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封術学園  作者: 遊馬瀬りど
序章
1/111

第0話「はじまり」

★☆★☆★



 世界はひとつではなく、いくつもの世界同士が重なり合うようにして同一空間領域に多重構造を成すという創造理論——世界多重層構造(レイヤホロウモデル)が提唱されたのは、そう昔の事ではない。

 その理論に基づいて「幽霊を視る力」や「神の声を聴く力」は、現層世界(この世界)とは異なる世界(異層世界)を認識するための力——異層認識力(オラクル)と総称された。


 封術。


 それは、かつて超自然現象や奇跡、超能力、魔法と呼ばれていたもの。

 それは、科学でも魔術でも錬金術でもないもの。

 それは、星のすべての情報体を構成している九つの原質(メディオン)を操作し、改変する技術である。


 事象を改変するためには、世界と密接に関係し合わなければならない。

 ゆえに封術を行使する者——封術師は、異層に干渉できるほどの高い異層認識力をその身に宿している。

 しかし、異層認識力の高低は血統や才能によるところが非常に大きい。


 生まれや育ち、生来の能力。


 この世界には何ひとつ、平等なものはない。


 封術は残酷なまでに精緻に組み上げられた『世界』というシステムによって構築されている。


 鷹津封術学園。

 

 そこは日本でわずか四校のみ存在する、封術のプロフェッショナルを育てる国立の高等専門学校である。

 そこには様々な目的や思想をもって、封術師を目指す若者たちが集う。

 それは彼においても例外ではなかった——。



★☆★☆★



 スクランブル交差点の中心に少女はたった一人で立っていた。

 周囲には少女以外の人影はおろか、車の一台すら存在しない。

 だがそれを訝しむ以上に、少女の周囲には異様な光景が広がっていた。


 たとえばそれは、墨で真っ黒に塗りつぶしたような窓ひとつない建物。何の商品も並べられていない商店。すべて赤色の信号機。カラフルに発光する街灯。歪曲(わいきょく)した時計盤。逆さまの広告塔。枝も幹もない、若葉のみの街路樹。

 スクランブル交差点を描く白線と少女を除く何もかもが、現実的ではない世界。

 しかし少女は混沌とした世界をすんなりと受け入れることができた。

 この世界は、少女の夢の中だからだ。

 生物が夢を視るメカニズムについては、少女が生まれるよりも以前に、解明されている。


 原質(メディオン)——『(ムーレ)』『(ジャラム)』『(アグニ)』『(ヴァーヒ)』『(ヴィクシェーパ)』『虚空(シューニャ)』『(マナス)』『理性(チッタ)』『自我意識(チュータナー)』の配列パターンで構成される森羅万象の情報体は、外的な刺激によって得られる膨大な情報を完全な状態では保持しておく事ができない。

 そのため、情報体は外的情報を断片化して記憶の一時領域に格納しており、断片化された情報は脳が休眠(トランス)状態にあるとき、『すべての答え』とも言われている『星の記憶』にアクセスを行い、断片化された情報を最適化して脳の記憶領域に保存し直している。

 つまり、少女が見ている混沌とした光景は、無意識の集合体から取り出された断片情報が完全な形を成す前の状態というわけだ。


 この混沌とした場所に来るのは、もう何度目になるだろうか。

 眠りにつくと、この世界に訪れることがある。

 混沌とした見知らぬ街で、しばらくすると《あれ》がやってくるのだ。

 月と太陽が重なり、ダイヤモンドリングを生み出している夜空を背景にして——。


 異形の怪物が、音も無く姿を現した。


 ほとんど球体の胴体に二本の腕を生やし、右手には鋭い剣を握り、左手には長方形の盾を構えている。脚部や頭部に当たるパーツは見られないが、球体の表面で怪しく発光している四対の赤い点が、怪物の瞳なのかもしれない。

 その光が規則的に揺れている。どうやら球体の全体が波打っているようだ。

 横に並んだ奇形な建造物と怪物の大きさを比較する。宙に浮いているため判断は難しいが、怪物との距離も考えれば身の丈は二メートルほどになるだろうか。


 異形の怪物。


 少女はその正体を知っている。



 ——隣神(りんしん)



 それは、現層世界(このせかい)と重なり合うようにして存在する、異層世界(べつせかい)に住む生物だ。

 重層する世界はそれぞれに『エリシオン光波長』と呼ばれる波長の固有振動数を持っている。エリシオン光波長は星の記憶領域に論理的な領域(パーティション)を構築してそれぞれの世界を形成しており、互いに干渉することなく同一領域内で共存しあっているのだという。

 しかし、何らかの外的圧力や超自然現象などによって固有振動数に微小な変化が生じてしまうことがある。このとき、一時的に現層世界が異層世界と部分的な共鳴、共振を起こして星の不文律が崩壊する。

 そのとき、現層世界に隣神が顕現する——。


 異形の怪物——隣神の四つの光が少女を捉える。

 右手の剣で左手の盾を打ち鳴らし、その場で駒のようにクルクルと回転しながら浮遊を開始した。

 隣神はゆっくりと少女に向かって進み出す。

 だが、少女は動かない。

 動けない。

 釘付けにされたように、交差点の真ん中で呆然と立ち尽くす。

 少女は無意識に、左手で胸を押さえた。

 必殺の威力を持った凶刃を回転させて、隣神が少しずつだが確実に前進を続ける。

 隣神は確実に少女を殺そうとしている——貪欲な赤い光から、その強い意志の力を感じ取ることは容易だった。

 もしも夢の中で無残に殺されたとしても、現実で死ぬことはない。だが、強烈な死のイメージを受けた場合、肉体は無事だったとしても、精神的な死を向かえることはあるのだろうか。

 少女にはわからない。

 考えても詮ないことだ。

 音が失われた世界で、不規則に振り回された鋭利な刃が空を切る音が聞こえる。

 あとわずかで、少女に届きそうな距離まで凶刃が近付く。


 だがしかし、その殺意の塊が少女へと届くことは永遠になかった。


 眼を見開いた少女の眼前で、隣神の刃が不可視の壁によって阻まれた。

 少女の左手には、いつの間にか棒状の何かが握られていた。長さは五十センチほど。木の枝を加工して蔦を巻いたデザインのそれは、先端部がわずかだが膨らんでいる。宝石や金属による華美な装飾は一切見られないが、それは紛うことなき『杖』だった。


 少女は杖に意識を集中させる。

 無意識領域で構成した新たな情報体を、杖を媒体にして外部へと投影する。

 世界を満たす情報体——その根源たる原質が配列パターンを組み替え、少女の構成した情報体へと変貌し始める。事象の改変に伴い、情報体を記録、記憶するエリシオンの過剰光(オーバレイ)が少女と隣神の間で発生した。

 夜の帳が下りた世界に、光が満ちる。


 空も月も太陽も建物も街灯も地面も空気も隣神も何もかもが、光の圧力に飲み込まれた。




 少女は寮のベッドで目を覚ました。

 ゆっくりとした動作で上体を起こすと、ベッドに腰掛ける。

 時間を確認するため、壁にかけられた時計へと眼を向けた。暗い室内で文字盤の上の針がうっすらと浮かび上がる。


 目覚めるにはずいぶんと早い時間だった。

 しかし、夢の中で異形の怪物に襲われた直後で、もう一度眠る気にはなれなかった。

 少女は指を組み、掌を上向けて天井へと腕を伸ばした。


「うぅ〜ん」


 と、声に出しながら伸びをする。暗闇に徐々に眼が慣れてきたところで部屋の灯りを点けた。

 初めて夢の世界に隣神が現れてから、どのくらいが経っただろうか。

 何故、隣神が夢の中に現れるのか。

 何故、何度倒しても姿を変えて現れるのか。

 それに最近では、隣神が夢に現れる頻度が増してきているような気がする。

 杖と封術を使えば隣神を退けることは容易なのだが、何よりも、当面の問題は最近寝不足気味になっているということだ——昨日も授業中に少しウトウトしてしまったことを少女は思い出した。

 少女は肌寒さを感じて、部屋着の上からカーディガンを羽織った。白いファーにリボンのついたスリッパを履いて、末端の防寒も整える。

 春を迎えたとはいえ、今は一番冷え込む時間帯だ。体調を崩してしまわないように気を配っておくに越したことはない。


 少女は勉強机の椅子を引いて腰を下ろす。

 頬杖を突き、友人が旅行の土産でプレゼントしてくれたスノードームをぼうっと眺めた。これもそろそろ片付けなければと思い、だけどもう少し経てばその必要もなくなるということを思い出す。


 もうすぐ少女は、この寮を出て行く——。

 幼稚舎から大学院までの一貫校である聖條女学院せいじょうじょがくいんの高等部へと進学することなく——少女は退寮するのである。

 しかしそれは、少女自身が望んだことだった。

 机の上に置かれたカード型の携帯端末(デバイス)に視線を移す。

 スタンバイ状態のデバイスから十数センチ離れた空中に、小型のホログラムウィンドウが常時展開されていた。

 そこに新着メッセージを告げるポップアップが一件、表示されている。

 指を伸ばしてポップアップに軽く触れる。スタンバイ状態が解除され、画面が少女の見やすいサイズへと切り替わった。


 それは、鷹津封術学園への入学案内だった。



★☆★☆★



 ——二〇五三年三月末。

 冬の肌寒さをまだ少し残しながらも気温は徐々に暖かさを増し、新たな生命が芽吹き始める季節へと移り変わろうとしている頃。


 月が地平線の彼方へと沈み、それと入れ替わるようにして陽が顔を出そうとしている。

 かすかに覗いた陽の光に照らされた朝靄の向こう。早朝の神来町を灰色のジャージ姿でランニングをするひとつの影があった。

 少年の姿をしたその影が吐き出す息は、白い。

 暖かくなり始めたといっても、陽が昇っていない時間帯では、時折吹き抜ける小さな風でさえもジャージ越しに風の冷たさを感じた。

 緩やかに流れる河川を右手に見ながら、アスファルトで舗装された土手を駆ける。たまに、彼と同じようにランニングをしている人や、手綱を握って動物の散歩をする老人、今の時代ではさして珍しくもなくなった電気自動車とすれ違った。


 ふと、視界を横切った影を追って河川へと眼を向ける。

 陽の光を感じて水面へと上がろうとしていた魚を求めて、何処からともなく青鷺がやってきたのだ。

 水しぶきが跳ねる。狩人となった一羽の鳥は、一瞬の交錯でエサを手に入れた。

 加速の慣性を殺しながら浮島に降り立った青鷺を一瞥して、少年は視線を正面へと戻す。

 草木が擦れ合う音がやけに響いて聞こえる。

 今日は一段と静かだ。

 ランニングコースとなっている土手は途中で二手に分かれている。一方は河川のさらに上流に向かって続いているが、そちらは目的のルートではなかった。

 だけど、もしもこのまま上流へと向かって走ったら自分は何処までいけるのだろうか、と思考の隅で考えてみる。そんなつまらない感慨に浸れる程度には、まだ体力に余裕が残っていた。

 思考を切り替える。

 もう一方の道は住宅街へと繋がっている。そちらが少年のランニングコースだ。緑成分の多かった河川と比べれば、さながらコンクリートジャングルといったところだろう。高層ビルやマンションはほとんどないが、ブロック塀で囲まれた一軒家が規則正しく並んでいると、不思議と息苦しさを覚えてしまう。

 と、何処かで犬の鳴き声が聞こえた。

 この鳴き声はランニングの終点が近付いていることを知らせるサインだと、少年は勝手に思っている。その実態は、朝の寒さに眼を覚まし始めたところにアスファルトを叩く足音を耳にして、条件反射で吼えているだけなのだが——申し訳ないことをしてしまったという自覚はあるが、どうせ眼を覚ますのならば同じだろうとも、少年は思っていた。

 道を曲がったことで陽の向きが変わると、似たような景色が続いていた住宅街に色が生まれた。

 平屋はない。ほとんどが二階建ての標準的な一軒家だ。

 やがて、ランニングの時間も終わりを告げる。

 スタート地点にしてゴール地点である少年の自宅まで残り二百メートルもない距離だ。

 ラストスパートの必要はない。

 今の少年にとって重要なのは、一定のペースを保ち続ける持久力だ。

 もちろん、必要なときに必要なだけの力を発揮することも大切だとは思う。そこはケースバイケースだろう。それを否定するつもりはない。

 そんなことをゴール目前で考えていると、まるで少年がランニングから帰ってくる時間を見計らっていたかのようなタイミングで、一人の女性が漆塗りの門扉を開けて玄関から姿を現した。

 その姿が視界に映ると、少年の表情に自然と笑みが生まれた。


「おかえりなさい、秋弥」


 女性は冬の寒さを一瞬で暖かな春へと変えてしまいそうな柔和な笑みを浮かべて、ランニングを終えた少年——九槻秋弥(くつき しゅうや)に汗ふき用のタオルを手渡した。


「……ふぅ。ありがとう、姉さん」


 秋弥はタオルを受け取って、姉——九槻月姫(くつき かぐや)に礼を言う。

 流れ出す汗をタオルで拭いながら、開いたままの門扉を抜けて家の中に入る。

 月姫は秋弥の数歩後ろをゆっくりとした足取りで付いてきた。

 毎朝ランニングから戻ってくる時間になると、姉は決まって玄関前で出迎えてくれる。だが、何故かいつも彼より先に家の中へと戻ろうとはしなかった。今日もその例に漏れず、背後に月姫の穏やかな笑みと視線を感じながらも、理由を尋ねたところで適当に流されてしまうことは想像がついていたので、秋弥は気にしないことにした。


 玄関口でランニングシューズの靴紐を解く。

 ジャージの下に着ていたTシャツが運動を止めたことで噴き出した汗を吸い込んで肌にぴたりと張り付いている。不快な気分を覚えるのにはそれだけで十分だった。


「汗ばんで気持ち悪いから、ちょっとシャワーを浴びてくるよ。朝食は先に食べてて」


 月姫に声を掛けてから、秋弥は自室のある二階へと向かった。

 標準より少しだけ大きい二階建て構造の一軒家が、九槻家三人家族の住まいだ。

 三人——父親は姉弟がまだ幼い頃に巻き込まれた事故によって他界している。研究者である母親は多忙なのか、仕事好きなのか。詳しい理由は不明だが自宅に帰ってくることは滅多にない。

 そのため、実質的には秋弥と姉は二人暮らしをしているようなものだった。


 秋弥は自室のクローゼットから着替え一式を揃えて部屋を出る。

 洗面所で脱いだ衣類を洗濯機に投入すると、浴室に入った。

 接触式インタフェースを操作して水温を適当な温度に調節する。冷水が温水へと変わるのを待ってからシャワーで汗を流し落としたのだった。




 月姫はダイニングとキッチンの間を行き来して朝食の準備をしていた。

 放任主義——と言えば聞こえは悪いかもしれないが、家事全般が全くできない学究肌の母親を持つ九槻家では、姉弟揃って人並み以上の家事を行うことができる。

 しかし、最近では家事全般を月姫が一人でやってしまうため、秋弥の出る幕はほとんどなくなっていた。

 先に食べていて良いと言ったはずなのだが、姉は秋弥が来るのを待っていたのだろう。

 テキパキと無駄の無い所作で配膳を行う月姫の様子を眺めていると、秋弥の存在に気付いた月姫が微笑みを向けた。


「もう少しで用意ができますから、座って待っていてね」


 抜群の威力を持った月姫の笑顔に秋弥が抗えるはずもなく、引き寄せられるようにダイニングテーブルへと足を運ぶ。

 椅子に座る前にテーブルの上に並べられた朝食に眼を移した。今日の朝食はフレンチトーストとホウレン草のソテーだった。


「それではいただきましょうか」


 朝食の準備を終えた月姫が正面の椅子に座るのを待ってから、彼女の声で互いに合掌をする。

 フレンチトーストをナイフで適当なサイズに切り分けてからメイプルシロップをかける。口に運ぶと、そのほどよい甘さで口内が満たされた。


「美味しいよ、姉さん」

「ふふ、ありがとう。そう言ってもらえるだけで、作った甲斐がありますね」


 月姫が口元に指の背を当ててコロコロと微笑んだ。

 月姫は早朝ランニングを日課としている秋弥に合わせて、毎朝早起きしては朝食を作っている。それを迷惑だと思ったことは一度もないのだが、自分に構わずもう少しゆっくり休んでいてほしいというのも、秋弥の偽らざる本音だった。

 しかし、それを口にすると月姫は決まって——、


「私が好きでしていることなので、秋弥は何も気にしなくて良いのですよ」


 と言うものだから、本人の意思を尊重すべきだろうと思う。


「秋弥が中学校を卒業してから、今日で一週間ですね」


 食後のコーヒーを味わっていたときに、唐突に月姫が言った。


「ん……あぁ、もうそんな経つのかな」


 カレンダーを眺めながら、まだそれだけしか経ってないのかと内心で思い、適当な相槌を打つ。


「卒業式では桜、咲かなかったですね」

「この季節に咲くほうが最近じゃ珍しいだろう。四月になっても結構寒いし、この調子だと高校の入学式でも咲かないと思うけどな」

 何気ない言葉だったが、入学式というフレーズに月姫がわずかに反応した。

「まあ、それはとても残念ですね。秋弥のせっかくの晴れ舞台なのに……」


 呼吸をするようにさり気なく言った月姫の言葉を、秋弥は危うく聞き逃しそうになった。


「……えっと、晴れ舞台って何の?」


 思わず聞き返してしまう。

 面倒事の匂いを嗅ぎ取って秋弥は小さく眉根を寄せたが、そんな彼の様子には気付かず——あるいは意識的に見ないフリをして——月姫は一転して心底嬉しそうな笑みを浮かべると、右腕を軽く持ち上げた。

 その細腕にはブレスレットが嵌められている。単なるアクセサリーではない。細い環状には装飾や模様の類は一切見られないが、合成軽金属特有の磨き上げたような銀の材質は、一目見て高価な物であるとわかる。


 それは、ブレスレット型の高性能多機能携帯端末(デバイス)だった。


 月姫がブレスレットの表面を細くしなやかな指で軽くなぞると、可視化されたホログラムウィンドウが展開された。

 そこからいくつかの操作を行ってホームサーバーへと接続をすると、新たに開いたウィンドウにホームポストを表示させて、秋弥に見せた。


「今朝、鷹津封術学園からメールが届いていました。ファミリーネーム宛でしたので中身を確認したところ、こんな内容が——」


 秋弥の目線が電子書面を追っていることを確認してから、月姫は指先で目的の箇所に輝線を引いた。

 そこには次の文章が添えられていた。

 

『九槻秋弥殿 貴殿を第十三代新入生総代として、入学式の答辞をお願いしたく——』

4/14:文章校正

2013/01/02 可読性向上と誤記修正対応を実施

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