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消ゑた「 」色
『何でこんな事になったんだろう。』
目の前の赤い景色は自分の色を消していく。
そして、色が赤く染まっていった。
困難というものは自分の身近な災害だ。
その後に、何が残るだろう。
壊れてしまった環境?
いや、何も残らないのだ。
結局、なかった事にされる。
歴史は繰り返されるのになぁ。
自分は赤い景色の中で、
他の色が見えないまま、
深い絶望へと落ちてしまった。
目覚めると、行ったこともない、
見たこともない無彩色の世界にいた。
自分は中ぐらいの頭から記憶を絞った。
不思議なことに、さっきの事、昔のこと、
何一つも思い出せない。
不意に立ち上がってみると、体がいつもより浮いた。
右ポケットに何かが入っていることがわかった。
起きた時に気づいたのだ。
そこには、色付いている小さな鍵が入っていた。
右手で取り出そうとしたが、
地面に落としてしまった。
すると、落ちた鍵が地面を震わせた、
まるで水が水面に落ちて、
波が大きな円を作って伝わせるように、
私に伝ってきた。
ーなんて不思議な鍵だ、と思った。