第7話(最終話)政府の闇(ダーク)と鉱石の秘密(シークレット)と天然の諜報員(エージェント)後編
登場人物紹介
黒瀬 凛 チームアカツキメンバー。
コードネーム リンちゃん
波多紫乃 チームアカツキメンバー。
コードネーム シーちゃん
結月真美 チームアカツキメンバー。
コードネーム マミちゃん
小川奈々子 チームアカツキ指令長官
*登場する名称等は全てフィクションです。
リンの部屋で女子会をしている3人。
「長官遅いねー。」
「紅茶冷めるんとちゃう。」
「リンさん、これ美味しいですね。」
「こんなのんびりしていて大丈夫かな。」
「長官が電磁波装置持って来ないとミッション出来ないからねぇ。」
「お菓子ここ置いとくね。」
「いやいや、私らスパイだよ。緊張感無さ過ぎじゃない。」
「シーちゃん、怒るとシワ増えるって。」
「待たせたわね。」
「小川長官、紅茶冷めちゃったよ。」
「おいおい、紅茶なんてどうでもいいよ。それより装置は。」
「完成したわ。でも試している時間は無さそうね。」
「ぶっつけ本番ですね。」
「それでは皆さん、ラストミッションを伝えます。」
全員揃う。
「先日のミッションで、鉱石は政府にありますが、それが無くても博士の協力で報告書はあります。最後のミッションは、政府の企みを阻止すること。博士の報告を元に開発したこの電磁波射出装置により、政府の放つ電磁波に対処して下さい。」
「あの長官、博士は打ち消すか逆転の電磁波って言ってましたけど、どっちですか?」
「それはあなた達に任せます。どちらを選ぶかが今後の未来を決めるでしょう。」
「了解しました。チームアカツキ任務遂行します。」
「気を付けてね。私は博士の報告書を元に広報の準備を進めます。」
政府中枢本部から何か凄い機械が出て来た。
「あれが政府の開発した装置だね。」
「大きけりゃいいってもんじゃないでしょ。」
「装置の起動には時間もかかりそうですしね。」
政府の機械は繁華街に移動して行った。
「あれ、すぐ照射するかな。」
「効果を考えると人が多い時間じゃね。」
「今、繁華街無人なんですけど…。」
「あんな機械、人がいっぱいいたら大騒ぎだね。」
「だからこんな時間に運んだんかい。」
「少し様子を見ましょうか。」
日中になり凄い人がいる。
「そろそろかな。」
「ヤツら動き出したよ。」
「こちらも準備始めます。」
「でもさ、電磁波どうすんの。」
「博士が二択としたのは意味があるんじゃね。」
「それはシーさんが話した破壊するのか活用するのかと言うことに関係してますよね。」
「打ち消す電磁波は、文字通り政府の電磁波を無くす、つまり無効化するヤツだな。」
「それでは活用する為には逆転の電磁波でしょうが、なんで逆転なんでしょう。」
「そう言う難しいことは分かんないよ。」
「アンタ苦手そうだよね。多分だけど…。」
「シーさん、何か心当たりでも。」
「私が博士と話した感じ、何かアツい未来を見てたんだよね。」
「皆が希望を持って飛躍するってことですね。」
「そう、このよどんだ感じから逆転して活力溢れる世の中。」
「確かに脳内に後遺症があるかもだけど、それ位の刺激が改革には必要なんだね。」
「アタシらには博士のレポート、全く分かんない。でも覚醒した民衆なら理解できるんじゃないかな。」
「決まりですね。逆転の電磁波照射セットします。」
「これで間違ってたらシャレにならんな。」
「大丈夫だよ。根拠無いけど。」
3人の意志は固まった。
「いよいよ政府の奴ら、照準セットしたよ。」
「こちらも発射直後の電磁波に照準セットしました。」
「打った直後、効果が変わったらアイツら驚くかな。」
「政府が連射する可能性はどう。」
「機械の性能から言って連射は無理です。後日改めて実施となるでしょう。」
「その間に広報だね。」
「相手充填完了、射出します。」
「こっちも追随して射出です。」
政府の機械から出た電磁波にこちらの電磁波が当たり、繁華街の民衆に降り注ぐ。
「みんな大丈夫かな。」
「仮にこちらの電磁波が無くても死なないよ。」
「効果はかなり違いますね。」
「ちなみに電磁波の効果はいつ出るの?」
「レポートだと少ししたら出るらしいけど。」
「政府も機械を撤収し始めました。我々も撤収しましょう。」
「これ以上ここにいても意味ないね。」
数日後。
「何か、政府からの緊急会見だって。」
「会見を見た民衆で、電磁波受けた人操るつもりじゃない。」
「長官が電波ジャックして、博士の報告書説明するらしいよ。」
「普通の民衆が聞いても意味分かんないけどね。」
「電磁波受けた人が覚醒するのを願うだけかな。」
「うちらはミッションを終わらせた。後は覚醒した民衆と政府の問題だよ。」
「あっ、政府会見始まった。」
政府の会見は途中から長官に代わり、鉱石の話と分析結果が放映された。
放映後、政府への批判も少しはあったが、大半は各企業での技術革新が話題となった。
覚醒した民衆はその知識を以て社会を発展させたのである。
「シーちゃん、これからどうすんの。」
「バイトでもしながら推し活するよ。」
「マミちゃんは?」
「私はリョーマさんの元に戻り、新たな活動を手助けします。」
「そう言うリンちゃん、どうすんの。」
「私は……。」
色々考えた。チームアカツキも解散する。
でも、私はスパイとして必要な活動をしたい。
「私はスパイを続けるよ。」
「アンタみたいなドジっ子雇う組織あるかな。」
「私だってガンバルもん。」
「そうや、リンちゃんのイイとこは前向きなトコや。」
「リンさんなら出来ますよ。立派なスパイ。」
あれから数ヶ月。
「長官、本日のミッション完了しました。」
「リンさん、随分手際が良くなったじゃない。」
「シーちゃんやマミちゃんの分まで頑張らないと。」
「そうそう、次回からあなたに新人のスパイを任せるわ。」
「わっ、私が教えるんですか。」
スパイ・スパイラル 完
ついに完結です。
チームアカツキの面々、よく頑張ったねと言う感じですが、今頃どこかで女子会していたりして。
また別のお話しでお会いしましょう。