表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

犯人って皆さま最初は違うって言いますよね?

作者: 島城笑美
掲載日:2026/05/14

数ある作品から選んで読んで頂きありがとうございます!


召喚物も、かきたくなりますよね☆

「はぁ?」


クラシック調の家具や調度品で誂えられた部屋の高そうなクラシカルな長椅子の上で、私は吠えた。


先ほどから説明してくれる宰相と名乗った男から聞くところによれば、この世界は数百年単位で瘴気に溢れ、それを浄化するのに聖属性の魔力が必要であり、稀ではあるがこの世界の人間にも聖属性の人間は生まれ、聖女として瘴気を抑える役割がある。ここ千年はそれで耐えていた。


しかし昨今、瘴気の急激な拡大の影響から聖属性を持ち合わせた人間の力では瘴気にあてられた人負傷者の回復しか間に合わず。土地を浄化するまで手が回らないという。


それで、過去の文献から『大聖女召喚の義』なる怪しい魔術を試すことにした・・・・と。うんうん。そうか、お試しで呼ばれたのか。私は。


そうね。ちゃんと本番ならもっと若い子来るわよね!薹が立っている28歳の女なんか喚ばれないわよね!はいはい。すみませんね。何で私が!・・・もしかして名前のせいか?聖子(しょうこ)だから聖女か!単純かっ!あー。北海道の芸人みたいなってるな私。


あぁ、もう!何やってくれてるのよ!医師免許取得からの、長い、長ーい専門研修が終わってやっと、あと1年で履修できそうなのに!専門医が取得できるとこまできたのにぃ~!頭の中のイマジナリー私は頭を掻きむしりながら抱えて項垂れる。社会人なんでそんな様子見せませんけどね!背筋もピンっと座っておりますけれどもね!


「誘拐ですね?」


「へ?」

「は?」

「え?」


何だ?三者三葉の声がでたぞ?しかし、異世界っていうのはこーゆー綺麗な顔しかいないのか?綺麗な顔だったら人を拉致っても許されるのか?んなわけねーだろ!しかし、髪と瞳が奇天烈だな。表情にはおくびにも出さずに目の前の状況に突っ込み続ける。


最初のたくさんの模様が地面に書かれた体育館みたいな大きな部屋からこの応接室?って所に連れて来られてからずっと今の状況をゆったりとした声で説明している宰相と自己紹介した男の髪色は暗めの紫。おばちゃんの白髪染めってよりは、ビジュアル系バンドの方の様な見た目。顏も綺麗系だしね!瞳は夕陽色?線香花火のバチバチした中心の様な瞳。そんな瞳を瞬かせた。


数秒の間の後、コホンと小さく咳払いをして癖でくねくねしている深い紫の髪の隙間から手をかけてモノクルの位置を直しながら丁寧な口調で訂正を述べる。フリーズからの再起動だ。


「いえ。こちらとしましては、私たちの呼びかけにお越しいただいた貴殿にはそれなりの待遇をご用意していまして」


「お伺いを立てず?勝手にこっちに連れ去られたので、誘拐ですけどね?」


好待遇準備したら誘拐していいんかい!呼びかけに答えてないわい!普通にピカってパーって異世界よ!いいですよ!なんて一言も言ってないわ!言う分けないし!


日本で二十代での専門医になれるのは5%ほどの限られた人間なのよ!私が外科医になるのを楽しみにしてるじぃちゃんになんていえばいいんだ!私の身内はもうじぃちゃんしかいないんだぞ!人の人生馬鹿にしてんのか?あぁん?ここにいつまでいるの?ここではきっと勉強なんて出来ない。ブランクを取り返すのに何年かかるのよ!


し・か・も!明日から数年ぶりの長期休暇だったのよ!この為に、何連勤したと思ってんのよ。家着いたら気絶するかの如く寝て明日は始発で空港行ってとか考えて、病院でメイク落としてシャワーまで浴びてんのよ。

そう!私は今、Tシャツ、ジーパン、すっぴんなのよ。私。家に入った途端ピカって地面が光ってこんなとこ・・・こんな煌びやかなとこで、美麗な人に囲まれながらすっぴんでいなきゃいけないのよぉう!


はぁ~明日から実家に帰ってじぃちゃんにサプライズで会いにいくつもりだったのに!サプライズで結果往来かしら?行くって言ってたのに来ないとか心配かけるもんね。でも、飛行機代無駄になるわぁ~はぁ~もったいない。2週間の休みのうちに・・・・・帰れるのよね?え?じぃちゃんにはもう肉親私しかいないんだけど・・・動揺しつつも、研修医時代にたらい回されて得た営業スマイルを総動員して微笑みを称えたままキレている。


真正面の中央に座っているアンティークゴールドだろうか金色の重めの色の髪の長い男が、アメシストの様なラベンダー色の瞳を困惑させた。はぁ~しかし、カラフルだなと現実逃避気味に考えていると、その男が言い始めた。


「大聖女というのは、王族同等の権力をもっているわけで、其方をどうにかとか我々にも出来ないのですよ。其方の意見はもちろん尊重されます」


「じゃあ、帰してください」


間髪いれず要求したことを、ぐっと三人が一度黙ると、テーブルの末席に座っていた深い青の髪をポニーテールにした男がスカイグレーの瞳に困惑の色をのせて口を開く。美麗なのに全体的に青っぽいなこの人。


「それが、専門書を召喚しか見つけておりませんので返還の義を行うことは難しく・・・」


なんじゃそりゃ!

先ほどまで、上がっていた全身の血の気が愕然として一気下がる。少し頭がクラっとした。バイタルがやばいかもしれない。BT: 体温は通常だと思うけど、BP: 血圧とHR:心拍数はダメね。RR: 呼吸数は整えよう。出来るのかしら?・・・帰れないの?え?やることやっても帰れないの?クラックラの頭を抱えて俯く。駄目だ体面なんて保てない。じぃちゃん・・・


「・・・やっぱり・・・誘拐ですよね?」


すると突然、金髪の男が少しだけ身を乗り出し低い声を上げた。怒っているようだが喚いていない。なんか、偉い人とかなのだろうか。でも、どもってる。


「こっ!のこっ!こちらが下手(したて)に出ていたら誘拐!誘拐とっ!この国の民が困っているのに帰ることしか考えないのか!何が大聖女だ!こんな軽薄な小娘が!」


私、この国の人間じゃないんですけど、目線だけを上げて白けた目を向ける。こんな理不尽なおじさんには慣れてるんだよ。大学病院の医師教授なんて腕は確かでも変わり者ぞろいなんだぞ。


「はぁ?誘拐してきて小娘扱いですか?私、そもそもこの国の人じゃありませんし?貴方と大して年齢変わらないと思いますけどぉ?」


「何を言ってるんだ!私はもう30歳だ!小娘と一緒にするな」


「あら?本当に変わらないじゃない。たかだか2つ上で威張り散らして恥ずかしい。2つなんて年齢差なんてこの年になったら誤差でしょ?」


「は?」

「え?」

「へ?」


また三人で変な声三重奏を奏でやがりました。


「いやっ」

「いやいやっ」

「いやいやいやっ」


なんでしょう?この三人はかなり仲良しなんでしょうね。なんの三段活用だよ。


「・・・・女性に聞くのは悪いと思ったが、其方は28歳なのか?」


ははっ小娘だと思っていたがそこそこの年齢だと分かると、小娘呼びが其方に戻るのか!。対応早いな。


「はい。そうですが何か?」


「いやっ・・・成人してはいるだろうと思ったが・・・そんなにとし・・」


キラっキラのアンティークゴールドの頭をスパンっと隣に座る宰相が叩く。年増って言いたかったのだろうね。なんだ、このキラキラ頭は、頭の中身までキラッキラのピッカピカなんじゃないか。私は大人なので言いませんけどね!ジト目でそんな二人を睥睨する。


「聖女様だからなのでしょうか?大変お若くお美しいですね」


なぜか、青い頭の人がスカイグレイの瞳をキラキラと潤ませた魔法師団長とか名乗っていた男はうっとりと私を見る。美しいのはあんただろう。


まぁ、美人女医とか言われてたけど!でもさ、そこそこ若くてすこーしばかり整ってたら女医はみんな美人女医扱いじゃん?私なんて普通よ。薄い顔でもメイクでどうとでもなるのよ。私は日本でも南の方の出身だからすこーし堀が深く濃い顔なだけで美人扱いよ。しかし、私は只今絶賛、Tシャツ、Gパン、すっぴんなんだよ!


ばっちり着飾った時に同じような普通の人に「美人ですね」とか言われても社交辞令でしょうけど、ありがとうって微笑めますけど?こんな美麗な顔の人間に言われましてもねぇ~あはは嫌味ですか?とか言えないですよ!でも、私は大人なので言いませんけどね!


聖子(しょうこ)は魔法師団長に向かいにっこりと微笑んで、「ありがとうございます」と返す。


「おいっ色目を使うな!其方の婚約者は我が甥と決まっている!」


「は?」


さっきからこの金髪ロン毛野郎は何を言ってるんだ?暴言に暴言を重ねすぎていないか?王族と同等なんだろ?聖女は!


色目ってなんだ?褒められたら礼を述べるのは普通だろ?この国の女性は褒められても礼も言わないのか!ん?婚約者?は?甥?思わずうなるような低い声が出る。


「婚約者って何ですか?」


ここからは蟀谷を揉んでいた紫頭の宰相がまた説明してくれた。彼も気っと頭が痛いんだろうな。なんだか親近感がわく。


この世界では、10歳の洗礼式の際に、貴族や平民を問わず教会で魔種測定が行われる。そこで、見つけられた聖属性の使い手は、聖女として教会に召上げられる。断ることも可能だが聖属性の魔力を持っていることは公表されるため民の為に教会へ出仕しないことで白い目で見られるという。


何だそれ、強制ボランティアかっ!


婚姻の為に教会から出る事は出来るそうだ。14歳までは幼い年齢を理由に通いで教会に通い瘴気に触れた傷などを癒すお仕事をする。14歳でデビュッタントと迎えると準成人扱いで教会に居住を移さなくてはならいらしい。高校生が寮生活するようなもんかな。しかし、完全に強制労働だがな!


そうなると、瘴気の発生現場に行って浄化作業しない行けないらしい。だから高位貴族は14歳になるとすぐに婚約者を据え、成人になる16歳まで2年間出仕し成人するとすぐに婚家にての花嫁修業の為という理由で教会を出ると言う。


まぁ~元聖女というのは10歳から14歳まで傷を癒し、14歳から16歳までは危険な瘴気の発生地に赴く尊い人という事で、元聖女と言うものは社交界でも人々の羨望の目でみられ、(はく)はつくらしいので婚家でも優遇されるみたい。それに、聖女の力って無くなるわけではないんだって。


しかも、低位貴族もなると聖女を守るための聖騎士との縁談を目当てに進んで教会に出仕したりするそうだ。ほうほう、教会は婚活会場かな?数年前は結婚式場で婚活パーティーとか流行ったよね。感染症が猛威を振るって無くなったけど・・・あの時の医療現場は本当にヤバかった・・・。


聖騎士は騎士から聖女を守ることが出来る実力で高位貴族の魔力量の多い次男三男が多いんだってさ。だから、騎士の間はもちろん騎士伯を名乗れるので殆ど貴族扱い。更に聖女と力を合わせて功績とか武勲とか立てちゃうとさらに叙爵もあり得るんだって。騎士伯は騎士の間の爵位だけど、男爵や子爵を賜ると永続的に貴族を名乗れるとか?まぁ。独り身のままなら返還するらしいけど・・・興味ないけど丁寧に説明する宰相。


まぁでも、私の質問に丁寧に答えるこの人はいい人かも。最初から平身低頭だし丁寧だ。ビジュアル系バンドマンみたいな紫の髪色だけど。


平民の聖女と貴族家に属している聖騎士と結婚は出来ないけど、結婚するために聖騎士が平民になった事もあるらしい。まぁ、叙爵しないと貴族のお家でも次男三男は家が他に爵位を持っていなかったらのちのちは平民だしね。


その辺の恋バナ?みたいなのは青頭の魔法師団長が好きみたいで教えてくれた。しかも、そこそこのお給料が出るので平民の娘さんは普通に就職先として出仕していて普通にご近所の平民の人と結婚とともに教会を出るみたい。


そ・れ・で!

結婚しないと教会に取られちゃうから私はすぐに婚約して結婚させようってわけ!だがしかし、そこで相手が16歳の少年と来た。未婚の王子が彼だけなんだって!犯罪だろ。


いやいやっこっちでは成人してようが、あっちでは高1よ。私、28歳よ!一回りも違う!干支一緒よ?いやっこっちでは干支なんてないんだろうけど。犯罪じゃん!


「はっ?嫌だけど?」


「其方を守るためだ。拒否権は認めない!」


なんだ?金髪ロン毛野郎の不遜な態度は!そんな態度で国を助けて下さいとでも言うのかよ。


「誘拐に結婚強要か。私の地位って王族と同じじゃなかったぁ?」


「ぐっ」


聖子(しょうこ)が煽るように言うと、金髪ロン毛野郎は悔しそうな顔で押し黙る。ふん!ざまぁ!


まぁ。医者になるくらい人を助ける正義感の強い聖子はなんだかんだで、お城の労働状態に口出ししたり、若い子のキューピットしたり、瘴気の正体見つけたり、浄化したり、自分の伴侶見つけたりして幸せに暮らしましたとさ。じいちゃん、ジジ不幸でごめんね!

読んで頂きありがとうございました!


聖女様、聖子という漢字ですがショーコさんです!

なんか強そうなコになったので、セイコさんよりショーコさんかな?って思いまして・・・

私の勝手なイメージの強弱・・・


さて、長編に為に書いていたんですけど続きを書いたら見たことある作品になりそうだなぁ~という予感がヒシヒシと出ておりまして・・・でも、この第一話。そこそこ楽しくない?って投稿しました。楽しんで頂けたら幸いです。ショーコさんの心の雄たけびを・・・

最後のある少年誌の最終話の様な終わりの部分を気が向いたら書いてみたいです。ネタを探します!


 ~登場人物~

神里かみざと聖子しょうこ

髪色:黒・顎下までのワンレン・ストレート*目:ダークブラウン


今のところお名前無いんですが、ショーコ様の暴言の様なネーミングと共に


ピカピカ金髪ロン毛野郎 王弟殿下

髪色:アンティックゴールド・ロング・毛先くせ毛*目:青紫色


気が合いそうなビジュアル系紫頭 宰相

髪色:ロイヤルパープル・肩口・ボブ・くせ毛*目:夕日色


天然かもしれない美麗な青っぽい人 魔法師団長

髪色:アイアンブルー・ロング・巻き毛・ポニーテール*目:スカイグレイ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ