表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/10

隣の幼馴染

 雛野 岬はいつものように学校から帰ると2階にある自分の部屋に駆け上がり、鞄を床に放り投げてベットに身体をダイブさせる。ああーこの疲労感を優しく包み込んでくれる羽毛布団。

このまま、布団の温かさにうとうととしかけた時‥いつもの声がする。


「岬ー、帰ったんだろう?」その声を遮るように、毛布を頭からかぶるようにして深く潜る。このまま無視をしたら諦めてくれる?いや、そんなやわな奴ではなかった。

「おい、いるんだろう。」また呼んでいる。もう、たまには勘弁してよ。分譲住宅の隣の近さったら最悪。

幼馴染の秋田 林二とは生まれた時からの付き合い。というのも親同士がとても仲がいいので、兄弟のように育った仲なのである。幼稚園、小中学校と一緒で高校は別々になったものの、お互い帰宅部ということもあり頻繁に部屋を行き来する仲。


窓を勢いよく開けて「たまにはほっといて。私これから寝るから」といいすて、次の言葉も聞かずにカーテンを閉める。

だけど‥ベットに目がいくが目が冴えてきて眠れない。それに制服のままだということに気が付き着替える。


今日、学校での親友の井上 カノンとの会話を思い出す。

「今年もバレンタインが近いというのに相変わらず、彼氏なしだあ」カノンが学食のうどんを食べながらいう。

「本当だよね。その日は二人でウィンドウショッピングでもする?」

「なあに言ってんのよ。岬は幼馴染みの彼がいるじゃない」

「えっ、林二 ?!何度もいったけどお互い生まれた時から近くにいすぎて、兄弟みたいなものだよ」

「林二くんだっけ、彼の方は案外そうでもないかもよ」と言うとからかうような表情になる。

「いやー、流石にないない」林二のとぼけた顔が浮かぶ。


制服をハンガーにかけながら(そもそも、林二が近くにいるから彼ができないのかも)さっき冷たく突き放したのも、その会話の余韻がどことなく残っていたからだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ