タイトル未定2026/02/14 21:37
ターゲットシティ
父と息子が包丁を振り回して追いかけ合い、母と娘が包丁を振り回して追いかけ合い、母と息子が互いに殺し合い、夫婦が互いに殺し合っている。
そして旧暦7月(※1)になると、死者は5千人に上った。そのすべてが、理由なき争いによって生じたものだった。
そんな中、23歳の青年ジョニーと、英国人女性で目の色は青、短い金髪、白い肌を持つ、まるでアニメのキャラクターが現実世界に飛び出してきたような女性探偵ワトソン。この2人がとあるショッピングモールを訪れていた。
ジョニーと女性探偵ワトソンが食事をしようとしたまさにその時、衣料品売り場が爆発した。
「聞こえたか、ワトソン?」
「まだ聞こえている」
「外に出ないか?」
「行こう」
ジョニーとワトソンは連れ立ってモールの外へ出た。
外に出ると、ガソリンスタンドが爆発した。
続いて、刃物を持った群衆が、スーツ姿の人々を片っ端から殺し始めた。
ジョニーと女性探偵ワトソンが駐車場へ向かって走ると、そこでは百人を超えるスーツ姿の者たちが同士討ちをしていた。
2人が車にたどり着き、女性探偵ワトソンが運転してその場を離れた。
大通りに出ると、ジョニーとワトソンは、複数の車が意図的に他車に衝突する様子や、複数のバイクが互いにぶつかり合う様子、商店の店主たちが争っている様子を目撃した。
女性探偵ワトソンは猛スピードで車を飛ばし、2人の自宅に到着した。
家に着くと、順番にシャワーを浴びて着替えを済ませた。ワトソンがテレビをつけると、ニュース番組が流れていた。
記者が報道する。「(関係者は)皆、口を揃えて『タバコを吸った後、何も覚えていない』と供述しています」
それを聞いたジョニーが言う。「モールを出た時、斧や鍬を持ってた連中もタバコを吸ってた。スーツの連中も吸ってた。」
「私も見たわ」
「君も見たのか?」
「争ってた商店の連中も吸ってた」
「トラックの運転手は?」
「窓ガラスが割れた時、吸ってるのが見えた」
「バイクの連中も吸ってた」
2人は同時に口にした。「タバコか?」
「ワトソン、モールまで送ってくれ。そしたら君はここに戻ってていい」
「嫌よ。ジョニーがモールにいるなら、私もそこにいる」
女性探偵ワトソンとジョニーは再びモールへ向かった。
人々はすっかり消え去っていた。ジョニーは地面に落ちているタバコを一本見つけ、拾い上げてそれを折った。タバコの内部から、葉っぱと混ざって赤い結晶が出てきた。
「これを持ち帰ろう」
そして2人は家に帰った。ジョニーはその赤い結晶を調べた。分析を終えたジョニーはワトソンのところへ来た。
「正体は宇宙植物だ。人々が殺し合ったのは、このタバコに混入していた宇宙植物のせいだ。それがどこから来たのか、どうやってタバコに入ったのかは分からない。」
「侵略?」
「そうだ、侵略だ」
テレビは再びニュース番組を映し出した。記者が報道する。「知事選への立候補資格を剥奪されたタンマトーン氏(※2)ですが、他の立候補者全員を殺害した事件について、現在も『自分は何も知らない』と容疑を否認し続けております……」
終わり
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(※1) 「เดือนเจ็ด」はタイの太陰暦の第7月を指しますが、ここでは「旧暦7月」と意訳しました。物語の雰囲気を壊さないための処理です。
(※2) 「นายธรรมธร」は架空の固有名詞と見なし、カタカナ表記「タンマトーン」とし、説明を加えました。




