第6話 政府の闇(ダーク)と鉱石の秘密(シークレット)と天然の諜報員(エージェント)中編
登場人物紹介
黒瀬 凛 チームアカツキメンバー。
コードネーム リンちゃん
波多紫乃 チームアカツキメンバー。
コードネーム シーちゃん
結月真美 チームアカツキメンバー。
コードネーム マミちゃん
小川奈々子 チームアカツキ指令長官
*登場する名称等は全てフィクションです。
「いよいよ重要ミッションスタートだね。」
「リンちゃん、肝心な時にドジらないでね。」
「慎重にいきましょう。」
チームアカツキの3人は政府管理のビルに再び来た。
「ところでさあ、あの石って何なのかな。」
「石って言うな。鉱石やろ。」
「特殊な効果を持つようですが、何ででしょうかね。」
「その辺、探るかな。」
「シーちゃん、カッコいい。」
「うまくキャリアウーマンしてます。」
「どや、記者になりきってみたで。」
「博士に取材だね。」
「何かあれば私達もフォローしますから。」
「じゃ、行くで。」
シーちゃんは記者としてビルに入った。
「あのー。」
「どちらさんかな。」
「私、アカツキ新聞の記者をしております。」
「記者がこんな研究所に何の用ですかな。」
「博士がとある貴重な鉱石を研究していると情報を得たものですから取材に。」
「なるほど。公開派の幹部がリークしたんだろ。まあいい、何が知りたい。」
「情報を出していいんですか。」
「わしゃ政府のやり方には賛同出来ん。だが、この鉱石は民衆に素晴らしい未来を与える可能性がある。研究はしっかりやりたいのじゃ。」
「つまり博士は、この鉱石を民衆の為に活用したいと。」
「最初は珍しいこともあり分析だけしていたが、政府の連中はこれでマインドコントロールし民衆を兵隊みたいにするつもりじゃ。」
「鉱石についての解析はどれくらい出来ているんですか。」
「何とか70%くらいは出来た。」
「そもそもこの鉱石はどういうものなんでしょうか。」
「この鉱石は特殊な化学物質が混合して染み付き、年数をかけ変化したんじゃ。」
「いわば化学変化鉱石と言ったとこですね。」
「そうじゃな。だから、電磁波を照射すれば様々な効果をもたらす訳じゃ。」
「そのようなもの、どこにあったんですか。」
「核施設の地下じゃよ。たまたま事故があり、調査したら発見したんじゃよ。」
「このような鉱石は他にまだあるんですか。」
「簡単に量産出来るものじゃないからな。全地域調査してはおらんが、まずこれ以外はないじゃろうな。」
「博士としては、この鉱石を活用して民衆に役立てるのと、破壊して悪用を防ぐのではどちらがいいと考えますか。」
「難しいことを聞くんじゃな。まあいい。政府の連中が悪用するくらいなら破壊しても構わないんじゃないか。だが、民衆に活用出来れば飛躍的な進歩が期待出来るかの。」
「なるほど、取材の協力ありがとうございました。」
「なに、構わんよ。あんたスパイじゃろ。」
「いやいや、ただの記者ですけど。」
「一般の記者がこの鉱石の情報に辿りつける訳がない。さしずめリョーマの部下と言ったところか。」
「確かにリョーマさんには協力してもらいましたが。」
「まあ、あんたらならうまく鉱石を民衆の為に役立ててくれるじゃろ。これを渡しておく。」
「これは?」
「現時点における鉱石の解析結果じゃ。」
「そのようなものいいんですか。」
「民衆あっての政府なのに、自分の私利私欲で鉱石を悪用するのはワシのポリシーに反するんじゃよ。これ以上の解析をするつもりはない。よって、政府もあんたらもこの情報をいかに使うかが勝負を決めることになるな。」
「博士、我々に協力してもらえないでしょうか。」
「それは出来ない相談じゃ。鉱石に関する研究は終了する。ワシャまた別の研究をすることにするよ。」
「分かりました。博士も新しい研究頑張って下さい。」
「この鉱石は政府に渡さざるを得ない。しかし、奴らも直ぐに使うのは無理じゃ。解析結果をしっかり理解し対策出来れば勝つ見込みはあるじゃろうな。」
「ありがとうございます博士。」
「よいか、1つアドバイスじゃ。奴らの使う電磁波に対し、打ち消す電磁波か逆転する電磁波、どうするかはあんたら次第じゃな。」
チームアカツキ本部(リンの部屋)に戻った3人。
「長官、以上が博士より聴取した情報です。」
「シーちゃん、ありがとう。」
「あの博士いい人だね。」
「研究者が全て悪い訳じゃないわ。その研究を悪用する者こそ真の悪者じゃないかしら。」
「長官、博士も言っていましたが、解析報告と鉱石は政府にあると見て間違いないです。」
「多少準備時間はあるにせよ、のんびりしている暇はないでしょうね。」
「この解析結果を元に特殊電磁波射出装置を作成しています。作成出来次第最終ミッションを実行します。」
「じゃ、それまで政府の動きでも調べますか。」
政府本部は厳重な警備がしかれていた。
「ねぇねぇシーちゃん。ここってこんなに厳重だったっけ?」
「そういや昔は誰でも入れるみたいな甘い警備やったな。」
「鉱石の一件以来厳戒態勢をしいたと聞いています。」
「とりあえず中の様子でも探る?」
「いや、博士の報告書には、鉱石の効果を発揮するには屋外じゃなきゃ出来ないみたい。」
「しかも民衆に対し照射するにはある程度の繁華街に近づかないとならないみたいですね。」
「なら、奴らが出て来た時が勝負だね。」
「問題は奴らの電磁波に対し、こちらの電磁波をどう照射するかじゃない。」
「いずれにしても決戦は近いってことだね。」
第7話(最終話) 予告
ついに最終決戦を迎える。チームアカツキメンバーか政府隠蔽派か。そして鉱石はどうなるのか。ラストミッションが今開始される。
次回最終回 「政府の闇と鉱石の秘密と天然の諜報員後編」
いやはや、残す所後1話。今回リンちゃん、やらかさなかったなー。(そんな暇なかったか。)
そうそう、新作の準備もしてるんで、そちらもよろしくお願いしますね。
それでは次回。