タイトル未定2026/02/14 12:16
午後3時30分~午後4時 「アイナムターン」という名前の猫を探す
アカシックレコード
著者:フォン・クー・ナム
「宇宙人が宇宙植物をタバコに詰め、人間関係を破壊させることで人類を殺し合わせる。そしてエンディングのナレーションで、『これは未来の話だ。なぜなら現代の人間は、宇宙人が『関係破壊』という方法で侵略できるほど、深くて強い人間関係を持っていないからだ』と皮肉る話?」
「ウルトラセブン 第8話」
「正解。じゃあ、地球人こそが実は地球を侵略した宇宙人だったっていう話は?」
「ウルトラセブン 第42話」
「自分の命を永らえるために他人の命を奪う宇宙人の話を通して、利己主義の虚しさを皮肉った話は?」
「ウルトラセブン 第11話」
「高度経済成長と、当時の盲目的な科学の限界を批判した話は?」
「ウルトラセブン 第43話」
「スポーツもののタッチだった話は?」
「ウルトラマンジャック 第4話」
「怒りと差別がテーマの話は?」
「ウルトラマンジャック 第33話」
「全部正解か。ワトソン、まさか昨日こっそり観てきたんじゃないだろうね?」
「私もウルトラマン好きなんだよ。ウルトラセブンが一番好きかな」
「マジで?ワトソンみたいな女の子でウルトラマン好きなんて、生まれて23年で初めてだよ。ドラゴンボールのピッコロが好きな女の子はいたけどね」
ジョニー(23歳、首と左手首に痣あり)は、テーブルの上のチョコレートケーキを切るプラスチックのナイフを手に取る。
「9月10日。俺たち二人の誕生日だな。二人とも24歳で同じだ」
イギリス人の女性探偵ワトソンは、青い瞳、短いブロンドヘア、白い肌で、まるでアニメのキャラクターが飛び出してきたような容姿だ。彼女は目を閉じ、両手を胸の前で組んだ後、目を開ける。
「ジョニーも何か願い事を言ってみたら?」
「もう願ったよ。ほら、こうやって何もできずにここに座ってる。科学者にもなれず、脚本家や映画監督にもなれず、ただこうしてポツンと座ってるんだ、ここで」
「私たち、まだ24歳じゃない?まだまだ未来はあるよ」
「宇宙人が地球を侵略しませんように」
ジョニーと女性探偵ワトソンはケーキを分け合って食べる。
「遊戯王やらない?」ワトソンが切り出した。
「やめとけって、ワトソン。今の遊戯王なんて1ターンで終わっちゃうんだぞ。なんでエクゾディアデッキだけ売らないんだよ。つまらないだろ?1ターンで終わるのはマジでつまらない。ポーカーの方がまだ時間かかるよ」
「昔のルールでやろうよ」
「いいよ、いいよ」
30分後。
「ワトソン、レインボー・ドラゴンを返してくれ」
「あっ、ごめん」
「レッドアラートとカウンターストライク、続けてやらないか?」
「いいよ…って、ちょっと待って。パソコンが壊れてるんだった」
「直してあげたよ」
「ワトソンが直してくれたの?」
「うん」
ジョニーと女性探偵ワトソンは夜遅くまで一緒にゲームをし、そして寝る時間になった。
「今日はジョニー、私の部屋に寝なよ」
「え?今日はワトソン、いないの?」
「いるよ」
「は?」
「私のベッドに寝なよ」
「ワトソンは女だよ。俺たちはただの相棒だろ」
「寒いんだもん」
「暖かくする方法ならあるよ。窓閉めて…エアコン消せばいいんだ」
「ジョニーは私のベッドに寝ればいいじゃん」
「え?」
そう言うと、女性探偵ワトソンは電気を消し、ジョニーを自分のベッドに引きずり込んだ。
「ジョニー、私とヤりたくないの?」
「そんな言い方、俺が酷い奴みたいじゃないか」
「深く考えすぎだよ」
「まあいいか。どうせ何も起こらないさ。一晩中、抱き枕を抱いて寝るだけだからな」
二人は眠りにつき、朝起きて、普通に朝食をとった。
突然、二人はワトソンの家の中にいたはずなのに、いつの間にか砂漠の地帯に立っていた。青い空には雲が滝のように速く流れ、ワトソンの家は忽然と消え、ジョニーとワトソンだけがこの奇妙な砂漠に取り残されていた。
「ワトソン」
「ジョニー」
「正直、さっぱりわからん」
「ジョニーならわかるはずだよ」
すると、天の高さにも届くような巨大な八つの頭と八つの尾を持つ蛇が現れ、ジョニーとワトソンを追いかけてきた。二人はその大蛇から必死に逃げる。
「ジョニー、この蛇、どこかで見たことない?」
「ヤマタノオロチ。日本の伝説で、スサノオに倒された八岐の大蛇だ」
ジョニーとワトソンは大蛇から逃げ、砂岩でできた廃墟の街にたどり着き、中に隠れた。すると、全てが静かになった。
その廃墟の街には、人間のような姿だが、頭が槍のように尖った生き物の彫刻が壁一面に刻まれていた。
それを見たワトソンは尋ねる。「この絵、見覚えがあるんだけど、どこで見たか思い出せないの」
ジョニーは答える。「ノンエイリアンだ。死んだ科学者の友達が話してたんだ。『NONALIEN』。もし最初のNの後にハイフンを入れると『NON-ALIEN』、つまり『エイリアンではない』って意味になる。彼は言ってたんだ、ノンエイリアンこそが本当の地球人類で、俺たち人類はノンエイリアンの文明を破壊した侵略宇宙人だって。科学者コミュニティはただの陰謀論だと思ってるけどな」
「それって、伝説の生き物は実在して、地球由来のものと宇宙由来のものに分けられるって言ってた人?」
「そう、その人だ」
女性探偵ワトソンは廃墟の壁を眺め続け、ある壁の前で立ち止まった。そこには、地球上のどの言語にも似つかない奇妙な文字が刻まれていた。
「ジョニー、この文字、見たことある」
ジョニーが近づき、その奇妙な文字を見て言う。「『この惑星の命運を決めるのは、我々の役割ではない。惑星の主たる者が、自らの惑星の命運を決めるのだ。我々は、殺人者にも犠牲者にも、裁きを与える立場にはない。殺人者であれ犠牲者であれ、彼ら自身が自らの命運を決するのであり、他者が決めるものではない』」
「ジョニー、見たことあるの?」
「あの友達がこの言葉を話してたんだ。生命がいる惑星には皆、進化を見守る『観察者』がいるって。この言葉は、その観察者がノンエイリアンに言った言葉なんだ」
突然、奇妙な声が二人に語りかけた。「その通りだ」。ジョニーとワトソンが声の方を振り返ると、金色の龍が廃墟の街の反対側から入って来たところだった。それを見たジョニーは尋ねる。「進化の観察者か?」金色の龍は答える。「その通り。殺人者であれ犠牲者であれ、彼ら自身が自らの命運を決するのであり、他者が決めるものではない」それを聞いたジョニーは言う。「こんなこと人類に言ったら、罵られて炎上必至だな」金色の龍は尋ねる。「なぜだ?」ジョニーは答える。「どの人類も、犠牲者が自らの命運を決めるなんて信じないからさ」金色の龍は更に問う。「そなたは、殺人者と犠牲者が自らの命運を決することを信じないのか?」ジョニーは言う。「『どんな考えを信じるのか』って聞かれたら、まだ答えられるけどな」それを聞いた金色の龍はジョニーに尋ねる。「そなたは、どんな考えを信じるのだ?」ジョニーは答える。「殺人者と犠牲者は、自分で自分の運命を決めるんだ…もし他者に殺人者と犠牲者、両方の運命を決めさせて、その結果、利己的な人間がさらに利己的になり、他人がそれに苦しめられるなら、それって正義なのかよ?他人に俺たちの運命を決めさせて、俺たちは本当に正義を得られるのか?だから俺は、他人に自分の運命を決められるのが嫌なんだ。殺人者にも犠牲者にも、自分で自分の運命を決めさせた方が、誰かに決められるより、よっぽど正義に近いかもしれないだろ?殺人者と犠牲者、両方の運命を他人が決める。本当に両方にとって正義だって言い切れるのか?俺たちの運命を決める奴が、本当に正義だって言い切れるのか?」
その時、蝉の声のような音がしたが、その音は不自然で、合成されたもののようだった。ジョニーとワトソンは廃墟の街を出た。
二人が廃墟の街を出ると、銀色の円盤が空から地上に降り立ち、扉が開いた。中から、ローマの戦士のような鎧をまとった宇宙人が現れた。
宇宙人は言った。「地球人よ、我々は平和目的で来訪した」
「地球?この空を見ろよ。地球じゃない場所で、地球人に平和目的で挨拶か?」
「ああ、そうだな。我々は地球侵略に来たのだ。そして、お前たち二人は我々にとって必要なのだ」
「よう、侵略者。でもよ、俺たち丸腰だぜ。銃の一本も持っちゃいない。お前には必要ないだろ。生魚の寿司が食いたいんだが、家まで送ってくれないか?」
「フッ、ジョニー」
「…! なんで名前を!?」
「お前はワトソンの相棒で、ワトソンと相棒になってからずっとワトソンの家に住んでいるんだろう?」
「宇宙人… 俺たちどこにいるかもわかんねえんだ。俺はただの地球人で、ここからの出方も知らねえ。お前がどこから来たのかも知らねえし、いつでも俺たちを殺せんだろ?」
それを聞いた宇宙人は笑って言った。「さっき、自分は地球人だと言ったな?ここからの出方も知らぬと?ここは第四の次元、時間の次元だ。全てのものの運命とあり方が定められる場所であり、過去・現在・未来の全てのあり方が記録され、決定される。それがアカシックレコードだ。アカシックレコードに干渉する者は誰であれ、宇宙の法則に反する。故に、全ての者はアカシックレコードに記録された通りに従う他ない。そして、人類がノンエイリアンを殲滅したのは事実だ。ノンエイリアンこそが正当なる地球の住人だった。ジョニー、お前は宇宙人だ。ワトソンはノンエイリアンの血を引いている」
「ワトソンがノンエイリアン?ワトソン、頭尖ってないじゃん。別にバカって意味じゃないぞ、ワトソン」
「ワトソンにはノンエイリアンの血が流れているのだ。ノンエイリアンは殲滅されたが、絶滅したわけではない。生き残ったノンエイリアンは人間と共に生き、混血した。誰にも認識されぬままにな。ワトソンは、人間とノンエイリアンの間に生まれた子孫、すなわち、残されたノンエイリアンの生き残りなのだ」
「ワトソンが、ノンエイリアンの血を引く人間だって言うのか?」
「そうだ…」
ジョニーは宇宙人に近づき、その顔面を殴り、砂地に蹴り倒した。そして馬乗りになり、宇宙人の頭を激しく殴りつけた。
宇宙人は言う。「まだ言い終えておらぬ。先程も言ったが、アカシックレコードは過去・現在・未来の全てのあり方を定めている。ワトソンは、自らの真の姿を知るように定められている。そしてジョニー、お前は、全人類の命運を決するように定められているのだ」
ジョニーは答える。「お前は自分で侵略宇宙人だって言ったよな?お前は自分でアカシックレコードに干渉する者は宇宙の法則に反するって言ったよな?つまり、誰でもアカシックレコードに干渉できるってことじゃねえか?」
「ハッ!見よ!」八つの頭と尾を持つ大蛇が再び現れた。宇宙人は続ける。「お前の友人は、伝説の生き物は実在し、宇宙由来のものと地球由来のものに分けられると言った。友人の言う通りだ。あのヤマタノオロチは、宇宙から来た生き物だ。見よ!」宇宙人が空を指さす。
獅子の頭を持つ鷲の生き物が、空を舞っていた。
「あれはノンエイリアンの飼っていた生き物だ」
すると、金色の龍が廃墟の街から現れ、ジョニーに言った。「侵略者であるとはいえ、あのアンドロメダ銀河からの宇宙人の言うことは、全て真実である」
「あのアンドロメダ銀河からの宇宙人は決して嘘は申さぬ。そなたはアカシックレコードによって、全人類の命運を握る者と定められている。そなたが、人類という種が存続するか、絶滅するかを決めるのだ。そしてワトソンは、アカシックレコードによって、そなたと出会うように定められていた。そなたたちは、アカシックレコードによって、どちらか一人が死なねばならぬと定められている。もしそなたが人類の存続という運命を選べば、ワトソンはそなたに殺される。もしそうしなければ、ワトソンがアカシックレコードによってそなたを殺すことになる」
すると、巨大な黒い石柱が砂地から現れた。金色の龍は言う。「あれがアカシックレコードだ。それに触れれば、アカシックレコードが定める全てを知るであろう」それを聞いたジョニーは、その黒い石柱へと歩み寄った。ジョニーが手で黒い石柱に触れると、映像が見えた。ジョニーが銃で女性探偵ワトソンを撃ち殺す映像だった。人類は宇宙に宇宙ステーションを建設するまでに技術を発展させていた。そして、映像は変わり、今度はジョニーがワトソンに銃で撃ち殺される映像だった。人類の高層ビルの全てが炎に包まれていた。それらの映像を全て見たジョニーは、石柱から手を離した。すると宇宙人は、ジョニーとワトソンにそれぞれ一丁の拳銃を投げ渡し、言った。「見たか?どちらか一人が死に、人類全体の運命を決めるのだ」
女性探偵ワトソンは、自分の前に置かれた拳銃を手に取り、ジョニーに向けて構えた。宇宙人は言う。「見たか、ジョニー?ワトソンよ、お前は自らの種族、ノンエイリアンの運命を決めるのだ。人類は生き残るか、それとも絶滅し、ノンエイリアンが再び地球の主となるか?」
女性探偵ワトソンは言う。「たとえ私がノンエイリアンで、たとえ人間が宇宙人で、たとえジョニーが宇宙人でも、私はジョニーを殺さない。私は永遠にジョニーの相棒だ」そう言って、ワトソンは銃を地面に捨てた。
ジョニーは自分の前に落ちていた拳銃を拾い上げ、その拳銃で黒い石柱を弾倉が空になるまで撃ち続けた。撃ち尽くされた黒い石柱は粉々に砕け散った。そしてジョニーは言った。「進化の観察者、お前自身が言ったんじゃないか。惑星の命運を決めるのは俺たちの役割じゃない、惑星の主たる者が決めるんだってな。俺は自分の運命は自分で決める。アカシックレコードに決めてもらう筋合いはない。もし運命ってやつが実在するなら、俺がぶっ壊してやる。俺は自分の運命は自分で決めるんだ。成功する人間は、賢い人間や才能のある人間じゃない、ただ運が良かっただけの人間なんだろ?もし運命が実在するって言うなら、俺がぶっ壊してやるって言ったんだ。運命なんてものは要らない。運が良かろうが悪かろうが、自分で作るんだ!決めてもらうもんか!」
宇宙人は奇妙な銃で、青い光の弾をワトソンの腹部に撃ち込んだ。血が泉のように噴き出し、彼女は倒れた。
「ワトソンーー!!」
ジョニーは跳んで、ワトソンが捨てた拳銃を拾い、宇宙人の胸を撃って倒した。ジョニーは拳銃を地面に捨て、ワトソンのところへ駆け寄った。ワトソンはジョニーに尋ねた。「ジョニー、ずっと私の相棒でいてくれる?」ジョニーは言う。「ワトソンは、ずっと俺の相棒でいてくれるのか?なんでワトソンが俺の相棒なんだ?今になってもわかんねえよ」女性探偵ワトソンは答える。「今はもう友達でしょ?いいじゃない、私たち。私は嬉しいよ、ジョニーの相棒でいられて。だから聞いたんだ、ジョニーはずっと私の相棒でいてくれる?って。だって私はずっとジョニーの相棒でいたいから」ジョニーは言う。「ジョニーは永遠にワトソンの相棒だ。こっちの言い方の方が正しいな。ジョニーは永遠にワトソンの相棒だ」女性探偵ワトソンは左手を差し出した。ジョニーは自分の左手でワトソンの左手を握った。ワトソンは言う。「ワトソンは永遠にジョニーの相棒よ」
ジョニーは言う。「ワトソンを死なせてたまるかよ」そう言って、ジョニーはワトソンの腹部の服のボタンを外した。そこには血にまみれた大きな貫通した傷があった。ジョニーは振り返って金色の龍に尋ねた。「進化の観察者、この次元から出る方法を知ってるか?」金色の龍は答えた。「知っている。第四の次元への出入り口は、そなたの左手の方向にある」ジョニーはワトソンを抱きかかえ、金色の龍の示す方へ走った。そしてジョニーはその出入り口をくぐり抜け、気づくとワトソンの家の中にいた。ジョニーは大きな布を一枚取り、冷蔵庫から氷を何個か取り出してその布に包み、氷のうを作った。そしてその氷のうをワトソンの腹部の傷に当てて冷やした。それからジョニーは病院への道順を示す地図を探し、見つけるとそれを口にくわえ、氷のうを当てているワトソンのところに走って戻り、ワトソンを再び抱きかかえ、病院へ向かおうと走り出した。
すると突然、全てが消え去り、再び第四の次元の砂漠に戻っていた。あのローマの戦士のような宇宙人が、地面から起き上がって言った。「お前たちを第四の次元に引きずり込んだのは我だ。我は何度でもお前たちをこの次元に引きずり込める」それを聞いたジョニーは振り返って出入り口の方へ向かおうとしたが、出入り口は消えていた。宇宙人は続ける。「我は出入り口を破壊することも、新たに作り出すことも、いつでもできる。出入り口は破壊した。もしワトソンを生かしたいなら、これをやろう。全てを癒す薬だ」宇宙人は、赤い錠剤が数粒入った透明なケースを掲げた。ジョニーは金色の龍に向き直った。「進化の観察者」金色の龍はジョニーに答えた。「アンドロメダ銀河からの宇宙人の言うことは真実だ。もしその薬をワトソンに与えれば、ワトソンの傷は完全に癒え、ワトソンは生き延びるであろう」ジョニーはワトソンを地面に下ろし、宇宙人に向かって走った。宇宙人は奇妙な銃で青い光の弾をジョニーの左足に撃ち込み、貫通させた。ジョニーは右足だけで走った。宇宙人は再び青い光の弾を撃ち、今度はジョニーの右足を貫通させた。ジョニーは両腕を使って体を引きずりながら宇宙人に近づき、その足首を掴んで倒した。ジョニーは宇宙人の手首を殴りつけ、手から奇妙な銃を落とさせた。ジョニーはその奇妙な銃を拾い上げた。八つの頭の大蛇がジョニーに迫り、その八つの頭でジョニーを打ち飛ばした。ジョニーは這って宇宙人に近づいた。宇宙人にたどり着く寸前、ジョニーは右手で奇妙な銃を撃ち、最も近くにあった大蛇の八つの頭を吹き飛ばした。大蛇は八つの頭全てを失って死んだ。ジョニーは宇宙人まで這って行き、奇妙な銃で青い光の弾を宇宙人の首に撃ち込んだ。宇宙人は倒れた。ジョニーは宇宙人の持つ透明なケースの薬を取ろうと這って行った。宇宙人は最後の力を振り絞り、ジョニーが捨てた拳銃を拾い、ジョニーの左腕を撃った。ジョニーは右腕一本で体を引きずった。宇宙人は拳銃をジョニーの右腕に向けた。ジョニーは奇妙な銃を宇宙人の頭に向けた。ジョニーと宇宙人は同時に引き金を引いた。ジョニーの右腕は撃ち抜かれ、宇宙人は青い光の弾に頭を撃ち抜かれ、地面に倒れて死んだ。
ジョニーは、左足も右足も、左腕も右腕も動かなかった。彼は蛇のように体をくねらせて這い、死んだ宇宙人が薬のケースを握る右手にたどり着いた。ジョニーは口でそのケースをくわえ、再び蛇のように体をくねらせて、地面に横たわるワトソンのところへ這って行った。ジョニーがワトソンの体にたどり着くと、口でケースを開け、口で赤い錠剤を一つくわえ上げ、そして口でその赤い錠剤をワトソンの口に含ませた。赤い錠剤がワトソンの口に入った。金色の龍がジョニーに尋ねた。「その薬は全てを癒す。もしそなたが飲めば、そなたの手足も元通り動くようになる。先に飲まぬのか?」ジョニーは答えた。「ワトソンが治らなきゃ、俺も薬は飲まない」赤い錠剤がワトソンの口に入ったにもかかわらず、何も起こらなかった。ワトソンは依然として動かない。ジョニーは自分の頭でワトソンの心臓を何度も何度も圧迫し続け、全身汗まみれになった。そして、口でワトソンに人工呼吸を施したが、ワトソンは目を覚まさなかった。ジョニーは耳をワトソンの鼻に近づけたが、呼吸の音はしなかった。ワトソンの息を感じることはできなかった。ジョニーが耳をワトソンの胸に当てると、心臓は止まっていた。
それを見ていた金色の龍は言った。「あの薬は確かに全てを癒す。しかし、既に死した者を蘇らせることはできぬ」そう言って、金色の龍は飛び去って行った。
ジョニーはなおもワトソンの胸に耳を当てていた。そしてジョニーは言った。「ワトソンは永遠にジョニーの相棒だ」そう言ってジョニーは目を閉じた。青い空の広がる第四の次元の砂漠で、朝の海辺のように強い風が吹いていた。ジョニーはワトソンの胸に耳を当てたまま、その優しい風の中を、ワトソンの後を追うようにして息を引き取った。
ノップラーの焚き火の語りが終わると、焚き火を囲んでいた皆は沈黙し、何も言わなかった。
ヨーがノップラーに尋ねた。「終わったのか?」ノップラーは答えた。「ああ、終わったよ。主人公は死んだし、続編を作れってのか?」
終わり




