スキー行こうぜ!
初雪が降ったよ!どおりで寒いハズだね。
宗滴学校では只今、スキーを教えてます。オレは昭和バブルの世代だからね。ウィンタースポーツと言えばスキーなのだ。忠冬パパン達、平成世代は思い付かなかったようだ。
「あー!スノボは一瞬、考えたんでおじゃる!でもあの複合材とかワックスとか色々ハードルが高過ぎたのじゃ!」
「スキー板なら簡単だったんですね」
孟宗竹を割って炙って曲げるだけだからね。オレの記憶にあった手作りの竹スキーを北郷達が再現したんだ。
ウチはお金持ちだからね。蝦夷のアイヌから手に入れたアザラシの毛皮をスキーに貼って、歩くスキーも作ったよ。
「これは凄い!これがあれば雪中でも移動でき申す!むしろ徒歩よりも早く移動が叶い申す!」
小次郎達、朝倉勢もビックリしている。
「もしも、この『すきい』とやらを履いた軍勢がいたら、雪中でも安心できませぬな!」
「うむ。一晩開けたら『すきい』勢に取り囲まれておるやも知れぬ!」
宗滴ジイも流石に驚いた様だ。
「うむむ。収穫の終わった城に攻め入るは愚策なれど、冬でも自在に移動出来る兵は厄介じゃのう」
布施さんも悪い顔してたな。
「兵糧があっても兵は詰めておらぬでしょう。あの迫撃砲があれば城門は無いも同然。冬の間にどれだけ城を落とせるやら。フフフ」
いやいや、防寒着がまだちゃんと開発出来て居ないからね。下手すると八甲田山になるから。京生まれの布施さんは雪山の厳しさを知らないらしく、後で朝倉勢や在富から止められていたよ。
代わりに山岳猟兵ってのを教えてあげたんだ。精鋭部隊ってのが琴線に触れたみたいで、朝倉勢も食い付いていたよ。北郷に、ちゃんと山の民に冬山での過ごし方の教えを乞う事って伝えて貰ったよ。
布施さんは伊賀から来ていた左さんと相談して、冬山の斥候部隊を作る事にしたらしい。
「今年は無理でも、来年以降もありますからな。フフフ」
布施さん、悪い顔が治って無いぞ。まあ、毛皮やゴム製品があるから、晴れた日とかに移動は可能で、冬の間も侵攻出来るのは確かなんだけどね。
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小次郎や富田兄弟はその日の内にスキーを習得していた。やっぱり運動神経が違うんだろうな。
築山の下に巻き藁を並べて何をするのかと思ってたら、山から滑り降りて来て、その勢いを活かして巻き藁を斬り飛ばしていたよ。普通の刀は滑っている時にバランスを取りにくいらしく、長巻って言う柄の長い刀を使ってた。長い柄の方を一本ストックみたいに使って滑って行くんだよ。平らな所でもスケーティングで移動出来るしね。
「冬の山道でこんな襲撃に会ったら防ぎようがありませんなぁ」
宗滴ジイも布施さんもそのニヤニヤ、ヤメレ。まあ、丹波国での作戦を考えているんだろうけどね。北郷とか左さんとかが、集まって戦術会議になっちゃっているよね。
この寒いのに兵衛や大江さん達を呼び出して相談している。スキーの高機動を活かした電撃戦とか編み出しちゃっているよ。
でも、「ちょっとそこまで買い物に」みたいなノリで「お城落として来ます」って言うのもやめてね。
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