぇぇっ~〜〜!!!
わたしは思わずガシッとステラさんの腕を掴んだ。
「この豆少し分けて貰っても良いですか!!」
「ええっ?……良いけど、これって鶏や豚の餌だよ?」
ステラさんは、不思議なそうな顔をしながらも少し分けてくれた。
「ありがとうございます♪」
わたしがホクホクと喜んで受け取ると、
「アンジェちゃんは本当に不思議な娘だね~。」
と、苦笑いしていた。そして、良かったらまたおいで~〜、と笑いながら手をヒラヒラと振った。わたしは頷く代わりに深々とお辞儀をして、レオンさんと共に帰途についた。
「ホントに嬢ちゃんは面白いな〜。」
と、帰りながらレオンさんが呟いた。
「その豆、何に使うんだ?」
「ふふっ、帰ってからのお楽しみです♪」
嬉しそうに言う私を見ながら、レオンさんは苦笑いをしていた。




