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wish0-sequel:その日の天宮家  登場人物紹介その1

side:seito


あのクサレシスターとのいざこざが一通り終わった後。

俺はある重要な問題に気が付いた。


「てゆうか、親にどうやって説明すりゃいいんだ…?」


いきなり壁に直面した感じだ。

うちの家族構成は父母俺妹の四人家族、典型的な核家族世帯だ。

しかしこのままでは父母俺妹シスター(?)になってしまう。

かといって追い出すにもパソコンから出てきたような奴に行き場なんてあるはずがない。

…どうすりゃいいんだ。


「まかせて聖人、私の得意技は催眠術よ!」

「お前はちょっと黙ってろ」


ますますシスターらしからぬ発言が出てくるが、今はいちいちこいつのエセシスターっぷりにツッコむ余裕はないのでスルーし、再び試行錯誤しているとドンドンと階段を上がってくる音が…。

ま、まずい…。


「聖人、そろそろ夕飯…」


俺、終了のお知らせ。

もはや言い訳を考える暇すらないほどのお袋のバッドタイミングに俺は固まってしまった。

お袋はエリィに目をやると、なぜか笑顔でになり思いもよらないことを口にした。


「あら、聖人の部屋にいたのレミィちゃん。引越してきて初日だから落ち着かないのかしら?」

「そうなんですお母様~」

「もう片付けは済んだ?」

「はいお母様、おかげさまで」

「まぁ~お母様だなんて~気軽に玲子って呼んでいいからね」

「はい、玲子おば様」


「ち、ちょっと待て!」


「どうしたの聖人?」

「どうしたのじゃねーよ! なんでお袋は普通なんだよ? なんでこいつがいるのが疑問に思わねーんだよ!」

「何言ってんのアンタ。レミィちゃんは両親がいなくて孤児院で過ごしてたときに知り合って引き取るって言ってたでしょ? 全くアンタにも一度会いに行かせたでしょーが」


待て。

なにを言ってるんだお袋は。

まさか本当に催眠術!?


「ほんと、ゲームばっかりしてるから頭がおかしくなったんでしょーねぇ」

「そうなんですか? 聖人さんは私のこと覚えていなんですか?」

「ごめんね、こんな馬鹿息子で」

「私悲しいです…」


とか言って下に降りてった。



…もう訳わからん。



その日の食卓。


「さぁどんどん食べなさいレミィちゃん! 今日は君が始めて我が家に来た記念日だ! どーんと奮発したよ!」

「はい修介おじ様」

「はっはっは! おじ様だなんて呼ばれるのおじさん初めてだなぁ」

「レミィさんホントのお姉さんみたいで嬉しいです」

「私もよ璃生ちゃん」

「うちのバカ兄とチェンジでお願いします」

「ふふっ、そんなこと言わないの」


…なんなんだこの空気。

とても居づらいんだが。

ここ俺ん家のはずなのにとても居づらいんだが。


「アンタはさっきから何ぼーっとしてんの。食べないんならレミィちゃんにあげなさい」

「そーだ聖人、レミィちゃんに肉やれ肉! 年頃の女の子は肉食っておっぱい大きくしないとなぁーはっはっは!」

「アナタ」

「すみません」

「あはは…」

「ほらバカ兄、ぼーっとしてる暇があるなら私に肉をとりなさいよ」

「……………」


おかしくね?

なんかこれおかしくね?

レミィはさも家族のように団らんしてるし俺の扱いは悪いし…あ、これはいつも通りか。

とにかくこいつが来てから俺の生活がどんどん崩されていくような。


「バカ兄はやくっ!」

「聖人ちょっと酒買ってきてくれー」

「食べないんなら下げるわよもう」

「聖人さんの肉いただき…」


「リ…リアル反対ーーー!!」


俺は心の声を正直に叫んだ。





登場人物紹介その1

天宮聖人(アマミヤセイト)

7月7日生まれ。

聖人のような偉大で尊敬される人間になってほしいという思いを込めて名づけた両親の気持ちは裏腹に歪みに歪みエネルギーの使い方を悪い方向に存分に発揮した結果『二次元の帝王』とまで呼ばれるほどになった自他ともに認めるオタク。

だがオタクという唯一のバットステータスを除けば、容姿端麗才色兼備学力優秀運動神経抜群のパーフェクト超人。

しかしその能力は全てオタク活動に生かすために手に入れたものであるというオタクというステータスがこれほどまでに足を引っ張っているのが珍しい人間である。

その性格のため周囲から毛嫌いされており、また聖人自身も周囲を気嫌いしているために周囲との隔たりが生じていた。

しかしレミィが現れてから少しずつ変わり始めていく…。



●レミレーゼ・イーシア(レミィ)

誕生日不明。

正体不明の謎の自称シスター。

ある日聖人が偶然クリックした画像から現れた少女。

シスターと自称してはいるが聖人の前では言動などにシスターらしさを感じられず、たびたび聖人の頭痛の種となる。

しかし聖人と二人きり以外のときは完璧な猫被りっぷりで、あたかもお淑やかな女性もような言動を起こすのでこれも聖人の頭痛の種となる。

また特技が催眠術と豪語しており、敬意はわからないがその催眠術のようなもののおかげでレミィは現在正体がバレることなく天宮家で生活している。



天宮修介アマミヤシュウスケ

4月25日生まれ

一家の大黒柱で普段は自営業の喫茶店『Flower garden』マスターとして働いている。

セクハラ発言がたみに傷でよく怒られている。

また聖人がオタクになったきっかけを作ったのも実はこの人。



天宮玲子(アマミヤレイコ)

9月1日生まれ

修介の妻で聖人と璃生の母親。

修介と同じく『Flower garden』で働く。

主に厨房担当だがどうしても人手が足りないときにはウエイトレスもこなす。

本人曰くもう年なのであまり人前でコスプレじみたことはしたくないと言っているが修介曰く後10年はいけるとのこと。

料理の腕は確かで近所ではもっぱらの評判。

しかし昔はあまり素行がよろしくなかったとかかくなかったとか…。



天宮璃生アマミヤリオ

11月11日生まれ。

聖人の一つ年下の妹で聖人と同じ学園に通う一年生。

本来なら聖人と同じ学校に入らないためにレベルの高めの蓮城学園を受験、合格するが聖人が学力優秀であることと兄がどこの学校に通っているか調べておらず、他に受けた学校もないので已む無く蓮城学園に入学。

聖人のことを『バカ兄』と呼び小ばかにするが別に毛嫌いしている訳ではない。

蓮城学園は比較的レベルの高い学校なので元々短期間の付け焼刃で詰め込んで受かった璃生には少々厳しいところもありたびたび聖人に勉強を習いにいっている。

聖人は愚痴を言いながらも教えている。



ちなみに家族共通の認識として聖人を重度のオタクだということを理解している。


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