現状把握とこれからのことハァ━(-д-;)━ァ
ピピ……、チチチ……。小鳥の声が聞こえてわたしは目を覚ました。そして………。
戻ってませんでした〜〜〜。残念!!
と、言う訳で今日の私がやる事は、とりあえず現状把握かな。この世界のことが解らないと何も出来ないし。さて、どうしよう?
周りを見回すと近くの机の上に盆に載った水差しとコップがあった。わたしが眠っている間に、シスターが置いていってくれたのだろう。
「ありがとうございます。」
小さな声で呟いて、手を合わせる。そして水差しからコップに水をついでコクコクと飲んだ。うん、普通の水。喉が癒えた所でお腹が小さくクウと鳴った。そう言えば昨日から何も食べて無かった。そう思っていたら、昨日のシスターがドアをノックして入ってきた。
「目が覚めましたか?お腹空いてるんじゃないかと思って……。」
シスターが持っているお盆にはパンとスープが載っていた。
「ありがとうございます。」
わたしは盆を受け取り、ベットに座り膝の上に置いて食べ始めた。
「美味しいです。」
余程お腹が空いてたのか、あっという間に食べてしまった。味わう暇も無かったよ……。
「ご馳走様でした。」
盆を返すとシスターはニッコリ笑って部屋から出たが、今度は直ぐに服を持って戻ってきた。
「これを着てください。」
渡されたシンプルなワンピースに着替えると、神父様を呼んでくるからここで待っているように言われた。事情聴取とかそんな所かな?わたしはベッドに腰かけて足をプラプラした。
うーん、なんて言ったら良いんだろう?異世界から転生しましたとか言ったらそれこそ変に思われちゃうよね?今のわたしであるこの少女の記憶が全く無いので、記憶喪失ってことで良いかな?そしたらこの世界の事も普通に聞けるだろうし。そうしよ。
そこまで考えた所で、再びノックされて神父さんとシスターが入ってきた。
名前を聞かれ、どうして倒れていたのか聞かれる。でも解らないから解らないと答えた。そして色々と神父さんとのやり取りの挙句、わたしは記憶が戻るまでここに置いてもらえることになった。
ここと言っても教会には住めないので、併設されている孤児院で記憶が戻るか、家族が迎えに来てくれるまで過ごすことになったのだ。
孤児院まではシスターが連れていってくれた。あ、シスターの名前はリタさんと言った。名前覚えておかなきゃね。リタさんも孤児院からシスターになった人の様で、寮母さんも兼ねているみたいだ。
新しい生活に向けわたしはドキドキしながら孤児院のドアを潜った。