表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/5

第一章 揺らぎの楽園 【一節】夢と目覚め

お久しぶりです。設定を新規に作り上げて書き直しました。

――――赤い空。ひび割れた大地に、祈るように立つ影。

誰かの叫び。ひとつ、またひとつ、小さな光が黒い淵へと落ちていく。

空を割って現れる黒い手。崩れ落ちる浮島。その中心に立つ、顔のない少女。


「……また、あの夢」


そうつぶやいたのは、光の加減で虹色を帯びる白髪のロングヘアをなびかせた、小柄な少女だった。

シナユリは静かにその淡い青色の目を開けた。

ここは神々の住まう神界【ニユルス】その中でも端に位置する浮島であり、

その中心に建てられた白と青の光が躍る幻想的な創造神の住まう神殿がこの場所である。


傍らには、長身の黒髪の天使――エレユオが控えている。



「お目覚めですね、シナユリ様。夢の兆候、また……?」


シナユリは軽く首を振った。


「ただの夢よ。そう思いたい」


シナユリは、まだ覚醒しきっていない頭で、自身が誕生した時のことを思い出す。



――

―――




微かに感じた死の恐怖から目覚めた私は、記憶が存在せず白い空間に一人存在していた。


「ここは…?」


無機質なこの空間には謎の心地よさがあり、私は曖昧な意識のもと何もない真っ白な壁をただ見つめていた。

だがその時間は長くは続かず、いつの間にかそこにあった扉から現れた存在に意識は向けられた。

その存在は少女の姿をしていた。まず目に入ったのは、その長めのストレートで背中まで伸びている漆黒の黒髪。

次に端正で中性的な顔つきで、瞳は純白の虹彩に淡い金の輪が輝き、そこからは神秘的な印象を受ける。

服装は白と黒の対比が印象的な羽衣のような長衣が目に入る。


私がその姿に見とれていると、


「目を覚まされたのですね、シナユリ様。」


私は聞きなじみのない言葉に首傾けると


「私の名前は、エレユオ。貴方の天使です。」


「天使?」


「やはり記憶が存在してないのですね…。貴方様の名前は”シナユリ”創造の力を司る神です。」


「……シナ…ユリ?」


言われて考えてみるがあまり聞きなじみが無い。それにしても


「神ってどういうこと?」


私は、エレユオに疑問をぶつけていく。


その結果、この世界は原初の三神が治める神々の住まう神界と呼ばれる場所であり、

私は新たな神であり新たな世界創造の為に産み落とされたらしい。

そしてエレユオは、私に仕える大天使らしい。


「私はこれからどうしたら…?」


「これからシナユリ様には、世界の創造を行ってもらいます。そのために先ずは、こちらへ」


そう言うとエレユオは壁に触れ扉をあけ放ち、こちらに向かって手を差し伸べる。

私は、その手を取りエレユオと共に扉を抜けた。


そして私は、抜けた先にあった神殿で暫くこの世界について学びながら、原初の三神より与えられた世界の核を神殿の中心の台座に浮かべて、

様子を伺いながら肉付けを行い時々世界に降り立ち

生命の誕生の基盤を作り、新たな世界秩序を作り上げ、時には直接介入して生命を守る事もあった。


―――

――


「シナユリ様今日は、どうなさるですか?」


エレユオの言葉で、現在に思考を戻したシナユリは、神殿の中から世界を眺めた。



「今日は東の山脈を創る予定のつもり」


そう言いながら台座に向かい自身の掌を目の前の球体”創造世界アルミス”に掲げ、シナユリの手から光があふれる、だが――そこで光が飛散する。

何度か試したが透明な空間に霧のように消えていく。


「……世界に拒まれた?」


そんなはずは無い、私の創り上げた世界に私が拒否されるなど…

その時だった。背後から、重く、鋭い気配が突き刺さる。


「シナユリ様!!!」


エレユオの慌てた声が聞こえた。

その瞬間背後から謎の影が私に襲い掛かる。

反応が一瞬遅れた。その影は風のように通り抜け、細い腕に鋭い痛みが走り、突如力の抜けていく感覚が襲う。


「……っ!」


「大丈夫ですか!」


急いでエレユオが影との間に入るが、影は創造世界に触れそのまま吸い込まれるように消えていった。



「今のは、いったい…」


そうシナユリが声をこぼし球体に近づき創造世界を確認にするが、


「!?」


「世界に干渉できない……それどころか見る事も出来なくなっている…」


いや…創造の力に制限がかかっているのか!


「あの影の影響…? とにかく何とかしないと!」


私は創造世界の球体に触れ、何が起こっているかを探る。

幸いなことに創造世界への顕現は出来そうだ…

世界に異変が起きている…何とかしなくてはならない。


「エレユオ、中からどうにかするしかない。創造世界に入ってこの事態を何とか…ついてきてくれる?」


「勿論お供します」


その声を聞いた私は、片手で球体に触れもう片方の手でエレユオの手を握る。


「いくよ!」


シナユリの手から光があふれ、徐々に全身へと巡り二人を包み込む…

そのまま光の粒子となり、球体へと吸い込まれていった。



創造世界に紛れ込んだ謎の影を追いかけるようにシナユリは創造世界【アルミス】へと向かう。


ここまで見て頂きありがとうございます。

また気が向いたら更新します。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ