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majiでNAMAMUGIjikenの5秒前


その返信を最後に、頭のなかでブツリと切断音。のち、ツー音が続いて通信終了を知らせる。何て旧世代的な。いやまぁ、ここ1616年だから古いんだか革新的なんだかよくわかんねぇけど。



「おっちゃん!じゃあ、手はず通りに頼むね!


朝9時ジャストに帰還って手はずになってるらしいから、都合よくシクヨロ。」



「お任せください女王陛下。手はず通りにダイヤを組んでおきました。


ごゆるりと、キハ20での旅をお楽しみください。」



膝をつき、深々と丁寧にお辞儀をかました鉄道大臣のおっさん。リシャは満足そうに笑って、それから「じゃあ行くよ、ヨドガー・アラン・ポー!」と追従を促して歩いていった。


シャーペンごときに命令され、何の疑問を持つ余地も与えられないまま従うのはかなり癪に触ったが、まぁ状況が状況だし致し方ない。ふつうに寒いし、とりあえず電車に乗るところまではおとなしく着いていこう………と、一歩目を踏み出し、明らかに安物のブーツを雪の上でサクッと言わせたところ。



「ああ、そうだ、ポー」



明らかに俺に向かっておっさんがそう呼び掛けてきた。



とたん、嫌な予感が頭を駆け巡る。立体音響版のナイツ・オブ・ナイツよりもぐるぐる駆け回る。


ポーって何だ。まさかとは思うが、いや………さすがに………



「ポー、聞こえんのか、お前だ、ポー」



「ちょっとおっさん待て、確かに俺はヨドガー・アラン・ポーだが、ポーって何だよポーって。もう電子音じゃねぇか、人の名前じゃねーよそれ。ヨドガーとかアランとかでいいじゃねぇか、勇者ポーって、それもはや勇者ああああの方がマシーーー」



「ポー!無礼はよしなさい!ポー!」



悲鳴に近い金切り声を上げながら旭天鵬と琴欧州を足して二で掛けたような強烈至極のツッパリをかましてきたのは王女リシャだった。ところで旭天鵬と琴欧州を足したらブルガリアとモンゴルのハーフになるけどそれってすごい希少だよね。全世界に一人くらいいるのかな?


ともかく待ったなしの平手による暴力を不意に受けた俺は抵抗の余地なく横高跳びをするはめになった。将来体力テストの新種目にどうだろうか?



村人A以上でも以下でもない、大した断熱効果もない、なんならヒートテックのワイシャツとタイツの方がなんぼかましではないかと思うような格好で再び雪に埋もれた俺は、さすがにその冷感に耐えきれる訳もなく飛び上がるように起き上がり、そして叫んだ。



「つめてぇぇぇぇぇええええええ!!


何しやがるんだこの糞フリシャーーー」



『目上の人間に対する失礼は手打ち御免なんだよ、この世界は!!』




再び接続された個人回線、新たに一件のレスが表示される。


まあ、少し話戻すがこの世界に来る前、最後に幼馴染みと交わした会話がすごく腹立つ内容だったので紹介することにする。以下、回想。


「ウチ、レイカンあるんよね」


「それは知らなかったな、結構感じるものなのか?」


「そりゃあな!ほら、氷さわって冷たっ!」


「……………。」


「……………。」


「冷感やろそれ」


「お察しのとおりです」



ーーー閑話休題。




『不敬罪は立派な犯罪!そのまま殺されても何にも文句言えない上に、訴えられたら五年以下の懲役または30万円以下のバッキンガム宮殿なの!』


『あ、変換ミスった罰金だわwwwwwwww』


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