タイトル未定2026/02/11 08:13
アカシックレコード
「宇宙人が宇宙植物をタバコに仕込んで、人間同士の関係を破壊することで人類に殺し合いをさせ、そしてエピソード終わりのナレーションで、ナレーターが『これは未来の話です。なぜなら現代の私たちには、宇宙人が“関係破壊”という方法で地球侵略できるほど深く強固な人間関係などないからです』と皮肉る話は?」
「ウルトラセブン 第8話」
「正解。では、地球人が実は地球侵略者である宇宙人だという話は?」
「ウルトラセブン 第42話」
「自己中心主義の愚かさを、他人の命を奪って自分の命を延ばす宇宙人の物語を通して皮肉った話?」
「ウルトラセブン 第11話」
「当時の経済成長至上主義と科学の盲目的進歩を風刺した話?」
「ウルトラセブン 第43話」
「スポ根漫画のような話は?」
「ウルトラマンジャック 第4話」
「怒りと差別をテーマにした話は?」
「ウルトラマンジャック 第33話」
「全部正解だな。ワトソン、昨日こっそり予習してきたんじゃないか?」
「私だってウルトラマン好きなんです。ウルトラセブンが特に好きで」
「マジか。ウルトラマン好きの女って、23年生きて初めて会ったよ。今まで出会った女はみんなドラゴンボールのピッコロ推しばっかだった」
首と左手首に母斑のある23歳の青年ジョニーは、テーブルの上に置かれたチョコレートケーキをプラスチックナイフで切った。
「9月10日。俺たち二人の誕生日に。二人とも24歳になったな」
イギリス人女性探偵ワトソン――青い瞳、短いブロンドの髪、白い肌で、まるで日本のアニメキャラクターが現実世界に飛び出してきたような――は目を閉じ、両手を胸の前で組み合わせた。そして目を開けた。
「ジョニーも願い事してみたら?」
「もう済んだよ。ほら、ただボーッと座ってるだけ。科学者になりたかったけどなれなかった。映画の脚本家や監督になりたかったけどそれもなれなかった。だから、ただここでボーッと座ってるだけ。ここで」
「二人ともまだ24歳になったばかりじゃない。二人ともまだ先は長いんだから」
「宇宙人が地球を侵略しませんように」
ジョニーとワトソンはケーキを分け合って食べた。
「遊戯王やらない?」ワトソンが言った。
「忠告するよ、ワトソン。やめとけ。今の遊戯王は一ターンキルだ。エクゾディアデッキだけ売ればいいんじゃないか?面白くないだろ?一ターンで終わるんだから、そりゃ面白くないよ。ポーカーの方がまだ時間かかるぜ」
「昔のルールでやろうよ」
「わかった、わかった」
30分後。
「ワトソン、レインボー・ドラゴン返してくれよ」
「あ、ごめん」
「レッドアラートとカウンターストライクやろう」
「いいよ…あ、待って。パソコン壊れてたよな?」
「もう直しといた」
「ワトソンが直したの?」
「そう」
ジョニーとワトソンは夜遅くまで一緒にゲームをし、そして二人の就寝時間になった。
「今日はジョニー、私の部屋で寝なよ」
「は?今日ワトソンはいないの?」
「いるよ」
「え?」
「私のベッドで寝なよ」
「ワトソンは女だろ?俺たちはただの相棒だ」
「寒いんだもん」
「温める方法あるよ。窓を閉めて…エアコン切る」
「ジョニーは私のベッドで寝ていいよ」
「はあ?」
そしてワトソンは電気を消し、ジョニーを引きずってベッドに寝かせた。
「ジョニーは本当に私と何もしたくないの?」
「そんな言い方したら俺が悪者みたいだ」
「気にしすぎよ」
「もういいや。何も起こらないんだから。だって一晩中抱き枕を抱いて寝るんだからな」
二人は眠り、朝起きて、普通に朝食をとった。
突然、ワトソンの家の中にいた二人は、砂漠の地にいた。青い空の雲は滝のように速く流れ、ワトソンの家は忽然と消え、ジョニーとワトソンを奇妙な砂漠に取り残した。
「ワトソン」
「ジョニー」
「正直、何も思いつかない」
「ジョニーレベルならもう考えついてるはずだ」
すると、天にも届くほど巨大な八つの頭と八つの尾を持つ大蛇が現れ、ジョニーとワトソンを追いかけた。二人はその八岐大蛇から逃げた。
「ジョニー、この蛇、なんだか見覚えない?」
「ヤマタノオロチだ。日本の神話でスサノオに退治された八岐大蛇だ」
ジョニーとワトソンは砂岩でできた廃墟の町に逃げ込み、そこに隠れた。そして全てが静かになった。
その廃墟の町の壁には、槍のように尖った頭を持つ、人間に似た生き物のレリーフがいたるところに刻まれていた。
ワトソンはそれを見て言った。「この絵、見覚えある気がする…でもどこで見たか思い出せない」
ジョニーは答えた。「ノンエイリアンだ。死んだ科学者の友達が話してた。N O N A L I E N。Nの後ろにハイフンを入れると、non-alien(非宇宙人)になる。あいつは言ってた。ノンエイリアンこそが真の地球人で、俺たちはノンエイリアンの文明を滅ぼした侵略宇宙人だと。科学者コミュニティはただの陰謀論だと思ってるけど」
「あの、伝説の生物は実在し、地球由来のものと宇宙由来のものがいると言ってた人?」
「そう、あいつだ」
ワトソンは廃墟の壁を見て回り、地球上のどの言語にも対応しない奇妙な文字が刻まれた壁の前で立ち止まった。
「ジョニー、この文章、見たことある」
ジョニーがワトソンのもとに歩み寄り、奇妙な文字を見て言った。
「『この惑星の運命と定めを決めるのは我々の役目ではない。この惑星を統べる者こそが、その惑星の運命と定めを決めるのだ。我々には、殺人者にも被害者にも、正義を与える義務はない。殺人者であれ被害者であれ、殺人者と被害者が自らの運命と定めを決めるのであって、他者に決めさせるものではない』」
「ジョニー、これ見たことあるの?」
「あの友達がこの一節について話してた。生命が存在する全ての惑星には、進化を見守る証人がいると。この文章は、進化の監視者がノンエイリアンに向けて語った言葉だって」
突然、奇妙な声が二人に話しかけた。「その通りだ」
ジョニーとワトソンが声の主を振り向くと、黄金の龍が町の反対側から廃墟に入ってきた。
ジョニーはそれを見て尋ねた。「進化の監視者か?」
黄金の龍は答えた。「その通りだ。『殺人者であれ被害者であれ、殺人者と被害者が自らの運命と定めを決めるのであって、他者に決めさせるものではない』」
ジョニーはそれを聞いて言った。「この文章を人間に言ったら、罵倒されて炎上確実だぜ」
黄金の龍が尋ねた。「なぜだ?」
ジョニーは答えた。「被害者が自分で自分の運命と定めを決めてるなんて、信じる人間なんていない」
黄金の龍は尋ねた。「お前は、殺人者と被害者が自分で自分の運命と定めを決めるとは信じないのか?」
ジョニーは言った。「どの思想を信奉してるかって聞かれたら、まだ答えられるけどな」
黄金の龍はジョニーの言葉を聞き、尋ねた。「お前はどの思想を信奉している?」
ジョニーは言った。「殺人者と被害者が自分で自分の運命と定めを決める…もし他者に殺人者と被害者の運命を決めさせたら、自己中な奴が自己中でい続けることを許し、他の者が害を受ける。それが正義か?他者に俺たちの運命と定めを決めさせて、正義が得られるか?だからこそ、俺は他者に自分の運命と定めを決めさせたくないんだ。殺人者と被害者双方が自分で自分の運命と定めを決める方が、他者が決めるより正義に近いかもしれない。他者に被害者と殺人者の運命を決めさせて、双方が正義を得られると確信できるか?俺たちの運命と定めを決める者が公正であると確信できるか?」
突然、セミの声に似た音がしたが、その音は不自然で、まるで合成音声のようだった。ジョニーとワトソンはその廃墟から外へ出た。
ジョニーとワトソンが廃墟から出ると、銀色の円盤が空から降りてきて着陸し、ハッチが開いた。ローマの軍人の鎧のような顔をした宇宙人が円盤から出てきた。
その宇宙人は言った。「地球人よ、我々は平和裡に来た」
「地球?空を見てみろよ。地球じゃないこの土地で、平和裡に地球人に挨拶か?」
「ああ、そうだな。我々は地球侵略のために来た。そしてお前たち二人は我々にとって必要だ」
「どうも、侵略者さん。でも、俺たちは素手だ。銃は一丁もない。もう必要ないんじゃない?腹のすいたマグロの握りが食べたい。家まで送ってくれないか?」
「フッ、ジョニー」
「…!どうして名前を知ってる?」
「お前はワトソンの相棒で、ワトソンの相棒になってからずっとワトソンと一緒に住んでるんだろ?」
「宇宙人…どこに閉じ込められてるのかもわからない。俺はただの地球人だ。ここからの脱出方法は知らない。お前がどこから来たかもわからない。どうあがいてもお前はいつでも俺たちを殺せるんだろ?」
宇宙人はそれを聞いて笑い、言った。「さっきお前は自分が地球人だと言ったな?ここからの脱出方法を知らないと?ここは四次元だ。時間の次元。全ての運命と成り行きが決定される場所。過去、現在、未来の成り行きが決定され、記録される場所。全てはアカシックレコードに記されている。アカシックレコードを改変する者は、宇宙の法則に背く。故に誰もがアカシックレコードに記された通りに従わねばならず、避けようがない。そして、人類がノンエイリアンを殲滅した話は真実だ。ノンエイリアンこそが正当な地球の民。ジョニー、お前は宇宙人だ。ワトソンはノンエイリアンの血を引いている」
「ワトソンがノンエイリアン?ワトソンは頭が尖ってないじゃないか。バカって意味じゃないよ、ワトソン」
「ワトソンはノンエイリアンの血が混じっている。ノンエイリアンは殲滅されたが、絶滅したとは言っていない。生き残ったノンエイリアンが人類と共存した。しかし誰も知らない。ノンエイリアンと人類は子をなした。ワトソンは、人類がノンエイリアンと子をなした結果、残されたノンエイリアンなのだ」
「つまりワトソンはノンエイリアンの血を引く人間ってこと?」
「そうだ…」
ジョニーは歩み寄り、宇宙人の顔を殴り、砂の上に蹴り倒した。そして馬乗りになり、宇宙人の頭を強く殴りつけた。
宇宙人は言った。「まだ話は終わっていない。言っただろう、アカシックレコードは過去、現在、未来の成り行きを決定すると。ワトソンは自らの真の姿を知るように定められている。そしてお前、ジョニー、お前は全人類の運命を決するように定められている」
ジョニーは答えた。「お前が自分で侵略宇宙人だと言ったな。お前が自分で、アカシックレコードを改変する者は宇宙の法則に背くと言ったな。つまり、誰でもアカシックレコードを改変できるってことか?」
「ハッ、見よ!」
八岐大蛇が再び出現した。宇宙人は言った。「お前の友達は言った。伝説の生物は実在し、宇宙由来のものと地球の生物がいると。お前の友達は正しい。ヤマタノオロチ、あれは宇宙由来の生物だ。見よ!」宇宙人が空を指さす。
鷲の頭と獅子の体を持つ生物が空を舞っていた。
「あれはノンエイリアンのペットだ」
突然、黄金の龍が廃墟から現れ、ジョニーに言った。「たとえ侵略者であろうと、アンドロメダ銀河より来たるその宇宙人の言葉は、全て真実である」
「アンドロメダ銀河より来たるその宇宙人は、何一つ偽りを言ってはいない。汝はアカシックレコードにより、全人類の運命を握る者と定められている。汝は人類という種族が存続するか絶滅するかを決する者となる。そしてワトソンは、アカシックレコードにより、最初から汝と出会うように定められている。汝らはアカシックレコードにより、どちらか一方が死ぬように定められている。もし汝が人類の種族が生き延びるように運命を決すれば、ワトソンは汝に殺される。もしそうでなければ、ワトソンはアカシックレコードにより汝を殺すように定められている」
そして、巨大な黒い石柱が砂の中から現れた。
黄金の龍は言った。「あれがアカシックレコードだ。触れば、アカシックレコードに記された全てを知ることができる」
ジョニーはそれを聞き、その黒い石柱へ歩いて行った。ジョニーは手でその黒い石柱に触れた。そしてジョニーは映像を見た。ジョニーが拳銃でワトソンを撃ち殺す。人類が宇宙ステーション駅を建設できるほど技術を発展させる。そして、ジョニーが見る映像は変わり、ジョニーがワトソンに拳銃で撃ち殺される。人類の超高層ビルが全て焼け落ちる。
ジョニーがその全ての映像を見終え、手を黒い石柱から離すと、宇宙人はジョニーとワトソンに拳銃をそれぞれ一本ずつ投げ渡した。
宇宙人は言った。「見ただろう?種族全体の運命を決するために、どちらか一方が死ぬのだ」
ワトソンは目の前の拳銃を拾い、ジョニーに向けて構えた。
宇宙人は言った。「見ただろう、ジョニー?ワトソン、お前は自らのノンエイリアンの種族の運命を決しなければならない。人類が生き残るか、絶滅してノンエイリアンが再び地球を支配するか?」
ワトソンは言った。「たとえ私がノンエイリアンで、たとえ人類が宇宙人で、たとえジョニーが宇宙人でも、私はジョニーを殺さない。私はずっとジョニーの相棒でいる」そしてワトソンは拳銃を地面に落とした。
ジョニーは目の前の地面の拳銃を拾い上げ、黒い石柱を弾丸が尽きるまで撃った。撃たれて粉々になった黒い石柱は砕け散った。
ジョニーは言った。「進化の監視者。自分で言っただろう。惑星の運命と定めを決めるのは自分の役目ではない、その惑星を統べる者が自ら決めると。俺は自分の運命と定めを自分で決めさせてもらう。アカシックレコードに決めさせたりしない。もし運命と定めが本当にあるなら、俺が自分でそれを破壊する。俺は自分の運命と定めを自分で決める。成功する人間は賢い人間でも有能な人間でもなく、ただ運がいい人間なのか?言っただろう、もし運命と定めが本当にあるなら、俺が自分でそれを破壊する。俺は運命と定めが本当にあるなんて欲しくない。幸運でも不運でも、俺が自分で作り出す!それに決めさせたりしない」
宇宙人は奇妙な銃を使い、青い光の弾丸をワトソンの腹部に撃ち込んだ。血が噴水のように噴き出し、ワトソンは倒れた。
「ワトソン!!!!」
ジョニーは跳びかかり、ワトソンが落とした拳銃を拾い、宇宙人の胸を撃って倒した。ジョニーは拳銃を地面に落とし、ワトソンのもとへ走った。
ワトソンはジョニーに尋ねた。「ジョニー、ずっと私の相棒でいてくれる?」
ジョニーは言った。「ワトソンはずっと俺の相棒でいてくれるのか?なんでワトソンは俺の相棒なんだ?今までずっとわからなかった」
ワトソンは答えた。「もう友達じゃない?まあいいや。私は嬉しいよ、ジョニーの相棒でいられて。だからこそ、ジョニーがずっと私の相棒でいてくれるか聞いたの。だって私はずっとジョニーの相棒でいたいから」
ジョニーは言った。「ジョニーはワトソンの相棒でずっといる。この文の方が正しい。ジョニーはワトソンの永遠の相棒だ」
ワトソンは左手を上げた。ジョニーは自分の左手でワトソンの左手を握った。
ワトソンは言った。「ワトソンはジョニーの永遠の相棒」
ジョニーは言った。「ワトソンを死なせてたまるか」そしてジョニーはワトソンの腹部の服のボタンを外した。大きな貫通傷が血に染まっているのが見えた。
ジョニーは振り返り、黄金の龍に尋ねた。「進化の監視者、四次元から出る方法を知っているか?」
黄金の龍は答えた。「知っている。四次元への出入り口は、お前の左手にある」
ジョニーはワトソンを抱きかかえ、黄金の龍が教えた道を走った。そしてジョニーはその次元の扉を駆け抜け、ワトソンの家の中にいた。ジョニーは大きな布を一枚探し、冷蔵庫から氷を何個か取り出してその布に包み、その氷の包みをワトソンの腹部の傷に当てた。そしてジョニーは病院までの道順が書かれた地図を探しに走った。地図を見つけると、それを口にくわえ、氷を当てているワトソンのもとへ走り戻った。ジョニーはワトソンを抱きかかえ、病院へ向かって走り出そうとした。
すると、全てが突然消え、再び四次元の砂漠に戻った。そして、ローマの軍人の鎧のような顔をした宇宙人が、地面から起き上がり言った。「お前たちが四次元に入ったのは、私の仕業だ。何度でもお前たちを四次元に引きずり込んでやる」
ジョニーはそれを聞き、振り返って次元の扉を通ろうとしたが、次元の扉は消えていた。
宇宙人は言った。「我々はいつでも次元の扉を破壊し、また新しく作ることができる。我々はもう次元の扉を破壊した。もしワトソンを生かしたいなら、これが全てを治す薬だ」宇宙人は右手を上げ、赤い錠剤がいくつも入った透明な箱を持っていた。
ジョニーは黄金の龍を振り返った。「進化の監視者」
黄金の龍はジョニーに答えた。「アンドロメダ銀河より来たる宇宙人の言葉は真実である。もし汝がその薬をワトソンに与えれば、ワトソンの傷は完全に癒え、ワトソンは生き延びるだろう」
ジョニーはワトソンを地面に置き、その宇宙人のもとへ走り寄った。宇宙人は奇妙な銃を使い、青い光の弾丸をジョニーの左足に撃ち抜いた。ジョニーは右足一本で走った。宇宙人は再び奇妙な銃を使い、青い光の弾丸をジョニーの右足に撃ち抜いた。ジョニーは両腕を使って進み、宇宙人の足首をつかんで倒した。ジョニーは宇宙人の手首を殴り、宇宙人が奇妙な銃を手放すまで殴り続けた。ジョニーはその奇妙な銃を拾った。
八岐大蛇がジョニーに向かって這ってきた。大蛇は八つの頭でジョニーを打ち据え、吹き飛ばした。ジョニーは這って宇宙人のもとへ向かった。近づくと、ジョニーは右手で奇妙な銃を使い、近くにいる大蛇の八つの頭を撃ち落とし、大蛇を倒した。そしてジョニーは宇宙人のもとへ這って行き、奇妙な銃で青い光の弾丸を宇宙人の首に撃ち込んだ。宇宙人は倒れた。ジョニーは這って宇宙人の持つ透明な箱の薬を取りに行こうとした。宇宙人は最後の力で、ジョニーが落とした拳銃を拾い、ジョニーの左腕を撃った。ジョニーは右腕一本で体を押し上げて進んだ。宇宙人は拳銃をジョニーの右腕に向けた。ジョニーは奇妙な銃を宇宙人の頭に向けた。ジョニーと宇宙人は同時に撃った。ジョニーは右腕を撃ち抜かれ、宇宙人は青い光の弾丸に頭を撃ち抜かれて地面に倒れ死んだ。
ジョニーは、左足も右足も、左腕も右腕も使えず、蛇のように体を這わせて進んだ。宇宙人の死体の右手が持つ薬の箱にたどり着くと、ジョニーは口でその箱をくわえ、再び蛇のように体を這わせて地面に横たわるワトソンのもとへ向かった。ジョニーがワトソンの体にたどり着くと、口で箱の蓋を開け、赤い錠剤を一粒くわえ、その赤い錠剤を口移しでワトソンに与えた。赤い錠剤がワトソンの口に入った。
黄金の龍がジョニーに尋ねた。「その薬は全てを治す。もしお前が飲めば、お前は治り、手足は元通り使えるようになる。お前は先に飲まないのか?」
ジョニーは答えた。「ワトソンが治らなければ、俺は薬を飲まない」
赤い錠剤がワトソンの口に入っても、何も起こらなかった。ワトソンはまだ微動だにしない。ジョニーは額でワトソンの心臓を何度も押し続け、全身汗だくになった。そしてジョニーは口でワトソンに人工呼吸をしたが、ワトソンは蘇生しなかった。ジョニーは耳をワトソンの鼻に近づけたが、呼吸の音はない。ジョニーはワトソンの息遣いを感じ取れなかった。ジョニーが耳をワトソンの心臓に近づけると、ワトソンの心臓は鼓動していなかった。
黄金の龍はそれを見て言った。「その薬は確かに全てを治す。しかし、死んだ者を蘇らせることはできない」そう言うと、黄金の龍は飛び去って消えた。
ジョニーはまだワトソンの心臓に寄り添っていた。そしてジョニーは言った。「ワトソンはジョニーの永遠の相棒」
ジョニーは目を閉じた。朝の海辺のような強い風が吹く、青空の四次元の砂漠の中で。そしてジョニーは、ワトソンの心臓に寄り添ったまま、その優しい風の中で、ワトソンの後を追うように死んだ。
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ノッパポーンが焚き火を囲んでこの物語を語り終えると、焚き火を囲む全員は沈黙し、何も言葉を発しなかった。
ヤウがノッパポーンに尋ねた。「これで終わり?」
ノッパポーンは答えた。「ああ、終わりだ。主人公が死んだんだ。続編でも作るか?」
終わり




