私はあんたの何ですか?
その時、着信音が鳴った。
レン太が「この曲知ってる、俺も好きなやつ」と反応する。携帯を見ると【となりの奴】と書いた文字と共に曲が鳴り響いているが着信拒否をする。
「なんでー、出てもよかったのに。彼氏?」と、ゆっくりと喋りだす。きっかけはどうであれ、気まずい間がふさがってよかった。
「隣の幼なじみ」と言ってるそばから、また先ほどと同じ着信音が鳴っている。
「ふっふっ、向こうは結構意識しているかもよ」綺麗な顔が、少し歪む。
(なっなに、言ってるのよ)
メールにも着信が届いている。
(ばかやろう、何で無視してるんだ。返信しろ。今日夕方6時に会おうって言っただろう)と書いてある。
(ばかはどっちよ。会うとは一言も返事してないし、今日は遅くなるから)と、一応返信を返す。とそれからの、着信音は無視を決め込み携帯の電源を切る。
「ふっふっ、なんかかわいいね。」レン太と目が合う。なんか、男の人にそんなこと言われたことがないのですごく照れる。
「でも、うらやましいよ。君が今は、幼なじみ君にその気がなかったとしても未来に可能性があるじゃない? 僕なんかそんなことしたら、二度と顔を合わせられなくなるからね」
(ん?レン太さんは何をいってるんだろう)言った意味がわからなくてレン太の顔をみると、レン太の視線は複数の踊っている男女に時おり遮られてはいるが、カノン達いや間違いない。空さんに向かって真っすぐに向けられていた。
それからはカノンや空さんと交えて話をしていても、レン太の意味深な言葉が気になって楽しめなかった。それでも周りに合わせて笑ったり喋ったり、22時の迎えが来るまで周りに合わせていたのでどっと気疲れした。一方カノンは空さんと踊って最高だとかメール交換したとか、こっちの気も知らすに盛り上がっている。
レン太の想いを知っているだけに、複雑な気持ちだ。でもレン太が秘密にしていることを私がばらす訳にもいかないし‥。
帰宅後、家の玄関口まで八雲さんに送ってもらった。家の前で車を下りるとすぐに、林二からメールが来た。
(何、高校生が遊びまわっているんだよ。明日、絶対会えよ。昼3時に迎えに行くから)
(あーあ、何で一方的なんですか?あんたは、私の何ですか)って、言ってやりたかったが疲れているので、部屋に駆け込んでベットに滑り込む。