タイトル未定2025/12/31 17:52
ホットケーキが真っ黒になった。
「おじさんざっこぉ♡」
馬鹿にしたクソガキの笑い声が聞こえる。後ろで一部始終を見ていた養女のアキだ。
「ほっとけメスガキ」
ムキになる俺、それを放置してアキが立つ。
「こんなの説明書見て、その通りやれば、ほらね」
あっという間にホットケーキ色のホットケーキが4枚出来上がった。
「ざこおじさん生活能力よわよわ~人生経験私の5倍でホットケーキも焼けなーい♡」
訳あってこのガキを養子にしたが、物凄く腹が立つ。
炊事洗濯掃除……俺に出来ないことをやって煽る。もう我慢できん!
「ガキが、おじさんの凄さをわからせてやる!」
「娘連れで現場に来るな!」
楢警部に怒られた。
「おじさん、暴行事件の現場に私を連れてくるのはちょっと…」
アキが真面目な顔してこっちを見た。
「あー、もう!事件協力しろって言ったのはそっちでしょうが!さっさと片付けますよ!」
「はぁ、被害者はこの部屋に住む樫屋仁さん、頭を殴られ治療中だ」
「散らかってますね」
現場は広々としたキッチン。卵、牛乳、小麦粉、フライパンが地面に転がって、その横には耐熱ボウル、タコ糸、フライ返しが散らばり……
「こぼれてるの、ホットケーキの生地だ」
「あー、被害者は料理好きらしくてな、2時間前に無人レジでケーキの材料を買ってる被害者らしき姿が映ってた。犯行はこの二時間の間だ」
「警部さん、容疑者は?」
「あぁ、彼に料理を貶された料理人の小暮さんと料理下手が原因で喧嘩になった夫人の春さん二人だ。だが、春さんにはアリバイがある」
「じゃぁ犯人は小暮さんだね。女の人がフライパンで男の人、殴れないもん」
「それでいいのか?」
「間違ってるの?」
「この現場は犯人が偽装したものだ。犯人が被害者に成りすまして買い物に行って、ホットケーキを作ったと思わせれば、犯行時刻はその後になる」
「偽装?証拠は?」
「ホットケーキを焼くのに、この場には油やバターが無い。料理好きがやるミスか?」
「あ…でも女の人がどうやってフライパンで人を強く殴るの?」
「タコ糸でフライパンの持ち手を縛り、思いっきり振って遠心力で殴るんだよ。
タコ糸なら、キッチンにあるし、目立たない。警部、春さんに話を聞いてみて下さい。俺かコイツ、どっちが正しいかすぐ解ります。」
数分後
「自供したよ。探偵、お前の勝ちだ」
「いぇえええい!メスガキ迷探偵さんちっすちっすぅ!わからせサイコー!」




