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鷹司家戦国奮闘記  作者: 若竹
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鷹司家は残念属性が付いているのかも知れん

 はい。この間、丹波国の亀岡に入るため、峠にある沓掛城ってお城を落としに行った若竹軍です。昨日帰って来て、今日は反省会しています。まるでお通夜のようです。


 建前上オレが総大将なので八郎達と上座に座っているけど、パパンと在富が同席している。


 なんでお通夜の様なのかって?誰か死んだのか?ううん。若竹軍は誰も死んで無い。怪我人もスキーで木に激突して脳震盪起こした兵が一人いただけだった。お城も無傷で開城したって。


 ではなんで、こんなに沈んでいるのでしょうか?先ずは宗滴ジイ達軍師部隊から。


「調略も上手く行き、城から野戦へと釣り出す事にも成功致した。山中の事ゆえそれほど開けた場所では無かったが、それなりに兵を展開出来る谷間に敵を誘引出来たのでござる」


 おお、こちらが設定した戦場に敵を引きつけたのね。


「敵が我らのいる丘に着いた時に擲弾で一撃を加え、混乱している敵を、すきい衆が後ろから急襲し、最後に主軍が敵を殲滅する手筈でありました」


 それは狙い過ぎな気もするけどまあ作戦としてはいいんじゃ無いの?


「榴弾での一撃は敵の後方部隊に直撃、敵は大混乱に陥りました」


 凄いじゃないか!


「そこで、すきい衆が敵本陣を急襲しようとした時でした」


 ふんふん。


「榴弾の大きな音で雪崩が起きた様なのです」


 アレ?


「混乱していた敵は谷間に固まっておりました」


 そうね。そうだったね。


「そこに、雪崩れが……」


 えーと、敵の大将は?


「雪崩は全ての敵を呑み込んで行き申した」


 幸い城には御隠居と奥方、嫡子も残っていたので降伏はして貰えたそうなんだけどね。詰めの部分を雪崩れに持って行かれちゃったのね。まあ、軍師としては後味悪いか。


「軍師殿達はまだ良いで御座る!調略やら、誘引やら働き場があったではござらぬか!」


 プンスカしてるのは小次郎達、実戦部隊だ。直接戦闘しなくて済んだんだから、喜べはいいのにね。


「我らは人を斬るのが仕事で御座る!それを目の前で掻っ攫われたので御座るぞ!」


 あー、まあ、戦功を稼ぐ場を奪われたってのはあるか。


「あれ程の鍛錬を積んで、鬼神もかくやと言う動きを身に付け、やっと披露の場に立てたと思ったその直後でござる!」


 小次郎達の話では、こんな感じだったらしい。


 小次郎達、敵本陣の後ろの丘に登場。敵、大慌て。小次郎達が敵に襲い掛かる瞬間、雪崩れ発生!


 小次郎達、慌てて方向転換、必死に雪崩れから逃げる。逃げる。逃げる。先頭にいた小次郎は雪崩れに飲み込まれかけるも、スキーのおかげでなんとか逃げ切る。


 まあ、本当は敵本体の半数が雪崩れに飲み込まれ、それに驚いた後詰め部隊が降参したらしいんだけども。城主も本隊に居て雪崩れに飲み込まれたんだって。そもそも100人単位の合戦だし。


 小次郎達の気持ちは分からんでも無いけどね。でもまあ、すきい衆の機動力は確かめられたんだろう?


「ん?まあ、雪中に素早く動き、敵背後に辿り付けたのは確かに御座る」

「それも神速の速さにて、展開しておりましたな」


 すかさず持ち上げる布施さん。上手いね。


「いやあ、それ程の事でも御座らぬ。初めに伏せた場所が良かったので御座る」

「それでも、すきい衆の技が無ければあの展開は出来もうさぬ」

「誠に、誠に」


 おっと、大江さんも乗っかって小次郎達を持ち上げてる。


「敵の生き残りが、気付いたら背後にも兵が立っていて絶望したと申しておりましたぞ」


 今度は宇喜多さん。


「うむ。若竹丸様の軍には神兵が付いておると噂を流そう。神出鬼没の若竹兵じゃ」


 宗滴ジイがそう纏めると、小次郎達も満更では無い顔をしていたよ。やっぱり軍師部隊の方が一枚も二枚も上手だね。


 あ!今回は全く活躍しなかったけど、兵衛は陸戦隊中尉にしてあげました!






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