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封術学園  作者: 遊馬瀬りど
第3章「四校統一大会編」
73/111

第72話「それぞれの夜」

★☆★☆★



 記憶が宿り眠る深層から浮上しつつある意識は、閉じられた瞼を通して淡い光を知覚した。

 その先の光を感じて、まるで朝の目覚めのようにゆっくりと瞼を開いていく。

 最初に瞳に映ったものは、見たことのない白い天井だった。

 ここはどこだろうと考える。

 覚醒し始めた意識で直前までの記憶を辿り、鶴木真は自身の置かれた状況を理解しようとしていた。


「ようやくのお目覚めかい、ツルギ」


 しかし彼がそうするよりも先に、最近では聞き慣れた声が耳に入ってきた。

 気怠そうに首を動かして顔を向けると、鶴木の想像どおり、そこにはスフィアの姿があった。


「ああ、そのままでいいよ」


 身体を起こそうとした鶴木だったが、スフィアがそう言って制するので素直に従うことにした。

 正直な話、何をするにも気力が湧いてこなかったので彼女のその言葉は有り難かった。


「覚えていると思うけれど、キミはカツラギの『夜』に取り込まれたことで、五感だけじゃなくてあらゆる『力』も奪われている状態なんだよ。まあそれも一時的なもので、もう弱まってはいるみたいだけれどね」

「……会長……決勝戦は、どうなったんですか?」


 鶴木は開口一番にそう尋ねる。思考するのも億劫だったのだが、それだけは聞いておかなければならなかった。


「ワタシたちは負けたよ」


 何の装飾もなく直球的なスフィアの言葉は、鶴木の意識に溶け込むように自然と入ってきた。


「……そう、ですか」


 鶴木は見覚えのない天井の方に顔と視線を戻しながら呟く。

 『キミたち』ではなく『ワタシたち』と言ったスフィアの言葉が重く突き刺さる。

 そうだ。この戦いは自分たちの戦いであると同時に、学園同士の戦いでもあったのだ。自分たちが負けたということは、すなわち、鷹津封術学園が他校に負けたということで……。


「――おや?」


 敗北したことでその重みを受け止めた鶴木の瞳には、いつの間にか涙の粒が浮かんでいた。きっとスフィアはそれに気づき、怪訝そうな声を出したのだろう。

 だけども彼の眼は溢れ出る涙で霞んでスフィアがどんな表情をしているかわからなかった。

 涙を止めようにも、動かそうとした腕は丸太のように重く、顔を逸らそうにも力が入らなかった。


「悔しいのかい?」


 スフィアの声が聞こえる。この場には彼女しかいないのだろうか。鶴木は静かな涙を流すことで彼女の言葉を肯定した。


「それはそうだよね。負けたら誰だって悔しいに決まってる。悔しくないという人がいたら、その人は最初から勝負を捨てているとしか思えないし、そんな人にはそもそも誰かと戦う資格なんて与えられないんだよ」


 今度の言葉は少し長く、鶴木はなかなか彼女の話を理解できずにいた。だからなのだろうか、スフィアが次に口を開いたのはそれから少し間を置いてからのことだった。


「そして敗北の悔しさを知らない人間は、決して真の強さを手に入れることなんてできないとワタシは思う」


 しみじみとそう言うスフィアの言葉は、まるで過去の自分を振り返っているかのようだった。

 午前中に行われた『螺旋の球形(スフィア・クリスタル)』で他者を寄せ付けないほどの実力を見せたスフィアの技量に関しては、もはや疑う余地もない。彼女が誰かに敗北する姿なんてまるで想像もつかなかったが、鈍くなった思考ではそれ以上深く考えることができなかった。


「負けなければ、人は本当の意味では学ばない。『失敗は成功の母』という言葉を知っているかい? 実を言うとね、ワタシはこの言葉が好きなんだよ」


 飄々としていて何事にものらりくらりとこなしてしまいそうなスフィアがそれを言うと、どこかちぐはぐでおかしく思える。

 本人もそれを自覚しているのだろうか。スフィアが小さく苦笑した。


「キミの家は『星鳥の系譜』に連なる封術師家系の名家で、序列第八位の鶴木家だ。そんな『星鳥』の一員たるキミが今年から封術学園の学生となり、対外的にも対内的にも正式な封術師見習いとなったことで周囲から注目され、期待もされていたはずだ」


 そのとおりだ。

 産まれたときから封術という技術が身近にあり、幼い頃から封術の何たるかを学び、入学以前から装具を得て技術を磨いた。


「だけどキミは模擬戦で同級生のシュウヤに敗北した。定期考査の成績でもシュウヤやセイナに及ばなかった」


 そのとおりだ。

 『星鳥』の一員でもないのに、自分と同じ年齢で自分よりも高い技量を持つ学生がいるなんて考えもしなかった。自分よりも封術の知識に詳しい学生がいるなんて考えてもいなかった。


「そして今回、キミは決勝戦でカツラギとの対人戦で敗北した。それはキミ自身の敗北でもあり、さらに言えばチームの敗北でもあり、競技における学園の敗北でもあった」


 そのとおりだ。

 若干記憶が曖昧だったが、自分が脱落する前までは点数の上では勝っていたはずだ。もしも自分が脱落しなければ人数比が二対三となることもなく、結果は変わっていたかもしれない。


「そうして現在、こうしているキミ自身は、つらくて苦しくて情けなくてやるせなくて惨めでやりきれなくて胸が痛くて悲しくて悔しい。そう思っているのだろう?」


 そのとおりだ。

 言葉もない。


「よかった」


 優しく響いたその声に、鶴木は自然と顔を傾けていた。瞳に溜まっていた涙の雫が頬を伝い、ベッドに新しい涙の染みを作った。


「『妖精の尻尾』で皆がキミにどんな活躍を期待していたのか、ワタシには知る由もないけれどね。ワタシは今回の競技でキミが負けてくれて、良かったと思っているよ」


 ぼやけた視界に映るスフィアの顔が微笑んでいるように見えたのは気のせいではないのだろう。

 酷い先輩だと思いながらも、それでも何故か鶴木は嫌な気持ちにならなかった。


「高い意識や志を持つことはもちろん大切なことなのだけれど、物事というのはいかなるときでも柔軟に捉えないといけないんだ。この現実にしたってそうだよ。事実から目を背けていては何もわからないし何も変えられない。変化は現実の中にこそあって、真実は変革する現実の中に巧みに隠されているのだからね。……キミにはもう、ワタシが何を言いたいかわかるよね?」

「……はい」


 鶴木は震える声で返事をする。

 葛城の封術によって奪われていた活力が徐々に戻りつつあるようだった。


封術学園(ここ)には、ツルギ以上に優秀な封術師の見習いがたくさんいる。ツルギがそんな彼らよりも強く有るためにはね。その現実を認めて、事実を捉えて、真実を見定めないといけないよね。その上で――」


 今度こそ、鶴木にはスフィアが微笑んでいる姿がはっきりと見えた。


「その上で――キミはキミ自身を始めていけば良いんだよ」


 止まりかけていた涙がいつの間にかまた溢れ出していた。人前で涙を流したのはいったい何年ぶりだろうか。そんなことを考えられる程度には思考する能力も回復していたが、それでも鶴木は涙をぬぐうことをせず、そのままでスフィアの言葉を聞いていた。


「幸い、キミの周りには興味深い同級生がたくさんいるしね。それにたった一度きりの学生生活だよ。同級生と一緒に笑いあったり怒ったり、ときには泣いたりもして楽しく過ごさないとね」


 あぁ……まったく。

 本当にどうして、スフィア会長も火浦先輩も、こんな自分に構ってくれるのだろうか。


「まあ今のところはキミも、そしてチカゲも本当に良く頑張ったよ。同じ治安維持会の会長としてだけじゃなく、鷹津封術学園の学生としても、誇らしいよ」


 それに、とスフィアは不敵な笑みを浮かべた。


「『妖精の尻尾』で優勝できなくても、四校統一大会はまだ終わったわけじゃない。キミたちの仇はワタシが『螺旋の球形』でとってみせるよ」


 あぁ。

 それは本当に、頼もしい言葉だった。



★☆★☆★



 『妖精の尻尾』男子決勝戦が終了してから数時間後。

 ホテルの自室に戻った秋弥がベッドに腰を下ろして今後の日程を振り返っていると、彼の正面で淡い証明(エリシオン)光が発生した。

 その光の中から顕現したのは、真紅のワンピースを身に纏った高位隣神リコリスだ。顕現時の座標を少し高めに設定していたのか、スカートの裾をふわりと揺らしながら音も立てずに床に降り立った。


「……秋弥様ぁ」


 うつむき、下目遣いでこちらを見詰めるリコリス。


「どうした?」


 

 するとリコリスはためらいがちに二度、三度と視線を向けてから口を開いた。


「最近の秋弥様、いろんな人間のことばかり考えてる。この間まではそんなこと全然なかったのに」

「あぁ……」


 確かにこのところは四校統一大会で出場する学生たちのことばかり考えていた。そしてそのことは意識の深い部分を共有しているリコリスにも筒抜けなのであった。

 それでリコリスの様子が変だったのかと秋弥は納得すると、


「……悪かったな。だけど、もう暫くの辛抱だから、な?」

「むぅ」


 あまり自分に構ってくれないからむくれているようだ。口を尖らせている様子が可愛らしくもあったが、どうやら言葉だけでは許してくれそうにないらしい。


「困ったな……。それじゃあ、何か俺にしてほしいことはあるか?」


 試しにそう言ってみると、リコリスの表情がぱぁっと綻んだ。


「あのね、秋弥様……えっとね」


 いったいどんな『お願い』が飛び出してくるのか。自分に叶えられる範囲であれば良いのだけれどと秋弥が考えているうちに、リコリスが小さな歩幅で秋弥の正面までやってきた。そしてその場で百八十度振り返ると、ベッドに腰を下ろしていた秋弥を背もたれにするようにして体重を預けながら、彼の足の間にちょこんと座ったのだった。


「えへ~」


 そうしてこちらを見上げたリコリスが無邪気な笑みを見せる。背が低いので浮いてしまった足をぷらぷらと揺らしていた。

 どうやらこれがリコリスの『お願い』だったようだ。

 それからリコリスが満足するまでの間、秋弥はリコリスの小さい身体を胸に抱くようにしたまま、デバイスを再起動して途中だった作業に戻った。

 ときおりリコリスの頭の上にあごを乗せたりすると「重いよ~」と言うのでちょっと楽しい。

 第三者に見られたら少々勘違いされかねない状況だったが、両者に後ろめたいことは何一つないので問題ないだろう。いずれにしてもこの部屋は秋弥の個室なので何も心配することはない。


「あっ」


 そうしてから十数分が経った頃、リコリスが不意に小さな声を出した。

 何事かと視線を下に向けた秋弥だったが、リコリスの視線が秋弥の左腕に向いていたのに気づいて、彼は自分の左腕――そこに嵌めていたブレスレットを見た。

 すると、デバイスが微かに発光していた。

 否、正確にはデバイスとしての機能を持つブレスレット本体ではなく、そこに付随している拡張ユニットの方が淡い橙色に発光していたのである。


「……」

「秋弥様、これって確か――」


 リコリスがデバイスに顔を寄せる。発光していたのはほんの少しの間だけで、それは既に収まっていた。


「……リコリス、周辺に隣神の存在はあるか?」


 秋弥が険しい表情でそう問うと、リコリスはその理由を尋ね返さずにすぐさま瞳を閉じて意識を集中させた。


「――うぅん……何かが通った跡はあるけど、もうこの辺りにはいないみたい」

「そうか」


 秋弥は緊張を解くと息を吐き出した。

 デバイスの拡張ユニット『コア・ルミナスキューブ』――それは数週間前にふらりと帰ってきた母親が試作した、異層領域を検知できるという特殊な装置だ。

 そのときにはうまく機能していないように見えたのだが、どうやらきちんと動作していたということらしい。

 まったく己の母親ながらその技術力には感服するが、それを喜んではいられない。

 リコリスの言葉によると既に遠ざかっているようだが、四校統一大会が行われているこの場所に、本来ならば不文律であるはずの重層領域を共振させるほどの隣神が顕現するようなことになればパニックは避けられないだろう

 それこそ、昨年度の四校統一大会以上の事態にだってなりかねないのだから……。


「リコリス、もしも何かの存在を感じ取ったらすぐに俺に伝えてくれ」

「うん」


 しかしながら今自分たちにできることは、もしもに備えて警戒することしかない。

 秋弥はその意思をリコリスに伝えると、念のためにとアプリを立ち上げ、役員名簿の先頭にある宛先に向けてコールしたのだった。



★☆★☆★



 四校統一大会の開催地から離れた某所のホテル。

 そこで雑談をしている双子がいた。

 二人は瓜二つの外見をしていたが、性格はまるで異なるようで、一方は丁寧な口調で、一方はさっぱりとした口調で話をしていた。


「予想どおり『妖精の尻尾』は烏丸封術学園が優勝したね、奏お姉様」

「えぇ。ですがそれも当然のことです。だって、『妖精の尻尾』は烏丸封術学園の選択競技なのですから」

「うん。最初から優位に立っていたのに、負けるわけにはいかないよね」

「そのとおりですわ、雅お姉様」

「でも驚いたな。まさか烏丸封術学園の学生会長が烏丸家の封術式を使うなんてね。奏お姉様は知っていたかい?」

「いいえ、わたくしも知りませんでした」


 月宮奏が首を横に振ると、月宮雅が安堵したように胸をなで下ろした。


「そうだよね。僕が知らなくて奏お姉様が知っていることなんてないよね」

「ええ、わたくしが知らなくて雅お姉様が知っていることなんてありませんわ」

「僕が忘れっぽいことを除けばね」

「わたくしの物覚えが良いことを除いて」


 二人は同じ顔でクスクスと笑う。


「だけどまあ、そういう隠し球を用意していないと烏丸封術学園が勝つのは難しかったかもね。烏丸封術学園の学生自治会長と戦っていた鷹津封術学園の鶴木真だっけ? あの選手の捕縛術式は相当使い慣れた感じだったし、装具も見たことのない形をしていたよ」

「雅お姉様。鶴木真様は『星鳥の系譜』に連なる家系――序列第八位、鶴木家の者ですよ?」

「あー……そういえば、どこかで聞いたことがあるようなないような気がしてきたよ。でもそうなんだ。あの人も『星鳥』の一人だったんだね」

「えぇ。それに鶴木真様は現在鷹津封術学園の一年生。わたくしたちの一つ上になります」

「んん……あぁそうか、それで覚えていたんだ。一年生での出場は確か、彼ひとりだけだったよね」

「えぇ」

「それなら彼ともいずれは戦う機会がありそうだね――残念ながら烏丸封術学園の学生自治会長は今年で卒業してしまうわけだけれど」

「もう嫌ですわ、雅お姉様ったら。葛城俊輝様は学舎を同じくする学生ではありませんか」

「あは、そうだったね」


 それはそれとして、と雅は話を戻した。


「『妖精の尻尾』は男女両方とも烏丸封術学園が優勝したわけだから、これで烏丸封術学園(からすま)が総合順位で頭ひとつ飛び出した感じになったね」

「えぇまあ……とはいってもまだ二つの競技しか終わっていませんから、総合順位なんてほとんど横並びなのと同じですわ」

「そうかもしれないけど、でももう『事象の地平面』は決勝トーナメントの組み合わせが決まっているし、『螺旋の球形』にしたって予選試合は消化し終えているわけだから、これでもう半分以上の競技が終わったようなものだよ」

「それはそのとおりですが……。実際問題、『事象の地平面』はトーナメントの組み合わせが決まっただけで、実際に順位付けされるのは明日のことです。『螺旋の球形』も予選で脱落したのは烏丸封術学園だけで、残りの三校は一名ずつが決勝戦に進んでいますよ?」


 奏がそう考察すると、雅は首を捻った。


「うぅん、そう言われると確かにまだまだわからないか」


『なァ……その話の一体何がそんなに楽しいんだァ?』


 と、突然二人の会話に割って入る声があった。


『俺には全然わからねぇなァ。人間の遊戯ってやつはよォ』


 同じ顔の二人が揃って声のした方へと顔を向ける。

 二人の視線の先には、開けた覚えのない窓の枠に座って頬杖を突いた男性の姿があった。


『おいおいおいおい、ただでさえお前ら人間はほとんど見分けがつかねぇんだから、似たような顔を俺の方に向けるなよなァ』


 男性が苛立ったように言う。男性と顔見知りだった双子は彼の反応につい笑ってしまった。


「しょうがないじゃないか、僕たちは双子なんだから」

「仕方ありませんわ、わたくしたちは双子なのですから」


 チッ、と男性が舌打ちをする。これ以上月宮の双子を見ているとストレスで爆発しかねなかったので、視線を雅の方に固定することにした。


「ところで、貴方様はわたくしたちに何かご用があっていらっしゃったのですか?」


 声を発したのは雅の隣にいる奏だったが男性はそちらには一切目もくれず、雅に向かって答えた。


『あァ? んなわけねぇだろうが。たまたまお前らの存在を見つけたから、ちっと寄ってみただけに決まってるじゃねぇか』


 ふぅん、と雅が適当な相槌を打った。


『そうしたらよォ、お前らがくだらない話ばっかしてっから、退屈すぎてつい口を挟んじまったってだけだ』

「ん、つまらない話だったかな? 僕は面白いと思うけれど……奏お姉様もそう思うよね?」

「もちろんですわ、雅お姉様」


 すると、男性は再び舌打ちをした。


『お前らにとってはそうなのかもしれねぇけどなァ、そもそも俺は脆弱な人間共の話なんかこれっぽっちも興味ねぇんだよ。なのに、奴ら(・・・)ときたら……』


 男性が悪態を吐くが、それで双子が気分を害するようなことはなかった。

 むしろ男性がそう感じている理由がわかっている様子で、顔を見合わせて笑いあった。


『それにしてもよォ。ついこの前もお前ら人間は同じような遊戯をしていたよなァ? それって何か意味があるもんなのかァ?』

「この前っていつのことさ」


 四校統一大会のことを言っているのだとは思うが、大会は一年に一度しか開催されない。男性の言い方はどこか不自然だった。


『ったくホントによォ、何がそんなに楽しいのか俺にはちっともわからねぇけどよォ』


 男性が窓枠に手を突いて降りる。そして唐突に掌に蒼い炎を創り出すと、


『ホント懲りねぇよなァ、お前ら人間はよォ』


 そうして言いたいことだけ言い終えた男性の全身を蒼い炎が包み込むと、彼は双子の目の前から一瞬にして存在ごと姿を消したのだった。


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